秘密を打ち明ける瞬間

「はぁー!終わったー!!」


私は、無事今日の授業も終わった。


「これで帰れる!」


後ろから誰かが肩を叩いた。


ふりかえってみると翔だった。


「どうしたの?そんな真剣な顔して?」


すると、翔は無言で私の手を引っ張った。


「ちょっ……!?どうしたの……!」


「いいから来て!」


その力強い声に私は、なんとなく何が言いた


いのか分かってしまった。


「ここなら大丈夫か……。」


私は、屋上に連れてかれた。


「咲……。昨日の電話の続きだ!何か隠して


ることあるんじゃないのか?」


「!?だから……、無いって言って……!」


「嘘だ!今、顔見て確信した。」


「顔に思ったことが出るなんて、そんな嘘言


わないで!」


「俺だって言いたくないよ!!」


翔は、大きな声をだした。


「俺だって……!言いたくないよっ……!で


も、ここで言わなかったらお前、また辛い顔


するから……!!」


すると、翔の今までしてきた悪戯の意味が分


かってきた。


あれは……。


全部、私のため……?


「なんでも一人で抱え込むなよ!!俺だっ


て、お前の役に立ちたい!だって……!お前


のこと……好きだから!」


その時、私は今まで言って欲しかった言葉を


翔はくれた。


ずっと、この秘密を一人で抱え込むのだと自


分は思ってた。


でも、君は私の気持ちに……気づいてくれ


た。


涙がこぼれ、唇を噛み締め頑張って笑顔で


笑った。


「私も……!だー………。!?」


その時だ。


いきなり心臓が苦しくなった。


呼吸がし辛く、苦しい。


そして、視界もうっすら見えなくなり、私は


立つのが限界になった。


「お……い!?どうし……た咲……!?」


あぁ……。


翔の、声が聞こえる。


駄目だ。だんだん意識が……遠の……く。


そして、私は倒れた。


まだ、翔に本当の気持ち伝えてないの


に……。


こんなはずじゃ……なかったのになぁ……。


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