第3話ダンジョンの珍獣?
朝がきた。カーテンがあき、太陽の光が差し込んでいる。
「おはようございます。」
「え?」
「昨日はお楽しm…」
「ちょっ、そうじゃなくて!どうしてメリアさんがここに!?」
「今日もダンジョン攻略してお迎えに上がったのですが、ついメイドの癖で…気が付いたらやってしまいました。」
「え!?」
気が付くとテーブルの上には朝食が用意されている。
「お口に合うかわかりませんが…」
「いただきます!」
サンドイッチとコーヒーとスープにサラダが用意されていた。
「モグモグ…おいしい!!」
想像を超えるおいしさ!ご主人様とやらは毎日こんなおいしい朝食を食べてるのか。贅沢なヤツだ。
「喜んでいただけたようで何よりです」
そう言って彼女は微笑んだ。
それから支度を済ませ、ダンジョンの入り口へとむかった。
途中でアイテムを揃える為に集会所へ立ち寄った。すると、なにやら集会所が騒がしい。何があったんだろうか?
集会所のエクスプローラー達が話している。
「低階層に珍獣が現れたらしい。」「上級エクスプローラーはもう上級階層に登ってる頃だからな。誰が討伐するか。」「討伐グループを組んで行くか」
どうやら、低階層にて見たことないモンスターが現れたらしく、見かけたエクスプローラーが怪我をして戻ってきたそうだ。残ったエクスプローラー達でグループで討伐にむかうことになった。
「珍獣…どんなモンスターなのでしょうね」
メリアさんは新しいものに興味津々のようで、目が輝いている。
「とりあえず、出発するみたいだね。どんな奴かわからないから慎重に行こう!」
珍獣ってとこがまた気になるけど…
僕らはダンジョンに入った。
珍獣を発見したエクスプローラーの話を頼りに探索をして、ようやくその場所にたどり着いた。
そこには岩壁の洞窟のようなのは変わり映えないが、池がある。どうやらここで釣りをしていた時に珍獣に遭遇したらしい。
「釣り…してみますか?」
そう言って組み立て式の釣り竿を用意したメリアさん。なんて準備がいいんだ。
「オレたちは珍獣が出た時の為に武器を構えておくぜ!」
他のエクスプローラーたちは珍獣があらわれた時の為に警戒してくれている。
…
……
………!!
「きました!大きいです!」
メリアさんの釣り竿がものすごくしなっている!僕もメリアさんが池に引きずり込まれないように一緒に引っ張っている。他のエクスプローラーたちもその様子を見て手伝ってくれた。すると…!!!
…ザッパァァァァン!!!
巨大な魚の顔に鍛え上げられた人間の男性のような体をした、まさしく珍獣が現れた。
「ええええぇぇ!?」
その場にいた全員がそう叫んだ。
「とりあえず、様子を見ながら攻撃するぞ!」
エクスプローラーたちも攻撃態勢に入った。
「ギョェエエエェ!!」
奇声と共に口から水を光線のように吐いた。かなりの威力だ。
「かかれぇ!!」
掛け声と共に一斉に攻撃を開始したが、結構な数が弾き飛ばされている。
「つ、つえぇ…」
エクスプローラーたちも奮闘している。
メリアさんは何かを練っている。スライムのような粘液だ。
「皆さん今ですもう一度一斉に攻撃を!」
そう言いながらその粘液を珍獣の足元へと流した。
「おりゃああ!!」
僕も他のエクスプローラーたちと一緒に斬りかかった!
攻撃をはじこうと珍獣が動いた瞬間、粘液で足を滑らせた!
なんとその衝撃で頭を打ったのか気絶してしまった…
…なんともあっけない終わりである。
「や…やったのか?こいつ気絶してやがる」
「メリアさん、さっきのは?」
「エリアに生えていた苔と水を練り合わせたものです。チャンスをつくれるとは思いましたが、まさか転んで気絶するなんて…」
「ほんと、予想外だったね…」
そうして珍獣を無事に捕獲した僕らは皆で協力してその珍獣を持ち帰った。
その後珍獣がどうなったのかはわからないが、ギルド騎士団が買い取ってくれたらしい。その日の報酬のおかげで3日間は食事に困らないだろう。
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