掌編小説詰め合わせ

花火、そこにある過去

　去年の花火は綺麗だった。

「花火って、高い所から見ても丸いのかな」

　隣にいる君は首を傾げていた。すぐそこにある展望台は、花火大会の日だけカップル限定になる。

「あの展望台から見たら、その謎も解けるのに」

　ちょっぴり悔しそうに言う君の横顔が、花火に照らされて綺麗だった。＿＿花火よりも。

「花火って、高い所で見ても丸かったよ」

　今年の夏休みが明けて、君が嬉しそうに報告しに来た。後ろにちょこんと控える可愛いあの子。

「そうなんだー？」と私は言う。そうなんだ。何も気にしない振りで笑う。

　花火がどこから見ても丸いかどうかなんて、別に知りたくなかった。

　謎は謎のままがいい。

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#書き出しと終わり

「去年の花火は綺麗だった」で始まり、「謎は謎のままがいい」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば2ツイート(280字)以内でお願いします。