第8話 変わりゆく日常Ⅷ

 PM 15:12 / 横浜



 不吉な事言い出すリリンにぺイルライダーは黙る。

「本当かそれは?」

『まぁ、今の状態だと間違いないね~。でも、あくまでも予知なだけ』

「何かアクション起こせば変えられるか?」

『さぁねー、この未来予知がどこまで含んでこの未来を私に見せてるかそこが分からないからね~』

「そうか……」

 リリンとの通信に集中してると思ったゴーストの戦闘員は身を乗り出して、ペイルライダーの背後から射撃しようとする。

 だが、ペイルライダーはその存在に気づいていたため、振り返りデヴァイドの効果で消される。

 一人一人片付けるのが面倒になったぺイルライダーはデヴァイドを広範囲モードに切り替えて戦闘員が盾にしている車ごと撃つ。

 広範囲モードにすると、相手を一瞬で消さないが複数人まとめて消すことが出来る。

 しかし、一般人も巻き込んでしまう可能性があるため、ほとんど使わない機能。

 一瞬で消せないため、照射し続けなければならず、トリガーを引き続ける。

「う、あぁあ!! ああああああああああ!!」

「がッ! ぁああああ!!」

 引き続けて数秒で車の後ろに隠れていた戦闘員が消えた。

『相変わらず便利だよね~デヴァイド。射程なんて存在しないんでしょ?』

「あくまで俺が目視もしくは相手の事を認識しているならどこからでも撃てるだけだ」

『スコープ付けたらほとんど見えるし、認識って弾道予測とかで認識とかできるじゃん。それに姿が見えててもOKなんでしょ?』

「まぁな」

 車の影にいるはまずいと思った戦闘員はその場を離れようと、した瞬間にデヴァイドで消される。

「ちくしょう……、ちくしょう!!」

 残りの戦闘員がやけになり、ペイルライダーに乱射する。

「死ね! 死ね!! 死ねェエエエエエ!!」

 ペイルライダーはそれを正面から受ける。

 ペイルライダーの着ている強化アーマーは、ライフル弾の弾を耐えられる様に設計されている。

 しかも、ペイルライダーの強化アーマーの表面には電磁バリアが薄く張られている為、耐えられるにもなっていた。

 だが、この電磁バリアは無限ではないので受ければその分の電力を消費する。

 衝撃は強化アーマーの設計上耐ショック素材を使用ちているが、完全にシャットアウトしている訳ではないため、長く衝撃を受け続ければ内臓が破裂する。

 ペイルライダーはデヴァイドの先端部を掴んで回す。

 回すことによってデヴァイド内の設定を変更して、分子運動放射光線マイクロ波モードから拘束弾、実弾銃モードに変更する。

 拘束弾の入ったデヴァイドで戦闘員を撃ち、拘束させる。

 拘束と言っても、強力な麻痺弾で一定時間神経麻痺を起させ動けなくさせるだけ。

 辺りの敵を排除したペイルライダー。

『ペイルライダー、そっちにドローンと敵部隊が向かってる。気を付けて』

「了解」

 そしてペイルライダーは、敵を迎え撃つ準備を行う。



 PM 15:12 / 地下シェルター行き通路



 地下シェルターに向かう最中、地上の近くを通らねば地下シェルターには行けず、そのルートを通った時に鎧を纏った存在と出会った四人。

 鎧を纏った存在は彰吾を見ると、笑いだしてから突進をする。真正面から突っ込んでくる鎧の存在にSランクの二人が彰吾と俊の前に立って、立ち向かう。

 沙由莉が鎧の存在に手の平を向ける。

 すると突然鎧の存在が爆発した。爆発した時に発生した爆風で前が見えない。

 見えないが沙由莉は爆破させた手応えがあり、振り返る。

「終わりました」

 少し笑い、不安を与えないように沙由莉が呟く

 沙由莉は正面を向き直すと、煙から無傷の状態で鎧の存在が現れた。

「な!? なぜ!!」

 なぜ爆発しなかったのか分からず、驚く沙由莉に凛花はレールガンを構えて鎧の存在に向けて撃つ。

 レールガンの弾丸が鎧の存在に当たるが、鎧は貫かれずそのまま走ってくる。

 当たる寸前の所で彰吾と沙由莉は右に避け、凛花と俊は左に避けた。

 鎧の存在はそのまま壁に激突する。あれだけの衝撃を受ければ中身は無傷では済まないだろう、と思う彰吾。

「さすがに避けてくれるか」

 壁に激突して無傷では済む筈がないのに、何事もなかったかの様に彰吾達を振り返る。

「嘘でしょ……レールガンと爆破に耐えられるってことは相当強固な装甲よ!! その分重量もすごい筈なのに、何で平然と居られるの!?」

「ンフフフフ! いや、別に無傷ではないよ? 少し衝撃が来たくらいだよ」

 普通に考えたらありえない事実に驚く凛花に、鎧の存在は馬鹿にする様に言った。

 そして、彰吾は鎧の存在の笑い方にどこかで聴いた事があった。

 鎧の存在は彰吾に指をさす。

「天月彰吾、この前は世話になったな」

「は? お前みたいのに俺は世話をした覚えはない」

「ンフフフフ。だよねぇ~、そうだよねぇ~」

 鎧の存在はンフフフフと笑い、彰吾を馬鹿にしたように言う。

「何がおかしい?」

「いやぁ……、ゴスロリの女の子強かったかい? 天月彰吾」

「――!? お、お前まさか。その笑い方もそうだ……!」

「お? 思い出してくれた?」

「ゴスロリの人形を使ってた能力者か!!」

「ピンポンピンポーン! せいかぁ~い、回答できた天月彰吾君にはぁ……」

 彰吾が鎧の存在が誰なのか思い出して答えると鎧の存在は拍手する。

「死というプレゼントをあげましょう……!」

 また鎧の存在が突進をしかけてきた。今度は横に逃がさないように手を横に広げて逃げ場を無くす。

「くっ……! 逃げましょう!」

 沙由莉が彰吾達に言って通路を走る。その後ろには鎧の存在が走って彰吾達を追う。

「地下シェルター近くに行けば一宮君が居ます! 一宮君なら、あの鎧も対処できると思うのです!!」

 沙由莉の爆破を耐え、凛花のレールガンを耐える鎧の存在を止める方法は今の四人は持ち合えわせていない。

 しかし、真の完璧要塞パーフェクト・フォートレスならば鎧の攻撃を全て受け切り、相手を着実に追い詰める事が出来る。

 今はまずこの状況を、鎧の存在から逃げなければ話にならない状況。

 この状況、つまり走っている状況もなんとかしなければならないと思う沙由莉。

 通路の上の表示に地下シェルター行きと書かれた表示を見た。

「天月さん! 宮下さん! 後もう少しで、地下シェルター近くに着きます!! そこに行けば一宮君もいるはずです!!」

 後ろで走っている彰吾と俊に沙由莉は叫ぶと、地下シェルター行きの入り口が視界に入る。

 視界に入り、後ろを振り向くと鎧の存在はいなく、どうやら振り切ったらしい。

 これなら、行ける!!と思った沙由莉。

 だが、今まで考えていた沙由莉の策が潰れた。

「なんで……」

 思わず沙由莉が声に出す。

「なんで、地下シェルターの通路の扉が閉まってるの!!」

 そこには緊急防護壁が下されていて、地下シェルターに続く通路が塞がれていた。

 緊急防護壁が下されると内側から解除ボタンを押さなければ緊急防護壁が上がらないシステム。

 地下シェルター側が内側としている。

 何よりこの緊急防護壁は、地下シェルターに敵が入らない様に作られた最終防衛の為である。

 そして、この緊急防護壁は非常に頑丈で、並大抵の事では壊れない。

 沙由莉の能力を使い、この防護壁を爆破させても表面は壊れるが、穴までは空かない。

 凛花のレールガンでも撃ちぬく事が不可能とされているが、レールガンの最大出力、それに耐えられる弾丸を用意してやっと貫通する事が出来る。

 なぜその緊急防護壁が下されているのか理解出来ない沙由莉。

 すると、後ろから、

「俺だよ……」

 四人は一斉に声の聞こえた後ろを振り返る。

「俺が作動させたんだ。簡単だろ?」

 そこにいたのは先ほど振り切ったはずの鎧の存在がそこにいた。

 鎧の存在はそう言いながら、右手に持っていた何かを四人の前に投げる。

「緊急閉鎖ボタン……!! 何でですか……! 何で、警報が鳴らないのですか!!」

「ンフフフフ、それはボタンが押された所から警報が鳴り、防護壁が下される。そして、下されてから次の防護壁が下される時に警報が鳴るんだよ」

「そんなのは知ってます。何故鳴らなかったのか? と聞いてるんですよ低脳」

 鎧の存在が常識的な事を言ってきて、それが煽りにしか聞こえなかった凛花は我慢できず鎧の存在に暴言を吐く。

「オー怖いですねぇ……てか、低脳はそっちだ閃光ライトニング

「何を言って――」

「――考えてみろ? 警報がなるシステムが分かっているなら止めればいい。簡単な事だ」

「――!! 警報機全部壊してきたって事……!?」

「正解だ。正解した特典で楽に死なせてあげよう。そして、そろそろ……」

 鎧の存在がそろそろ……と言った瞬間に警報が鳴る。

『緊急事態! 緊急事態! ただ今、施設内に脅威と思われる存在が侵入しています。速やかに地下シェルターに移動して下さい。なお、この一定の区域を封鎖致します。緊急事態――――』

 緊急警報とアナウンスが彰吾達のいる場所で鳴り、自動アナウンスが何度も言い続ける。

 そして、四人の目の前で緊急防護壁が下されて鎧の存在が隔離されそうになる。

 彰吾はすかさず右手を鎧の存在に向け、重力を掛けてこちらに来させないようにした。

 彰吾の重力が効いているのか、鎧の存在はそこから一歩も動けないでいた。

 どんどん防護壁が下されていく中、鎧の存在は、

「さて、ここからは命を懸けた鬼ごっこと行こうじゃないか。あぁ……お前らは鬼にならなくてもいいぞ? 俺がずっと鬼になってやる」

 などと表情も分からない状態で四人に向かって言う。

「この扉が降りてから、30秒だ。30秒経ったらスタートさせて貰う。さぁて、逃げろよ? ンフフフフ」

 鎧の存在がンフフフフと笑い出した頃はすでに緊急防護壁が膝まで下されていて、そこから出るのは不可能と判断した彰吾は重力を切る。

「大丈夫ですか? 天月さん」

 沙由莉が彰吾に近づき、様態を確認する。彰吾は手を沙由莉に向けて「大丈夫」と言った。

 重力を切ってから数秒後に緊急防護壁が完全に下され、四人は横の通路を走る。

 この一帯全てに緊急閉鎖が発動していて緊急防護壁が下されてしまうからだ。

 緊急防護壁が下される前に四人は駆け抜ける。三つ程緊急防護壁を抜けて、少し息を整える四人。

 四人は息を整えて軽く走りながら緊急防護壁を抜ける。

「と、とりあえず、天月さん……宮下さん、このまま進むと遠回りになりますが……地下シェルターに行けます」

 五つ目の緊急防護壁を抜ける四人。さすがに五つも緊急防護壁を抜けると緊急警報は聞こえるが、ここの緊急警報がなってはいない。

 遠くから響く緊急警報しか聞こえなかった。

 ふぅ……と息をついて歩く四人。

「さて、地下シェルターまでもう少しです! 頑張りましょう!!」

 と、元気づける様に沙由莉は彰吾と俊に振り返り、後ろ向きで歩きながら言う。

 その光景に思わずフッ……と鼻で笑う凛花と彰吾。

「あ、何で今笑ったんですか? 天月さんに凛花」

 笑った事に少し怒ったのかプクーと頬を膨らませている沙由莉。

「いや、今の状況で元気づけようとしてるのが丸わかりすぎて……プククク」

 耐えきれず凛花が笑う。それに続き、

「久能さん、やめなよ。東堂さんだって……フフ、俺らを不安にさせないように気遣いしてるん……フフ、だからさ」

 二人は笑いが堪えられず、漏れてしまう。

「そうやって人の気遣いを笑う人は嫌いです! フン!」

 少し悪ふざけがすぎた二人、彰吾は沙由莉に近づく。

「ごめんなさい。でも、あの状況だから笑えてしまうですよ」

「……天月さんは許します」

「え? 私は?」

 凛花が少し焦って沙由莉を見て言うが、

「後で覚えといてくださいね?」

 笑顔で言う沙由莉だが、笑ってはいるがそれはどこか黒いオーラを纏った笑みであった。

 それを感じた彰吾は「次から気を付けよう」と思う。

 そして、沙由莉を少し笑った辺りから俊が物凄い形相で睨んでいる。

 いや、マジで怖いから俊……と思う彰吾であった。

 そして曲がり角を右に曲がって通路を歩く四人。

 そんなやり取りをしていると六つ目の緊急防護壁を抜ける。

「さて、後はこのまま進んで右に行くと地下シェルターに着きます。緊急防護壁は三つぐらいでしたね」

 六つ目を抜けると沙由莉が説明を入れながら歩く。

「あ、そういえば沙由莉ったら彰吾さんと宮下君が来るって聞くと物凄く嬉しそうだったんだよ~」

 何かを思い出したかの様に突然、言い出す凛花。

「ちょ!! り、凛花!! いきなり何を言い出すんです!! 私は――」

「――本当ですか!? それはうれしいですね!! 頑張りましょう!! って言ってたじゃん」

 突然言い出す凛花に顔を真っ赤にしている沙由莉。

「本当ですか!? 東堂さん!! いやぁーうれしいですね!!」

 本気で嬉しそうにしている俊、それを見ている彰吾。

 本当に、面白いなぁ……と思う彰吾。

 だが、 

「――ッ!!」

 何かを感じ、彰吾は後ろを振り返り止まる。

 そこには緊急防護壁の下されてない正面通路があり、彰吾達が曲がった通路が見える。

「天月さんどうしたんですか?」

 後ろの通路を見ながら止まっている彰吾が気になり沙由莉は彰吾に聞く。

 だが、彰吾は通路を凝視しながら沙由莉の声が届いていない。

 そして彰吾は感じた。



 足音を、



 近づいてくる、



 存在を……。



「来る……」

「え?」

 彰吾は振り返り凛花と俊、沙由莉を見る。

「走れ!! 何か来るぞ!!」

 彰吾が叫ぶ、すると何が起きたか分からず慌てる三人。

「え? どういう事ですか?」

「良いから走れ!!」

「天月さん説め――」

 説明を求めた瞬間、後方から激しい破壊音と同時にそいつは通路に現れた。

 激しい破壊音を聞いた四人は後ろを振り返り何が起きたか確認する。

「なんだ、逃げなかったのか? つまんないな」

 そこにいたのは、

「さて、見つけた。言ったよな? 命を懸けた鬼ごっこだって」

 あのSランク二人が掛かっても太刀打ちが出来ない鎧の存在。

 そしてゆっくりと鎧の存在が彰吾達に近づく。

「走れ!!」

 彰吾が叫ぶ、それに続いて後から凛花、俊、沙由莉の順で彰吾の後に付く。

「ハハ、そうでなくちゃ」

 余裕を見せる鎧の存在は走らずに歩いている。

「う、うそでしょ!? あの防護壁を10分程度で突破って……どういうことなの!?」

「わ、私に言われても分かりません! それよりも早く一宮君の所にいかないと!!」

 凛花が後ろにいる沙由莉の方を見ながら言い、それを聞いていた彰吾。

 だが、緊急警報が鳴りだし正面の緊急防護壁が下される。

「なんで! まだ、こっちはならないはず! まさか!!」

 沙由莉はまだ鳴るはずの無い警報に驚きを隠せないでいたが、なぜ鳴るのか心辺りがあった。

「ボタンを押されたんだと思います! 東堂さん!!」

 俊が沙由莉に言うが、沙由莉もそれは分かっていたみたいでさほど驚く事は無かった。

 が、歯を食いしばりどこか悔しそうにしている。

「また、私は何もできずに……」

 走りながら呟く沙由莉に、

「今は逃げる事だけを考えろ!!」

 彰吾が一喝入れる。彰吾の言葉に我に戻る沙由莉はすぐに気持ちを切り替えた。

 通路右に曲がり、彰吾は後ろを振り返るとそこには誰もいない事を確認する。

 前を向きなおすと、緊急防護壁が半分まで落ちていた。

 彰吾は更に速く走り、緊急防護壁に触れて能力を発動させる。

 落ちる重力のベクトルを逆にして、反重力に変えて緊急防護壁が閉じるのを止める。

 だが、緊急防護壁の下す力が強く、少しずつ緊急防護壁が落ちる。

「グッ……! い、いけぇ!!」

 凛花が急いでしゃがんで緊急防護壁を抜ける。

 次に俊が抜けて、沙由莉が抜けようとする時には膝まで下りていた。

「東堂さん!! スライディングならいける!!」

 沙由莉は走った勢いを使い、そのままスライディングをして緊急防護壁を抜けた。

 そして彰吾もすぐに緊急防護壁を抜けようと、伏せてから地面を蹴ってその勢いで抜けようとする。

 足だけがまだ緊急防護壁の下される真上にあり、沙由莉が彰吾に手を伸ばす。

 彰吾はその手を掴み足を引っ込めようとした瞬間、

「逃がす訳ねぇだろ……」

 足を掴まれ、そのまま緊急防護壁外に引きずり込まれる。

「天月さん!!」

 沙由莉の手から彰吾の手が離れ、すぐに沙由莉は引きずり込まれている彰吾の手を追う。

 だが、緊急防護壁が下されて鎧の存在の腕が挟まれた。

 沙由莉と俊、凛花は彰吾に近づき、引っ張る。

 しかし、びくともしない。むしろ、少しずつ緊急防護壁外に引きずり込まれている。

「待ってくださいね!! すぐに助けますから、すぐに助けますから!!」

 言いながら焦って、追尾爆弾チェイサー・ボムを取り出そうとするが落とす。

 落とした追尾爆弾チェイサー・ボムを拾おうとはせずに、新しい物をベルトバックから出そうとする沙由莉。

 少しずつ引き込まれる彰吾。

「東堂さん」

「絶対に助けますから待っていて下さい!! 凛花も何かして下さい!!」

 凛花と俊は彰吾の腕を掴み引っ張っているが、沙由莉は何も見えていない。

「東堂さん!!」

 また彰吾は沙由莉に一喝すると、ビクッと反応してゆっくり彰吾を見る沙由莉。

 沙由莉は焦りすぎて、少し泣いていた。

 それを忘れさせるぐらい彰吾は笑い、そして、

「大丈夫、俺は死なない。安心してくれ」

「あ、天月さん……」

「だから、泣かないでくれ」

「……分かりました」

「んじゃ……後で助けに来てね?」

「え?」

 沙由莉が言った瞬間、俊と凛花がしっかりと掴んでいたはずの彰吾が物凄い勢いで緊急防護壁側に引きずり込まれ。

 

 緊急防護壁が下された。


 現在の時刻、15時42分。


 天月 彰吾、死亡時刻まで後、1時30分。



 PM 15:20 / 横浜



 ぺイルライダーは敵の部隊がこちらに来ている事をリリンに知らされ、その部隊を迎え撃つ為に装備を整えようと考えた。

「リリン。隊長に繋いでくれ」

『りょーかーい』

 リリンがお気楽そうに言いながら、ファントム部隊隊長、木林少佐に繋ぐ。

『どうした、中尉』

 無事に木林と繋ぐことが確認された通信。

「敵部隊がこちらに向かっているとの事で、武器とシステム許可の申請をお願いしたいのです」

『了解した、中尉。今すぐに武器の転送とシステム許可の準備を行う。時に、リリン』

『お!? びっくりしました……どうしたのですか?』

 突然話を振られて驚くリリン。まさか話を振られるとは思っても居なかった。

『驚かせたならすまない。で、敵はどの規模で中尉のいる所に進行している?』

『はい。BTRが二台にその中に最大14人程の完全武装員がいる可能性が高く、更に二足歩行型装甲兵器が三機、その背中にハンガーらしき物を装備しており、中には多分ドローンが何機か収容されていると思われます』

『殆ど大隊のレベルの戦力だな……。中尉、任務だ。これらの大隊を殲滅、撃退せよ』

「了解」

『中尉、すぐに装備が届く。では、システムの使用を許可する。中尉頼んだ、そこを突破されると多大な被害と犠牲者が出る』

「分かりました」

『では、健闘を祈る』

 そして、ブツンと音が鳴って木林との通信が終了する。

 ペイルライダーは腰に付けている端末を取り出して、現在地をリリンに送る。

「リリン。座標は送った、そこに頼む」

『はいはい、待って……ねっと』

 そう言うとインカム越しにキーボードを叩く音が高速で聞こえる。

 数秒後、ペイルライダーの背後に黒いトラックが現れた。

『はい、完了。ちなみに、後3分で目視できる距離に入るから』

「分かった」

 ペイルライダーはトラックの荷台の扉を開けて中に入る。

 そこには、

「どうも、貴ヶ谷中尉。届けに来ましたよ」

 一人の男性、この黒いトラックを届けてくれた張本人がそこいた。

「すまない、感謝する。神崎少尉」

「いいんです、いいんですー。だってそれが俺の役目ですから」

 神崎はファントム部隊の物資の補給、運搬をしている能力者。

 能力は空間転移エリア・ジャンパーその空間を転移する事が可能としている。

 瞬間移動とは違い、自分のいる空間と転移先の空間、座標が整えられなければ転移することが出来ないのと、人を転移する事が出来ない。

 自分自身を転移させる事は出来る。その代わり、瞬間移動よりも様々な物資などを転送する事ができるのだ。

「さて、中尉。早く装備した方が良いですよ。装備したら自分戦えないのでこの場を去りますから」

「分かった」

 そしてトラックの荷台に入り、黒いカーテンを開けるとそこには多種多様な武器がそこにはある。

 ペイルライダーは一歩進み止まると、足元が自動で動きアームが伸びて着て来る。

『貴ヶ谷、どうする? どんな装備にする?』

 トラック内にリリンの声が響き渡り、装備の事をペイルライダーに聞く。

「すぐに終わらすから、高機動装備だ」

『りょーかい……っと』

 キーボードの叩く音がトラック内に響く。数秒すると、キーボードの叩く音が消え、自動アームが動き出す。

 自動アームが追加パックユニットをぺイルライダーに装着させる。

 装着させると、両肩に頭から膝まである長い強化防弾シールドを装着させて、膝にはニードルガン、腰にはMP5とマガジンリロード装置、ももの辺りにブレードを装着させた。

 追加装備が終わると、また足場が自動で動き黒いカーテン近くまで運ぶ。

 ぺイルライダーは神崎に「ありがとう」と言ってトラックを出る。

「貴ヶ谷中尉、パージしたら自動で転送されるように俺がしてあるから、使えなくなったらそのままパージして良いですよ」

「何から何まですまんな」

「いえ、では、この辺で」

 神崎は自身の能力の空間転移エリア・ジャンパーを使い、戦線を離脱した。

 装備が整ったペイルライダーは敵の来ると思われる正面を向く。

「リリン、システム準備だ」

『既にやってるーってー……の』

「さすが」

『まぁね……後30秒でそこに敵が来るよ。後、もうシステムいつでも使えるから起動は任すね』

「分かった」

 その数秒後、ビルの角からBTR二台と二足歩行型装甲兵器三機が現れた。

 それを目視した瞬間ペイルライダーは、

「接続開始」

 と言った瞬間、

『了解しました、システムオールグリーン』

 ペイルライダーのインカムから無機質な機械音が喋り出す。

『衛星通信とのリンク開始……接続完了。現在位置の特定、完了。地形の把握、完了』

 ぺイルライダーの眼元の部分が上に上がって真っ赤な目が現れ、体の一部が開いて真っ赤になり。

『システム名、ペイルライダー起動します』

 システムを起動させた瞬間、体の一部が赤くなったペイルライダー。

 BTRと二足歩行型装甲兵器は、気にせずにペイルライダーに発砲する。

 人を簡単に粉々に出来る銃弾がぺイルライダーを襲う。

 だが、襲われる瞬間に肩のシールドが正面に守り、ペイルライダーを守った。

『ペイルライダーシステムの活動限界は三分です。三分経つと自動で解除されます』

「了解」

 ペイルライダーはシステムに活動限界時間を聞かされ、動き出す。

 さすがにいつまでも止まっていてはシールドも持たない。

 ペイルライダーは常人を超えた速度で一気にBTRに近づく。

 ペイルライダーが速過ぎて、捉える事が出来ずどんどん近づかれるBTRと二足歩行型装甲兵器。

 弾が当たる寸前にぺイルライダーは軽やかに避ける。

 しかも態勢が低く走りながらもジグザグに動いて照準を合わせ辛い様に動く。

 当たったとしても、正面のシールドに当たっただけでぺイルライダーには届いてはいない。

 そんな中、敵歩兵がいつまでもBTRから出て来ないと思ったペイルライダー。

 それをビルの屋上からAT-4のアイアンサイトで覗いている戦闘員。

「へッ……! クソったれが……! 死ね!!」

 戦闘員はAT-4をペイルライダーに放つ。

 AT-4が撃たれ、ペイルライダーに近づいている最中にペイルライダーのインカムからアラート音が響き渡る。

『警告、警告。弾頭が一時の方向からこちらに接近中』

 システムが先に探知してAT-4の弾頭がペイルライダーに近づいていることを教える。

『弾頭着弾点はその先の白線です』

 システムは弾頭着弾点を予測して、ペイルライダーに教る。

 ペイルライダーは走っていた為、その勢いを使って飛び上がると弾頭が予測着弾点に着弾して爆発する。

 そのままの勢いと爆風による風によって飛距離を伸ばし、空中で一回転するぺイルライダー。

 一回転して弾を避けるペイルライダーは空中にいる間に、衛星を使い周辺にいる人を確認していた。

 ペイルライダーはまず、12時方向、正面の屋上にいたAT-4を持っている戦闘員をデヴァイドを取り出して撃つ。

 続いて10時方向に向いて態勢を変えながら弾を避けて、ビル屋上の狙撃者もデヴァイドで撃ち、今度は2時の方向にもいる為、右手に持っていたデヴァイドを左手の方に軽く投げて左手で取り、そのまま上向きになりながらデヴァイドで2時方向にいた戦闘員をデヴァイドで撃ち、消した。

 その間10秒。10秒の間にデヴァイドで屋上の敵三人を消す、常人を超えたからこそ出来る事である。

 そして、空中避けていても避けられない弾がある場合は全てシールドがペイルライダーを守り、ペイルライダーは無傷でいた。

 三人を消してペイルライダーは上向きの状態から下向きになり、銃弾が飛んで着たのを体を反る事でかわす。

 体を反って弾を避け、反った時の慣性を使い一回転している最中に右腿からブレードを右手で取り出し。

 手の甲でブレードの持ち手を回して、そのまま二足歩行型装甲兵器のコックピット辺りに着地と同時に突き刺す。

 突き刺すと両膝に付いているニードルガンをコックピットに向ける。

 右膝を曲げて、銃身を向け二足歩行型装甲兵器のコックピット辺りに二発打ち込む。

 ニードルガンは二足歩行型装甲兵器のコックピット辺りに突き刺さり、その数秒後に爆発した。

 爆破と同時に着地をしてBTRに一気に近づき、デヴァイドを腰に付けてから左手にブレードを持ってBTRのタイヤを刻む。

 タイヤを刻み、動けないようにしてからブレードでBTRの装甲を切り刻み、その隙間に左膝に付いているニードルガンを三発打ち込み爆破させる。

 その時、物陰に隠れていた戦闘員が今の現状に耐えられず身を乗り出して、ペイルライダーに発砲する。

 ぺイルライダーは戦闘員を無視して残りのBTR一台と、二足歩行型装甲兵器二機の排除を優先とした。

 銃弾の飛び交う中、ペイルライダーはそれを避けながら近くにいた二足歩行型装甲兵器に近づく。

 迎撃でガトリングガンをペイルライダーに撃つが先ほどと同様に当たらない。

 当たったとしてもシールドに当たり、意味がない。

「クソおおおおおおお!!」

 二足歩行型装甲兵器の操縦者は左アームに付いている大型ブレードを出してペイルライダーに立ち向かう。

 二足歩行型装甲兵器の大型ブレードが真上から振り下ろされたが、ペイルライダーそそれを避けてから真下に潜り込み、片足を切る。

 片足ではバランスを取れずに倒れる。倒れた所にペイルライダーは真横から斜めにコックピットを一刀両断した。

 切られると、そのままコックピットがずり落ちるのと同時に血も同時に流れた。

 そしてペイルライダーを狙い、銃弾が飛び交う。

 ぺイルライダーはさすがに邪魔になってきたのか、右手に持っていたブレードをしまいMP5を取り出して周りの戦闘員に撃つ。

 弾を避けながら戦闘員を撃ち、避けられない弾は左手に持っているブレードで弾丸を切り、シールドで防ぐ。

 周りの戦闘員を相手しながらBTRに近づくペイルライダー。

 ペイルライダーが近づいて来るとBTRと二足歩行装甲兵器は少しずつ後退していく。

 MP5の弾が切れ、空のマガジンを捨てて腰に付けているマガジンリロードに、マガジンの部分を付けると自動でリロードされ、リロードされたMP5でまた、戦闘員達を撃つ。

 ある程度戦闘員を倒した瞬間に、一気にBTRに近づくペイルライダーに後退するBTRと二足歩行型装甲兵器。

 ペイルライダーは左手に持っていたブレードをBTRの操縦席辺りに投げ、右膝に付いているニードルガンで二足歩行型装甲兵器の足に二発打ち込む。

 ブレードが刺さるとBTRは右にハンドルを切り、戦闘員のいる所の建物に突っ込み、二足歩行型装甲兵器は片足を爆破されて勢いよく倒れる。

 ペイルライダーはまず、BTRの方に行ってからブレードを抜くと同時に左膝のニードルガンで三発撃ち込ませる。

 撃ち込むとすぐに離れ、倒れている二足歩行型装甲兵器に向かう。

「後何秒だ? それと今の武器の弾薬状況の報告」

 ペイルライダーは右膝に付いているニードルガンを三発撃ち込む。

 ペイルライダーはシステムに戦闘中に聞く。

 そして数秒後に爆発し、BTR二台と二足歩行型装甲兵器三機を全滅させ、残りはドローンと戦闘員。

『残り1分30秒とニードルガン残り三発。右膝に一発、左が二発。MP5の弾薬は5本ある内の二本消費で残り、三本です』

 システムは言われた通り、答える。

「了解した」

 ぺイルライダーは言いながら、地面に手を付けて足を広げて右膝のニードルガンのラスト一発を右の建物の物陰に隠れている戦闘員達に向けて放ち。

 左膝で左で銃を撃っている戦闘員二人に当てる。

 その数秒後にニードルガンの弾が爆発し、ペイルライダーはハンドスプリングをする様に飛び跳ね、上体を起こした。

 起こすと、弾丸がペイルライダーの顔に近づいていた。

 だが、シールドでその弾丸を防ぎ、弾丸の飛んで来た軌道をシステムが瞬時に解析してペイルライダーに教える。

 二キロ先の建物上からの狙撃をしたドローンにペイルライダーはデヴァイドを向けて撃つ。

 軌道計算を瞬時に行ったシステムはついでに、辺りに敵がいないか衛星とリンクして周辺を探索するシステム。

『敵はここに来る前に、ドローンを五機展開していたらしいです』

 それを聞いてペイルライダーは「後、4機か」と思った。

 デヴァイドに撃たれたドローンはその場から消滅した。

 ドローン一機が消された瞬間、背後から突然ドローンが現れてペイルライダーを襲う。

 ドローンはマチェットを振り下ろしており、ペイルライダーは瞬時に反応して右手でブレードを握ってマチェットを切った。

 マチェットを切られたドローンは後ろに跳び、一気にペイルライダーから距離を取る。

 距離を取ると、腰に装備してあるバルカンをペイルライダーに乱射する。

 ペイルライダーはそれをシールドで防ぎながらドローンに一気に近づく。

 ブレードの有効範囲に入った所を二刀のブレードを出して、切ろうとした。

 その時に、左右から突如ドローンが現れてペイルライダーに挟撃を仕掛ける。が、ペイルライダーはすぐに両肩に付いているシールドで防ぐ。

 シールドで防いだが、今まで銃弾を耐えてきた為限界だったようでドローンの挟撃でシールド二つが壊れた。

 正面にいるドローンの弾丸をほぼ全て切り払い、ドローンに近づくペイルライダーはそのままドローンを切り刻み、破壊する。

 挟撃してきたドローンはそのままペイルライダーに攻撃を仕掛ける。

 鋭い体術を扱う二機を相手にするペイルライダーは、一機の正拳突きをした瞬間その腕を取り、相手の勢いを使って投げた。

 投げられた瞬間に、もう一機のドローンが回し蹴りをペイルライダーにするが、それを左腕で受け止めてドローンを殴り飛ばした。

 殴り飛ばすと、突然インカムからアラート音が響く。どこから弾頭が着ているのか確認すると。

「真上から!?」

 真上を見上げると、そこにはミサイル数発とドローンがライフルを構えてそこにいた。

 ドローンはバレットM82でぺイルライダーを狙撃する。

 高速で放たれる弾丸をペイルライダーは避けると、着弾した地面が割れその周辺が凹んだ。

「この穴の大きさと解析によると……アンチマテリアルライフルか!!」

 穴の大きさとシステムの解析で判明する銃、アンチマテリアルライフルのバレットM82。

 ペイルライダーはその場から退避しようとするが、二機のドローンが何事も無かったかの様に起き上がり、ペイルライダーに突っ込む。

『残り時間10秒』

「クソッ!! 時間もないし、敵味方お構いなしってのが恐ろしいなッ!!」

 ミサイルがどんどんペイルライダー達に近づく。

 ペイルライダーはブレードを取り出して二機のドローンに応戦する。

『残り9秒』

 ドローンがペイルライダーに攻撃をしようとした瞬間、ペイルライダーがカメラから消える。

 すると、ドローン一機が上半身と下半身に分かれた。

『残り8秒』

 上半身のドローンはまだ動く為、止めに後ろを向かずにデヴァイドだけをドローンに向け撃つ。

 撃たれたドローンは消滅し、ペイルライダーはもう一機のドローンにブレード二本投げる。

『残り7秒』

 速すぎるブレードに避けられず、ドローンは二本とも刺さって動かなくなる。

 ペイルライダーはそのままドローンに向かって走り、ドローンを踏み台にしてその際にブレードを引き抜き、空中にいるドローンに向かう。

『残り6秒』

 ドローンより高く跳躍したペイルライダー。それにドローンはすぐにペイルライダーに照準を合わせて撃つ。

 まず一発目を体を反らして避ける。

『残り5秒』

 すぐに照準を合わせ、今度は回避予測をした場合に撃ちぬく様に計算された弾道で撃つ。

 音速で飛んでくる50口径の弾をペイルライダーは切る。

『残り4秒』

 ドローンは予測弾道のまま、ペイルライダーに全弾を撃つ。

 ペイルライダーをそれら全てを切る。頭に着ていた弾を切り、胸に着ていた弾を切り、肩に着ている弾を切り、最後に腿に着ていた弾を切り下した。

『残り3秒』

 弾切れとなったバレットM82を高速でリロードするドローンにペイルライダーはブレードでバレットM82を切り。

『残り2秒』

 地面にミサイルが着弾し、そのすぐ後にドローンとペイルライダーが落ちる。

『残り1秒』

 そして、土煙が舞う中光る何かを持った何かが立ち上がる。

 すると、土煙が消えるとドローンの頭部にブレードを突き刺しているペイルライダーが現れる。

『システム終了します』

 そして、ペイルライダーシステムの終了の合図がインカムに流れた。

 システムが終了すると、展開されていた部分が元の場所に戻り、赤く光っていた部分も消えて元のマリンブルーとナイトパープル色の姿に戻る。

「ふぅ……殲滅完了」

 システムを終了してから呟くペイルライダー。

 そして、ペイルライダーは天月彰吾の事を思い出す。

 俺と同じターゲットにされた天月彰吾は無事なのだろうか……、急いでこの場を離れて行こうと思うペイルライダー。

『うわ~……マジで? 大隊クラスの戦力をたった一人で殲滅って……さすがとしか言えないわ……』

 戦闘中まったく話を掛けて来なかったリリンは戦闘終了と同時位にペイルライダーに通信を入れた。

 しかし、どこか引いたように言うリリン。

「むしろすごいと思うぞ?」

『でも、ペイルライダーのおかげじゃん?』

「それを扱う俺も凄いって意味も含まれてるからな」

『まぁ、確かにすごいよ』とつぶやくリリンに、少しため息をつくペイルライダー。

「お話は終わったか? ペイルライダー」

 背後から話を掛けられたペイルライダーは声のする方へ振り返る。

 そこにいたのは、

「ゴヴィン……」

 ゴースト工作戦闘員リーダーゴヴィンがそこに立っていた。



 現在の時刻、15時43分。



 天月彰吾、死亡時刻まで残り1時間29分。



 つづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る