不安という気持ち

手術の日まであと、3日。


私は、まだ不安の気持ちが消えなかった。


「咲!今日はお前の大好きなもの買ってきてー……。」


私は、外を眺め少し反応が遅れてしまった。


「どうしたの?そんな顔して?」


こんな顔してたら駄目…!!


翔を不安にさせちゃう……!!


「咲…。」


バシッ


私は、自分の頬を思いっきり叩いた。


「な…!?何してんだ!咲…!!」


翔は、私の方に駆け寄った。


頬がジンジンする……。


けど…!!


「これで……、不安は吹き飛んだよ!私ね…、翔の笑顔を見ると私なんだって頑張れ


る気がするの!だから……。」


私は、自分の頬を引っ張り笑顔を作った。


「笑って……!」


私は、微笑んだ。


「私は、こんな弱い体で生まれてきて悔いなんてないよ。だって、こうして翔に出会


えて私すごく嬉しいもん。翔のため…、ううん、自分のために生きてみせるって誓っ


たし。」


それを聞いた翔は、私と同じように頬を叩いた。


「俺な、咲が俺の前からいなくなったらどうしようって、すごく自分のことばっかり


考えてた。けど、お前は自分が一番つらい時でも俺の心配をする……。だか


ら…!!」


翔は、私の手を優しく掴んだ。


「俺は、最後まで笑顔でいるよ。お前が笑顔でいてほしいって言うなら何度だって笑


顔でいる!それが…、お前が少しでも生きる盾になるのなら…!!」


そう言い、翔は必死に微笑んだ。


それを聞いた私は、こぼれ落ちそうになった涙を必死に流さないようにこらえた。


今はきっと、まだ泣くときじゃない…!


泣くなら、手術が終わった後に泣きたい…。


君を思いっきり抱きしめて……。


そして、私はいつの間にか不安な気持ちが消えていた。













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