第33話 『ピアノ五重奏曲イ長調作品81』 ドヴォルザーク
こ、これが泣かずにいられましょうか?
もちろん、いわゆる、哀しい音楽では、必ずしも、ありません。
『第1楽章』は、捉え方によっては、『うららかな音楽』、と考える方がいてもおかしくないです。
しかし、この長調と短調を微妙にゆらめく、あまりにも美しい音楽は、やましんをはげしく揺さぶるのです。(あまりゆさぶると、頭が落ちるぞ!)
すこし陰りのあるピアノの序奏に乗って、チェロが絶妙な主題を弾き出します。
この時点で、すでに、やましんのお顔は、ぐちゃぐちゃになりそう。
あ、あ、あ・・・・もう泣くぞお!
ま、もちろん、演奏のあり方にも、いくらか左右はされます。
『泣かせてやろうぜ!』
という魂胆が見え見えな、素晴らしい演奏もありますし、すらっ、といってしまう、素晴らしい演奏も、あります。
とはいえ、『第2楽章』は、元々、『泣かせてやろうぜ!』の音楽。
『ドゥムカ』と指定されているので、一種の舞曲かもしれないけど、これでは、やましん、うつむいて泣くしかないです。
まあ、本来、そうした雰囲気があるので、ここは泣いても普通でしょう。
『第3楽楽』は、くるくる回るダンス音楽ですが、哀愁漂うところは、やはりドヴォ先生。
途中で、ちょと、行きどころを失いかけてる風情も見せながら、また、すっと立ち直る。
『第4楽章』は、これまた個性的な舞曲調音楽であります。
『第3楽章』よりも、かなり入り組んだダンスであります。
庭で踊っていたグループが、いくらか豪華なホールに移動した感じかな。
最後は、かっこよく〆ます。
ロマン派時代を代表する『ピアノ五重奏曲』と言われる割に、あまり巷で聴かないのはなぜ?
1887年の作品。
なお、ドヴォ先生には、もうひとつ、作品5のイ長調の『ピアノ五重奏曲』があります。
ネットとか、一般向け解説本などでも、あまり高くは評価されてないようです。
派手さはなく、民族色も薄いですが、いくらかシューベルト先生あたりの影響が感じられますものの、独自の歌ごころ満載なところは、やはりドヴォ先生で、聞いてみれば、これもまた良い音楽です。
まあ、専門家が良いといっても、面白くないものは、面白くない事もあり、逆のこともありで、アマチュアの音楽の好きずきの判断は、最終的には、自分だけのものです。
少数派だからと言って、悩む理由にはならないです。たぶん。
いばる理由にもならないけど。
そこが、楽しいのです。
こんなに、素晴らしい世界❕
上司から、『音楽止めろ』と、言われて、止められるわけがありません。
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