第23話 『天使のセレナード』 ブラガ

 ガエターノ・ブラガさま(1829~1907)はイタリアのチェリスト・作曲家。


 おおかた、この曲だけが飛びぬけて有名であります。


 実は、やましん、この曲を自分の結婚式において、フルートで演奏いたしました。


 この美くしも妖しいメロディーは、とにもかくにも、最高です。


 でも、これまた、涙がじゅわっと、でるのです。


 この曲、もともとは歌曲なのです。


 ちょっと古い、エルナ・サック様というソプラノの方の録音を聞いてみますと、オーケストラが、最初からそれはそれは妙なる調べを聴かせるのですが、お歌のソロの方は、ほぼオブリガートという感じで、美味しい旋律をほとんど歌わせてもらえません。


 オペラのレシタティーヴォのような感じもします。


 これは、ブラームス先生の『ヴァイオリン協奏曲二長調の第2楽章』の冒頭とか、グリーグ先生の『ピアノ協奏曲の終楽章』の、ようなもので、ソロを演奏する側も、聞く側も、きっと、ちょっとストレスを感じます。


 しかし、ここが作曲者の狙いなんだろう、かもしれないのです。


 ところどころで、ソロが主旋律を、そっと辿る部分が出て来ますが、これが、いとおしくていとおしくて、もう仕方がなくなるのです。


 歌詞は、ネット上には出ておりますが、やましんはイタリア語『も』わからないです。


 ただ、この曲、『死に行く我が子を見つめるお母さんのお歌』ということで、だいたい結婚式で演奏するのはどうかなぁ・・・と、当時から思ってはいたのですが。


 シューベルトさんの『魔王』とか、シベ先生の『悲しきワルツ』に共通するようなテーマです。


 でも、このあまりの美しさは、あんまりです。


 ある意味、死といふものに対する、淡い憧れ、誘惑、のような感じさえします。


 そう言う意味では、大変、危険な音楽。


 接近注意!


 なお、ブラガ先生のチェロ作品のCDは、ボンジョバンニレーベルから、かつて出ておりました。いかにも歌の国の人らしい、『お歌』満載の音楽です。(BONGIOVANNI GB5040-2)

 


補足・・・・・・・


 たまたま、聞いていた、ミッシャ・エルマンさまの古い録音に、歌が入っているものがありました。独唱は、フランチェス・アルダさま。(ビダルフ LAB 039)
















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