第35話 『弦楽四重奏曲ニ短調K.421』 モーツァルト

 いわゆる、ハイドンセットのなかの二作めにあたります。


 たぶん、1783年6月中旬の作品と言われます。


 通常、モー先生が、短調の作品を書くのは、尋常ならざることのような感じでありますが、この曲の場合は、もしかしたら、音楽的に狙って書いたものかもしれません。


 それでも、こ、こ、これが、泣かずにいられましょうか。


 第1楽章冒頭の第1主題、なんとも、悲痛な面もちが支配しています。


 長調だけれど、どこか秋の空のように、うつろな第2楽章。


 第3楽章は、おそらく、わりと有名な音楽。


 厳しい表情ですが、確かに、美しい。


 中間部は、ちょと、セレナードのような、わずかな慰めがありますが、ここは、短調部に比べ、あまり説得力がないように作られています。これも、狙って書かれたのではないかなあ、と、やましんは勝手に思います。


 最終楽章は、変奏曲ですが、こいつがあまりに素晴らしいです。


 言葉にはならない種類の音楽です。


 問題は、終わり方です。


 ぽつ! と終わってしまう。


 ほんの少し、長調の響きを残して。


 なにか、空間に穴が開いたように。


 モー先生、お空の何かを、狙ったのかな?




 ********** うる 😿 😿 😿 うる **********




 




 






 



 



 

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