第14話 『日々罪をおかし』 ジェズアルド
さすがのやましんでさえ、これは冗談にはできない種類のお話しであり、そこから生まれた音楽です。
ジェズアルドさま(1564年ごろ~1613)は、貴族の次男さまで、気ままに音楽を楽しんで暮らしていたそうです。
しかし、運命の気まぐれから家督を継ぐことになり、結婚しました。
相手の女性は絶世の美女でしたが、浮気が絶えず、ジェズアルドさまは、ある日その現場を手下と共に襲い、二人とも殺してしまいました。(そんな日本映画も、ありましたね。男は逃げたけど・・・)
それから、相手の男性に似ていたらしき自分の子供も殺害しました。
しかし、貴族であったため、批判はされたが逮捕などはされず、他所の地に行き、それからも音楽に没頭し、再婚もし、やがて領地に帰りますが、どうやら終生、罪の意識にさいなまれ続けたようです。後継ぎも先に亡くなり、彼の死をもって、おうちは断絶したとのこと。
音楽家としては、いわゆるアマチュアですが、その作品は、はるか後世に残ったのです。
常ならぬ不協和音や半音階を多用し、才能もあり、いわば規則などにはあまり囚われない、プロには書けない種類の音楽を残したというわけです。
この時期の音楽は、なかなか素人には掴みにくいところもあり、作品ごとの区別さえも、いささかつけにくいですが、この方の音楽には、そうした特徴がはっきりあり、なにか切羽詰まったものを感じます。
暗いお城の中で、ひとり、思い詰めている影が・・・
まあ、そうしたいきさつを聞いたから、でしょうけれども。
『日々罪をおかし悔い改めるのことがないわたし・・・神よ、わたしを憐れんで救い給え・・・』
と歌うのだそうです。
内容が内容だけに、なんとなく正座して聞いてしまいそうです。
罪は消えて、音楽は残る・・・のか?
罪とともに、残るのか?
そこんところは、やましんには、わかりません。
悲惨なことであったことは、間違いないでしょう。
*** ***
*参考にした本・CD【CDで聞くキリスト教音楽の歴史 2001年】
廉価版のブリリアントレーベルや、ナクソスレーベルからもCDが出ていますので、音楽を聞こうとすること自体は、あまり難しくないようです。
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