第13話 放たれた悪意Ⅲ
カランとコップの中にある氷が溶けて音を立てる。
彰吾の話を真面目に聞く沙由莉と凛花。
「彰吾さん、ちなみにこの事は宮下さんは知っているのですか?」
真面目は表情をしながら沙由莉は彰吾に聞く。
「ああ、俊はこの事を知っている」
「なるほど」
「んじゃ、続きを話すけど……大丈夫か?」
彰吾は二人に視線を送って確認すると、二人は「はい」と答えた。
「分かった。それから俺と爺さんは一緒に住む事になったんだ」
彰吾10歳の時。
彰吾は爺さんに拾われて半年、今の季節は秋。
「……」
彰吾は爺さんが彰吾の為に作ってくれた訓練場で一人で特訓していた。
目の前には太い丸太を地面に突き刺したサンドバッグがあり、彰吾はそれに向かって拳を放つ。
バシィ!と大きな音を立て、彰吾は次に背後にある丸太に向かって後ろ回し蹴りをした。
回し蹴りが決まり、太い丸太は少しだけ横に傾き斜めになった。
「ありゃ……斜めったな」
アチャーと頭をポリポリかく彰吾。
んー、と少し悩むと、
「まぁ良いか。さーて、次の特訓特訓」
言いながら彰吾は近くにあるもう一つの訓練場に向かう。
少し小走りしながら向かう次の訓練場は動体視力を強化する為の訓練場。
木と木の間に丸太が吊るされてある。それが全部で8つ。
「さてと」
彰吾は準備運動を始める。
入念に準備運動してから、バク転に回転してからバク宙を一回やってから訓練場に入る。
訓練場に入り、訓練上の真ん中に円があり、円の中の真ん中に立ってから深呼吸をする。
二回ほど深呼吸をしてから、木と木の間に吊るされている丸太を押す。
押された丸太は押された分、後ろに下がりその後に彰吾目掛けて向ってくる。
彰吾はそれを身体を反らして、体の軸をずらさない様に避けた。
まずは、一本で避けて行き身体を慣らしていく。
これを数回やってから彰吾は丸太を避け、後ろに下がっている丸太を思いっ切り押す。
彰吾に押された丸太は勢いを付けながら後ろに下がり、木の板に当たる。
すると、彰吾の横から二本目丸太が近づいていた。
それに反応した彰吾は直ぐに避けながらも軸をずらさない様にした。
避けた瞬間に先程押した丸太が時間差で彰吾に近づいてくる。
それにも反応して彰吾は丸太を避ける彰吾。
これをまた先程と同じように数回やって慣れさせる。
慣れた彰吾は一本目の丸太を避け、更に彰吾に向かって来る二本目の丸太避けてから二本目の丸太を押す。
二本目の丸太は一本目と同じように木の板に当たり、彰吾の右斜め後ろから丸太が迫ってきた。
さすがに背後からやってきた丸太にはギリギリで避け、軸を崩してしまう。
だが、直ぐに態勢を立て直してから軸を整える。
整えている最中も丸太は容赦無しに彰吾を襲う。
ちなみに、この訓練の止め方は至って単純。
自然に止まるので、何もせず避け続けていればいずれ止まる。
止めない方法としては、先程から彰吾がやっている丸太を押すこと。
これをする事で、相手の攻撃を避けつつも相手の腕など足、カウンターを入れる訓練でもあった。
そして、問題は木の板の裏には三本のロープがあり、どれが外れるかは分からない。
有る程度は分かるが、丸太を避けつつもそれを予測するのもまた訓練。
彰吾は三本に慣れ、一本目と三本目の丸太を押した。
押された丸太は木の板に当たり、二の丸太が彰吾に迫った。
今度は右斜め上の丸太と左の丸太が彰吾に迫る。
全部で四つの丸太を彰吾は避けていく。
丸太のスピードが落ちぬように、全部の丸太を避けた際に少し押しておく彰吾。
最終的に彰吾は八つの丸太を避けていた。
丸太に当たればほぼ全ての丸太が彰吾に当たるが、最悪は骨折で済む。
基本は打撲程度で済む様に対ショック素材の生地を巻きつけ、更にその上に布を二重に巻いている。
しかし、彰吾も八つになると余裕も無くなって行き、途中途中で軸を崩してしまうなどが起きる。
すぐに彰吾は態勢を立て直して時間差で迫ってくる丸太を避け続けた。
それを彰吾は1時間し続け、さすがに疲れて来た彰吾は丸太を押すのを止めて自然に止まるのを待った。
止まるのに20分弱掛かり、彰吾はその場に倒れ込む。
「ハァ、ハァ……今、日の鍛錬は、ここで、終わりー……」
軽く身体を休めた彰吾だが、まだ息が上がっている。
だが、ここで止まって休憩してしまうと急激なクールダウンにより心臓が止まってしまう可能性があるので歩いて家に帰る。
歩く事でゆっくりと身体をクールダウンさせながら、有る程度身体を休める事が出来る。
いい具合に身体がクールダウンした彰吾は、小走りで家に向かう。
「この後は、勉強だからなー。これが終われば自由時間だぜ!」
そして家に着いた彰吾。
「ただいまー」
「おう、おかえり。課題は机に置いてある」
「うーい」
家に帰ると爺さんがテーブルに座りながらテレビのニュースを見ていた。
彰吾は手洗いうがいをして、タオルで手を吹いてからテーブルに置いてある課題をやり始める。
今日の課題は日本史の課題であった。
彰吾はかなりの飲み込みが早く、中学生のやっている教科書を爺さんが彰吾に渡すと、彰吾は黙々と読み始めた。
1時間で彰吾は日本史の教科書を読み切り、ほぼ教科書を丸暗記していた。
だが、一応忘れぬ様にと爺さんが課題を出して、答え合わせをして合っているか確認する。
こうする事で、彰吾の頭の中にしっかりとインプットされた。
彰吾は中学一年生のやっている日本史の問題を30分で終わらせた。
爺さんはしっかりと答えが合っているか確認する。
「……うむ、全問正解だ」
「うし!」
「あー、彰吾。戸棚にカステラがある。ついでに紅茶も淹れてくれると嬉しいんだが」
「へいへい、わーったよ」
と言いながらもウキウキ気分でカステラを取り、テーブルに置く彰吾。
カステラをテーブルに置いて自分の分のカップを戸棚から取って、テーブルに置いてから、ポットをテーブルに置いた。
彰吾は爺さんの空になったカップに紅茶を注いでから、自分のカップにも紅茶を注いだ。
椅子に座り、カステラを食べる彰吾。
「んー美味しい!」
「そうか、そりゃあ良かった」
彰吾は爺さんに拾われてから半年が経ち、かなり成長した。
感情が無いぐらいの行動、言動が激しかったのだ。
爺さんがまだ生きている小鹿を家に持ち帰った時、爺さんは彰吾に命の尊さ、食のありがたみを教えようとした。
だが、彰吾はナイフを持って爺さんが教えた訳でも無いのにも関わらず、小鹿の首を締めて気絶をさせてから首を切って血抜きを始めたのだ。
度胸が有るだけなら、まだ良かったとこの時爺さんは思った。
その時爺さんは彰吾に聞いた。
「彰吾、生きた小鹿を殺してどうだ? 重いだろう? 借りにも一つの命を奪ったんだ」
爺さんの言葉を聞いた彰吾は、血塗れになった手にナイフを持ちながら振り返る。
「いや? 何も、重いとか無い。あぁ、俺が殺したのか。と思ったぐらいだ」
その表情は無表情で淡々と答えたのだ。
それ以来、爺さんは彰吾は感情が欠落していると思い、感情を出させる為に様々な事を彰吾にした。
驚かす、怒らす、悲しませる、笑わすなど喜怒哀楽を彰吾に行い、その結果。
彰吾は爺さんの目の前で嬉しそうにしながらカステラを食べている。
「……」
彰吾が最後のひと切れのカステラを見てから、爺さんを見る。
「あー……もう飽きたから」
残りひと切れのカステラを爺さんに渡す。
「あげる」
そういうと彰吾は自分が飲んでいた紅茶のカップを片付けてから部屋に急いで戻った。
「半年だが……」
爺さんはカステラを手に取り、
「成長したなぁ……わしは嬉しいよ」
言いながら彰吾がくれたカステラを食べる爺さんであった。
カステラを食べていると、扉からノック音が聞こえて、爺さんは持っていた新聞紙をテーブルに置く。
「はい」
爺さんは扉を開けると、そこには一人の男が立っていた。
「……わしは引退したぞ」
「重要な案件です」
「……部屋に息子がいる。ここじゃあれだ」
「分かりました。では、行きましょう」
「分かった、外で待て」
爺さんは扉を一旦閉めて、コートを来てから彰吾のいる部屋の前に立つ。
「おーい、彰吾ー」
爺さんが声を掛けると、
「何?」
扉を開けて、どこか恥ずかしそうにしている彰吾が表れる。
爺さんはフッ……と鼻で笑い、彰吾の頭に手を置く。
「少し、買い物に行ってくる」
「あ、ああ」
「遅くなるかもしれないが、料理は大丈夫か?」
「材料なら、あるんだろ? な、なら大丈夫……」
「そうか……」
爺さんは会話中ずっと彰吾の頭を撫でていた。
さすがに恥ずかしくなったのか、彰吾は爺さんの手を振り払う。
「さ、さっさと行ってこいッ! 外に人待たせてるんだろ!」
彰吾は扉をバタン!と勢い良く閉めてから言う。
その光景をみた爺さんはフフと笑った。
「最後に点呼だ。いいな? わしの外出中は?」
「外に出ない」
「誰か来ても?」
「出ない」
「無理に入ってきたら?」
「隠し部屋に隠れる」
「決して?」
「無理はしない」
「よし、これで完了だ。ああ、最後にわしの事好きか?」
「死ね、ささっと行ってこい」
「最後の最後は手厳しいなぁ……」
少し困る爺さんだが、すぐに笑う。
そして、爺さんは「行ってきます」と言って家を出た。
彰吾は爺さんが扉の締まる音を聞いてから、部屋を出てリビングに行く。
リビングに来た彰吾はそのまま、冷蔵庫に向かう。
冷蔵庫の前に立って、冷蔵庫を開ける。
「んー……ジジイ何時返ってくるか分かんねぇし。まぁ、肉系で良いか」
そう言って挽き肉、玉ねぎ、パン粉、卵、牛乳を取り出す彰吾。
「ハンバーグ、ジジイ好きだからな」
彰吾はハンバーグを作る事にした。
「あ、ポテトも作るかな。後サラダ」
冷蔵庫からジャガイモを取り出す彰吾。
手馴れた手つきで彰吾は料理をしていく、現在爺さんが家を出てから15時42分。
彰吾はゆっくり作っても16時30分までには終わるだろうと考えていた。
まずは、メインのハンバーグを作っていく事にした。
数分で有る程度、ハンバーグの形だけ作った彰吾。
後は焼くだけの上体で、トレイの上にハンバーグを乗せてからその上にラップを掛けて冷蔵庫にしまっておく。
フライドポテトを作るために、ジャガイモを切っていく彰吾。
フライドポテトと言っても、彰吾の作るのはシューストポテト。
よくお店に出されているあの細いポテトを彰吾は作っていく。
ジャガイモ4つ分のポテトを作り、ボールに入れて冷蔵庫に一旦入れる。
フライパンに油を入れてから、温度が上がった所でハンバーグを入れて行く。
そして、料理開始から40分。
今日の夕飯が完成し、彰吾は爺さんが帰ってくるのを待った。
爺さんが出掛けてから5時間が経過した、現在20時。
彰吾のお腹が空いてきた頃、家の扉が開かれた。
「おう、ただいま」
「お、おかえり」
「ん? 何だ、まだ食べてなかったのか」
「まぁ、な」
「そうかそうかって、今日はハンバーグじゃないか!」
「ま、まあ」
「んじゃ、手でも洗ったらご飯にするか」
「ああ!」
そして、彰吾と爺さんは彰吾の作ったハンバーグを食べてからその日を終えた。
「まぁ、俺は小さい頃爺さんに相当憧れと好きだったんだろうよ」
アイスカフェオレを飲みながら言う彰吾。
その話を真面目に聞く二人。
「それで、お祖父さんはどうなったんですか?」
気になったのか、沙由莉が言う。
「あぁ、病気でね。死んじまったよ、11歳の時に」
「ガンですか?」
「いや、心不全」
「そうですか……」
「まぁ、仕方無いさ。爺さんもよく言ってたよ。人間はいつ死ぬか分からない星の下で生まれて来たからな。と」
「因みに、彰吾って名前はお祖父さんが付けてくれたんですよね?」
今まで黙って話を聞いていた凛花が突然口を開く。
「ああ、そうだ」
「では、天月って苗字は何処から?」
「爺さんが死んでから、俺には身寄りな存在が居ないから爺さんが予め、いつ死んでも俺が生きていける様にと施設に要請しといたんだと」
「はぁ……?」
「まぁ、そこで預かって貰った時に、爺さんの知り合いが俺を引き取ってくれたからその時の知り合いの人の名前が天月だったのさ。まぁ、施設っても俺一人だったけどな」
「一人だけだったんですか?」
「何かな、俺一人だった。とまぁ、そんな理由で天月って苗字ついて、天月彰吾になった訳だ」
ふぅ、と一息付いてからアイスカフェオレを飲む彰吾。
「ち、ちなみに彰吾さんは10歳から11歳の頃はどこにいたんですか? そこ何処にいたのか分からなかったので」
「ああ、行ってなかったな。俺、その時ロシアにいたらしい。で、12歳、中学入るときに日本に来てから一人暮らし」
おずおずと聞いた来た沙由莉に対し、彰吾は淡々と答えた。
「え? じゃあ、引き取ってくれた天月さんって人はまだ生きてるんですか?」
「いや、死んだよ。肺ガンで無くなった。まぁ、これを気に日本へって感じだったな。一応、俺日本人らしいから」
「はー……なるほどー」
ふむふむと聞く沙由莉に何処か、怪しんで彰吾を見る凛花。
「結局謎がありますね」
凛花がアイスティーを混ぜながら言う。
「彰吾さんの思い出せない過去、何故ロシアにいたのか。ですね」
「そこは、俺も分からないんだよな……」
「まぁ、思い出せないのであれば仕方ないですね」
仕方ないですねと言いながらも、どこか残念そうな表情を浮かべた凛花。
それに気づいた沙由莉。
「凛花、もしかして、あれじゃないかって思ってる?」
「……そうは思いましたが……一致しない部分があるので……」
彰吾には分からない内容が二人の間で行われていた。
何だ? と思っていると、
「あ、実は凛花にはお兄さんがいたんですよ」
「いた。じゃなくて、いるの」
「へぇ、お兄さん居たんだ久能さん。一人っ子だと思ってた」
「まぁ、よく言われますけど……いますよ、でも今は何処にいるのか分からないんです」
「なるほど……因みにどんな人?」
彰吾が聞くと、当時のことを思い出して凛花は口元を緩める。
「凄く優しい兄です。私、こう見えても結構落ちこぼれだったんです。小さい頃ですが」
「久能さんが?」
「はい。で、兄がそんな私をずっと応援していたんです。でも、あるときに事故で別れてしまいそのまま行方不明になってしまったんです……」
少しだけ悲しくなったが、すぐに凛花は何かを確信する様に笑顔になる。
「でも、お兄さ――兄は絶対に生きています。約束を破った事が無い人なので」
「良いお兄様なんだね」
「はい! いいお兄様です!――あ」
あッと思い、凛花は口を手で抑えるが、ばっちりと聞いた二人。
そして、彰吾に吊られてそのままお兄様と呼んでしまった。
涙ぐませながら、顔を真っ赤にして口を抑えながら彰吾を睨む凛花。
「いい度胸ですねぇ~彰吾さぁ~ん?」
「いや、悪い悪い。もうしないから」
「……まぁいいでしょう……」
ふてくされながらも許す凛花である。
「そういえば、彰吾さんのこと凛花がお兄さんに似てるって言ったんですよ」
「ちょ! さ、沙由莉ッ! それは違うって言ったじゃん!」
「そうなんですか?」
「そうです! お兄様は
超能力カリキュラムを受けた人間でも、超能力を扱える事が出来ない人間もいる。
このカリキュラムで
なので、カリキュラム診断は100%外れる事はない。
「そうか。なら、俺は違うな」
アイスカフェオレを飲みながらいう彰吾。
それを聞いた凛花はブスーと膨れながら、彰吾と沙由莉を睨む。
「あ、凛花それよりも連絡着きました?」
「ふーんだ。おーしえませーん」
「ごめんね。許して?」
「……着いた……」
「おぉーさすが、
またも、彰吾の分からない会話が行われている。
それをまた、察したのか沙由莉が、
「実は凛花が遅れて来た理由の一つが、今話している事なんです」
「はぁ……」
「凛花の叔父さん、
「え!? 世界一位の会社の社長じゃないですか! てか、え!? 久能って、あの久能かな?とは思っていたけど! え!?」
世界一位会社、それが久能。
久能のビル内には、名のある超能力者などが久能を守っている。
久能一成、彼は非常に頭の回転率が速く、仕事を卒なくこなすだけでなく、何よりも豪運とも言える物の持ち主とも呼ばれている。
そして、久能自体が大きすぎる為、常に危険から久能一成を護る為、世界から名のある人物が護衛に当たっている。
久能内では、序列システムがあり久能に入り、久能のビル内に入れてやっと序列が貰える。
久能の本部、ビル内は1000人が働いており、その1000人全てに序列が与えられているのだ。
日本には5000人の社員が働いていて、支部などが日本各地に存在する。
今では全世界に展開している為、300万人が働いている。
そんな物凄い令嬢と一緒にいることに気づいた彰吾。
「あー……久能様。先程は大変申し訳ございませんでした」
と、突然敬語を交えながら謝罪をする彰吾。
「気付くの遅いっていうのか、何て言うのか……まぁ、良いです。彰吾さんならあまり気にしませんからいつもどおりで」
「ん、分かった。で、久能さんの叔父さんが何か関わりは?」
彰吾は沙由莉に聞いた。
「はい、日本にいる8人のSランク知っていますよね?」
「ああ、俺が会ってるのは、
「ええ、8人の内の三人には会ってますね。実は、私達は一成叔父さんの御好意で沖縄旅行に来ていたんです。3人で」
「なるほどな、ん? 3人?」
「はい、3人です」
彰吾は辺りを見渡し、こちらを伺っている人が居ないか確認する。
だが、当たりにはそれらしき人物が見当たらない。
「あー……今ここにはいません」
「なるほどな。で、最後の一人は?」
「アハハ……実は今一人で散歩とかホテルにいたりとか単独行動してるんです……」
何処か寂しそうしながら言う沙由莉。
それを聞いた凛花は「まぁ、仕方ないよ」と言って慰める。
「で、その人は誰?」
「日本に8人しかいないSランクの内の1人」
シークワーサージュースを混ぜながらフフと笑う沙由莉。
「
突然、Sランクの一人が沖縄にいることを知らされる彰吾であった。
つづく
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