第34話 『弦楽五重奏曲ト短調 K.516』 モーツアルト
モー先生の『ト短調』は、尋常ではないです。
K.550の交響曲。(通称『第40番』。 『第25番』に対して『大ト短調交響曲』とも言われたりする。)
K.183の交響曲。(通称『第25番』。『小ト短調交響曲』。映画『アマデウス』の冒頭で流れていた曲です。)
その二つに比べても、異常な緊張感に満たされた『第1楽章』。
あまりに印象的な旋律で、一発で、はまってしまう、恐るべき音楽です。
最初から、なんだか途中から始まったような、救いのない『第2楽章』
深い深い霧の中で歌われるような『第3楽章』。
どんどん、奥深くに連れ込まれ、もう二度と出て来られそうにない音楽。
異常な狂おしいまでの序奏部を持ちながら、突然、無理やり現われるト長調の『終楽章』。
どうしろと言われても、どうにもしてあげようがない、どうにもならない音楽です。
人間には、そうした事態が、まま、起こります。
親の死。
大失敗の結果。
やがて訪れる、自分の死。
そういう種類の音楽であります。
聞くだけで、気が咎めるような感じもする、冗談が一切効かない、非常に厳しい音楽。
ちょっと、覚悟して聞く必要あり。
1787年5月16日 ウィーンで作曲。
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