第4話 変わりゆく日常Ⅳ

 ランクBとなった天月彰吾と宮下俊。

 ランクBになったからと言って、今の生活が変わる訳もなく、学校に登校していた。

 時間はお昼休み、彰吾と俊の二人は食堂に来ていた。

 彰吾と俊の二人は、食券を買い、注文した品を貰って席に着く。

 二人が席に着くと、周りに生徒が集まってきた。

「天月くんってランクBになったんでしょ?」

「何か生活変わったか!?」

「どーなんだよ、教えろよ」

 ランクBになった事を知った生徒達は二人を囲み、彰吾に聞いてくる。

 彰吾は俺だけじゃないんだけどなぁ……と思っていると。

「俺もランクBだが?」

 有原が話を割って入ってくる。彰吾は有原にサンキューとアイコンタクトを取る。

 有原が間に入ると、二人に群がっていた生徒が数歩後ろに下がった。

「そ、そうだったな……、お前も何か変わったか?」

「いや、別に変わらん。変わるのはランクA+からだからな」

 有原が答えると、それを聞いた生徒達は黙り、その場を去る者も出てきた。

 なぜ、有原が答えると他の生徒が離れて行くのか、理由は有原がこの学校に入って一年生のときの話。

 上級生に絡まれた下級生を助けた事から始まった。

 その上級生は能力者で、不良生徒でもあったため先生も手に負えていた。

 その日、有原は授業が終わり掃除をしてた。

 ゴミを出しに行った男子生徒の帰りが遅く、有原が他の班の生徒の代わりに様子を見に行くと、上級生に絡まれ、殴られた後と財布を男子生徒が取り出していた。

 それを見た有原は三人の能力持ちの上級生を無傷で倒した。そして、有原が上級生の胸倉を掴む。

「今度やってみろ……? てめぇら……これで済むと思うなよ……?」

 と有原が言った。その場を凌いだ有原だったが、その上級生は他の知り合いを使い、有原に報復しようと他校から名のある不良生徒と能力者を集め、有原に挑んだ。

 その数、67人。その中で能力者が24人もいた。

 結果は有原が全て一人で倒した。それを期に有原は生徒の中、他の学校中で有名になり、それ以来他の生徒から恐れられるようになったのだ。

 もちろん、報復をしようとした上級生徒は有原に前回言ったとおり、ただではすまなかった。

 そして、今に至る。

「じゃ、じゃあ、俺達はこれで……」

「ま、またな、天月、宮下……」

「放課後に、どこかであえると、いいね……」

 そう言いながら二人に集まっていた生徒が蜘蛛の子散らすように去っていった。有原すげぇー……と思う二人。

 二人はやっと落ち着きながら昼御飯を食べる。

 有原はいつのまにか二人の正面の席に座り、一緒に昼御飯を食べていた。

「どうした?」

「ごく自然に、いつのまにかそこにいたなぁ~と思って」

「席が空いてなかったからな。探してたら、群がっててじゃまだったから」

 あー確かに、あそこまで群がれると周りの人からジャマだろうなぁ……とは思ってた彰吾。

 会話が終了し、有原は学食で買ったカレーライスを食べている。

 彰吾は日替わり定食で俊がとんかつ定食。黙って三人で食べていると周りが静かになる。

 おい、何故静かになる……と思う彰吾。そんな中、有原が黙って食べていたが、有原は俊のとんかつを見ている。

 まさか、と思う彰吾。思った瞬間、有原は俊のとんかつを一切れを取る。

「ああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 俊がとんかつを取られた瞬間叫ぶ、断末魔かと思うぐらい食堂を響かせた。

 隣でそれを聞いた彰吾は正直、うるさいと思った。

 ワナワナと俊が震えている、それに対して有原はご機嫌の良い状態でカレーを食べている。

 俊が有原を睨む、それに対し、有原は見下ろす感じで、おまけに顔を逸らせて俊にドヤ顔で見ている。

「あ、やべ。有原、そっちに箸転がったから拾ってくんね?」

「あ? まぁ、いいが……。よっと……、どこだよ?」

 俊が箸を有原の近くに落としたと言って、有原に取ってくれるように言う。

 有原は仕方なしに椅子を引き、机の下と、椅子の下を見るが見当たらない。

「おい、どこだよ……? ――――ああああああああああああああああああああああ!!!!」

 箸が見当たらず、有原が顔を上げて俊の方を見るとまず視界に入ったのは、

「テメェ!! 何、人のカレーにソースいれてんだよ!!」

 俊が有原のカレーにソースを垂らしていた。

 俊はドヤ顔をしながら有原を見ている。

 それを隣でみた彰吾は、はぁ~……とため息をつく。

 子供の喧嘩か…と思う彰吾。

「いや、味が薄いんではないかと思いましてねー!! プククク」

「あぁ!? 十分な味付けだ!」

「いや、私は、ソースもいいのでは? と思いましてねー」

「てめぇ、やってみろよ? あぁ?」

「まーあ? ソースラーメンならぬぅー……、ソースカレーでも食べればいいんじゃないでしょうかぁー!! アッハッハッハッハ!!」

 俊が盛大に笑う、それを睨む有原。ズイッと俊に近づく有原。

「良い度胸だ……、トンカツを食べれると思うなよ……?」

「今度はしょうゆのトッピングがご所望の様だな……?」

 マンガならドン!ドン!と顔のカットインの場面だろうと思う彰吾。

 彰吾からしたら何とも低レベルの喧嘩過ぎて、止める気も失せていた。

 にらみ合いが始まり、俊と有原の二人の空間だけ、異様な空気を可持ち出す。

 しかし、にらみ合いのままお互いに自分の昼御飯を食べている。

 何だこの、格闘マンガの師匠に御飯を取られない様にするあれは……、あれか? 御飯食べている時も修行だ!と言って御飯を掻っ攫うあれか?と思う彰吾。

「……ん?」

 ソースカレーを食べている有原が不思議そうな顔をしてカレーを見る。そして、もう一度ソースカレーを口に入れる。

「……、うまい…?」

 などと、有原が衝撃の発言。さすがに彰吾と俊はドン引きした。

 絶対に味覚がおかしくなったに違いないと思う彰吾。

「いや、多分、うまい……?」

「いや、多分、まずい……」

「いや、多分、美味しいかも……」

 有原が彰吾と俊に言う、彰吾は信じられずにいたが、俊の反応だけおかしかった。

 そう言うと、有原がソースカレーを二人のテーブルの真ん中に置く。

 周りもソースカレーに興味が沸いているのか、静かに彰吾と俊を見守る。

「食ってみ?」

 彰吾は少し引きつった表情でソースカレーを見る。そんなことを気にせず、俊はスプーンを有原から借り、ソースカレーを一口食べる。彰吾は俊を見つめる。

「……、うまい……?」

と、俊が言った。さすがの彰吾もソースカレーが気になり、ソースカレーを一口貰う。

「……、うまい……ような……」

「なんというか、コクが出た?」

「深みがあるような感じもある」

 彰吾が言うと有原と俊が言う。三人の会話を聞いた周りの生徒はざわつき始める。

 未開の地を開拓したような物だ、そりゃあ気にもなる。

 まさかの発見、ソースカレーは意外と行ける。

 だけど、パッケージの裏に、

 ※カレーにソースは別に無い事も無いですが、味が物凄く変化してしまい原型の味が無くなって美味しくないカレーが出来上がるかも知れませんので、ソースの量にはご注意。

 なお、このソースカレーをやって不味かったどうしてくれる。

 などと言う事は一切責任が持てませんのでご注意を、と書いてありそうな感じだ。

 これから、カレーにソースというのが流行りそうな雰囲気が漂い始める。

 しかし一人、この事態に気づいた人物がいた。

「……、ん? これって結果オーライ?」

 俊がソースカレーの波から帰ってくると言った。

「そうだな、結果オーライだな、むしろ新しい発見だぞ、俊」

 その後、すごいぞと言う彰吾。彰吾が言うと、俊は鳩が豆鉄砲でも食らったかの様なポカーン状態になっている。

「え、じゃあ、なに? 俺は、トンカツのお返しにやったソースが良い方向性に行ってしまったって事?」

「そういう事になるな、むしろ新しい可能性を導いたんだ。これはブーム来るぞ? 俊」

 彰吾が言うと俊が顔を伏せ、ワナワナと震えだす。

「――ツッ!」

「え? 何? 聞こえんが?」

 俊は何か言うが聞き取れず、彰吾が聞いた。そして、顔をバッと上げ、

「俺のトンカツゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」

 トンカツゥゥゥと言い放つ、一体全体何が起きたのか分からない彰吾。周りもまた、何が起きたのか分からない状況であった。

 突然俊が食堂で言い出すのに、困惑する彰吾。

「え、あ、はい? 何? どうしたの?」

「俺はトンカツを盗られた恨みでソースを入れたんだ! なのに、なのに…」

 泣きそうな表情で言う俊。泣きそうだったが、有原に指を指すと同時に真剣な表情になり、有原を睨む。

「何故、美味しくなったんだぁぁぁぁ!! 俺はただトンカツを盗られただけになったじゃねぇか!!」

 あぁ、そういうことか。と思う彰吾。

 しかし、これだけ熱弁をしているのに有原は俊の事なんか気にも止めていなかった。

 あああああ!と絶望している俊。モクモクとソースカレーを食べる有原。

 二人を見守りながら日替わり定食を食べる彰吾。何だ? この光景…と思う彰吾だった。

 俊が嘆いていると、有原がソースカレーを食べ終える。それを見た俊。

「てめ! このやろう! トンカツ返せ!」

「あぁ……、まぁ、お礼だ。受け取れ」

 そういうと有原は俊に何かを渡した。俊は受け取り、有原が食器返却口に向かう。

 一体、何を受け取ったのだろう?と思う彰吾。だが、すぐに分かった。

「彰吾……」

「なんだ? もうトンカツ良いのか?」

「五百円貰った」

 満面の笑みで言う俊。それを聞いた彰吾はテーブルに肘をつけ顔に手を当てて思う。

『単純バカだ……』

 そして、彰吾と俊は昼御飯を食べるのであった。





「今日どうするよ?」

 放課後になり、彰吾と俊は学校から帰宅中に俊が言う。

「いや、どうするといわれてもなー……、出かけるか?」

「お、いいね。んじゃ、帰宅したら、お前の家の前で集合な?」

 そういうと俊が走り去る。彰吾は歩いて家に向かう。

 彰吾の家は学校から40分ぐらいの場所にある。

 近くて良い、最高だ。と思う彰吾。帰りに商店街に寄り、二日分の御飯を買い込む。

 すると、彰吾を見た商店街の人達は。

「おう! 彰吾、これやるよ!」と八百屋のおっちゃんが言う。

「彰吾ちゃん、この茶葉余ったから使って」和菓子のおばちゃんが言う。

「彰吾ちゃん、コロッケあげる」と肉屋のおばちゃんが言った。

 商店街を通り過ぎる度に、彰吾に何かをくれる商店街の人達。

 そのうち彰吾の手にはパンパンになった買い物袋をぶら下げる事になった。

 学校に向かっている最中、彰吾は鞄しか持っていなかったのに、今は両手に商店街の人達に貰った物で、パンパンになった買い物袋をぶら下げている。

 別に嫌な事ではない、むしろ感謝するべき事態。

 買い物袋を持ちながら帰宅をする彰吾。

 帰宅すると、急いで買い物袋の中の食料を冷蔵庫に入れ、着替えて集合場所に向かう。

 彰吾は学校指定のマンションに住んでいる。

 エアコン、ネット環境、駅の近く、お風呂とトイレの別のリビングありで。

 6万5000円と言う素晴らしい物件。

 しかし、彰吾はバイトをしているが、月に5万と少ししか稼いでいない。

 だが、彰吾は滞納はしていない。彰吾は国からの支援で何とか生活している。

 これは国が家賃の一部を支払い、残りを支払うシステム。

 しかし、これは便利ではあるが、国の申請が通りづらい点もある。

 そして、このシステムの最大の欠点は、家賃を支払った分だけ後で返さなければいけない。

 要は国に金を借りている状態。

 このシステムは二十歳まで有効。彰吾は今いる部屋に国の割引で3万2500円。

 それだけでなく、彰吾は両親がいない、両親の居ない人の為の施設に入れられている事で、更に安くなっている。

 両親が居ない事はこの時代ではありえない事ではない。むしろ多いと言える。

 無能力者ノンスキルが居ると同時に、能力者を毛嫌いする人がいる為だ。

 そのせいで、自分の子供が能力者であった事で、捨てられるケースが多々ある。

 もしくは、研究の為だけに生まれた子もいる。

 その施設+国の割引で彰吾が月に支払っている金額は、2万8000円。彰吾は一番最初にこの金額を見た瞬間、何かの間違いかと思い、国の対応窓口に連絡すると、

『そちらであっています。間違いありません』と返ってきた。彰吾はこれで貯金とそれなりに暮らしている。

 彰吾はエレベーターに乗り、俊と約束した集合場所に向かう。

 彰吾は白いシャツに灰色の薄いパーカーを着てから、その上に茶色のジャケットを羽織り、下はジーパン。

 集合場所に着いた彰吾。先に俊がいるか確認するとまだ着ては居なかったがその後、すぐに俊が現れた。

「わりわり、ちょい荷物が来ててな」

「別に少しだけ、遅れただけだろ。で? 何が来たんだ?」

「妹は何処(いずこ)へのフィギュア」

「とりあえず、行くか」

「ちょい! おい!」

 俊の妹は何処への話が出てきた瞬間、彰吾は話を切って目的地に行こうとすると俊がつっ込む。

「なんだよ?」

「いもいずよ!?(妹は何処への略称)」

「俺は見たが、興味がない」

「な、なら今度は違うのあるから! 貸すから! 見ようぜ!」

「まぁ、今度見るよ」

「うぃ」

 こうして、俊にオタの色を少しづつ染められている彰吾だった。

 そして、彰吾と俊は集合場所から少し歩き、どこに行こうか考えている。

「どうするよ?」

「んー、横浜行くか?」

「おーいいねぇ。久々に海上都市出るな」

 海上都市かいじょうとしは実は海の上に作られている。

 ちなみに大きさが約253.72kmで色丹島より少し大きい、人口が3万8千人。

 神奈川県の近くに作られていて、東京や横浜に向かう場合は、リニアモーターカーに乗る。

 一応、海上都市にも空港があったり、船も存在している。

 この海上都市を作る計画の際に、漁船などの海上ルートを新しく開拓するなどをしてこの海上都市を作る事に成功している。

 外部に出る場合、海上都市の住人登録パスを通らなければならない。

 そもそも何故、海上都市が海の上に作られたか。

 これは、観測をしやすくする為の事。一部に集めて置けば、観測がしやすい為、このような事をしている。

 何も能力者を隔離する為ではない、あくまで観測の為。

 海上都市は能力に見込みのある学生や人物を海上都市に入れる事によって国の繁栄、国の力に自動的に変換されているのだ。

 その為、学生の身分を終えた者や能力者は外部で働く事が多い。

 東京などの会社に入り、働く者もいる。

 しかし、海上都市以外の場所で能力者が問題を起こした際は、海上都市内で決められている罪以上の罪が科せられる。

 下手をすれば、能力剥奪スキルアウトにさせられるケースがあるのだ。

 能力を与える事も出来れば、失くす事も出来る。

 だが、失くすと言っても完全に消し去る事は不可能。

 一度覚醒させた脳を元に戻す事は出来ないが、脳にリミッターを掛ける事は出来る。

 脳にリミッターを掛ける事によって、能力を使えなくさせる事が出来る。

 イメージとしては、ドアを開けようとしたが、つっかい棒で突っかかっている為、少し開くが開かない状態。

 これではいつか開いてしまうが、人間の脳は負担を掛ければ掛けるほど、廃人になってしまう可能性がある為、現状では不可能とされている。

 彰吾と俊は目的地が決まり、海上都市入場所に向かう。

 電車に乗ること20分で入場所に着く。見た目は空港のターミナル。

 管理員がゲートに立ち、行く人、来る人を通していた。

 まず、外部に出る場合、指紋認証からの顔認識を通し、最後に個人データがゲートに届き最終目視確認をしてから入ることも出ることもできるシステム。

 彰吾と俊は指紋認証と顔認識をスムーズに済ませて、目視確認をしてもらう。

「はい。では、遅くならない内に帰ってくるんですよー」

「わかりました」

 ゲートに居た管理員に言われた彰吾はそれに答える。

 先に終わらせた俊が、リニアモーターカーの近くで待っているので、少し早めに歩いて俊の近くに行った。

「んじゃ、行きますか」

「ああ」

 そして、横浜行きのリニアモーターカーに乗り、横浜に向かう彰吾と俊だった。





横浜にある一軒のビル。

「で? 応援部隊の消息は?」

「ハッ! 現在、警察署にいる模様です」

「そうか……では、電車を止めた人物は?」

「ハッ! 電車を止めた人物はこの二人です」

 そういうと、男性が椅子に座っているゴーストのリーダー、イリアス・ノーゼン。

 薄暗い部屋にパソコンが三台ありパソコンの画面の灯りで部屋を照らしている。

 パソコンの前に工作員が座りキーボードに何かを打ち込み、今後の計画のために動いていた。

 全体を見渡せるように、その後ろにイリアスが座っていて、近くに資料を持っている工作員。

 三つの資料を渡し、イリアスは資料に目を通す。

「天月彰吾、宮下俊……」

「どうしましょうか、ボス」

「……、ゴヴィン」

 イリアスがゴヴィンと言うと、男が暗闇から突然現れる。

 男はイリアスの前に立つと、足を肩幅ぐらいに開いて立っている。

「お呼びでしょうか?」

「ゴヴィン。任務から帰ってきて、すぐで申し訳無いのだが」

 イリアスが三つ目の資料をゴヴィンに渡す。ゴヴィンは受け取り、資料に目を通す。

「我々の計画に邪魔な存在だ。見つけ次第排除せよ」

「Shi……」

「それと、我々の計画に支障をきたす存在が現れた場合も、排除せよ」

「Shi……」

 そういうと、ゴヴィンが暗闇に消える。イリアスは、三つ目の資料にもう一度目を通す。

「第4の騎士がまさか出てくるとはな……」

 イリアスが椅子に座りながらフフフと笑う。

「ボス、失礼します。天月彰吾、宮下俊が海上都市を出て、こちら横浜に向かっているとの情報を掴みました」

「始末できるなら始末しておけ」

 パソコンの前にいたゴーストの工作員が、二人の情報をイリアスに流し、それを指示する。

「Sh--」

「だったら、その二人俺に殺らせて下さい」

 部下がShiと答えようとすると、ゴヴィンと同じ様に暗闇から男が現れる。

「ルドガー、何故だ?」

「何故ですか……、それはですね……」

 イリアスがルドガーに言うとルドガーはうつむき、握り拳を作り、爪が手の肉に食い込む程握ってる。

 そして、歯をギリギリをかみ締め、顔を上げイリアスを見る。

「あの、クソガキを、殺さないとッ! 私の怒りが収まらないんですよぉ……」

 怒りを通り越し、殺意しか沸かないルドガー。それを見たイリアスは、

「分かった。この件はお前に一任する。くれぐれも気をつけたまえ」

「Shi……!」

 イリアスの発言に殺意むき出しの満面の笑みで言う。Shiと答えると、ルドガーはその場を去った。

「さて、これで問題は解決されるだろう。このままで行けばな……」

 そういいながら、最終目標の計画書を見るイリアスであった。 





「着いたー久々の横浜ー」

「そうだな、着いたな」

横浜に着いた彰吾と俊の二人。今は昼の15時過ぎぐらいの時間の為人が多かった。

 彰吾と俊は西口出て、交番の近くにあるたい焼きを買い食べ歩く。

「さて、どうしようか?」

「服とか本とか、ゲーセンでも行くか?」

「そうだな、それでいいか」

 そういうと彰吾と俊は適当にぶらつく、服を見に行き、その後、本屋に行った。

 ヨド○シに行ってイヤホンを買うなど、体験版のゲームなどプラモも見た。

 ヨド○シを出てると、やることも無くなったので、彰吾と俊はゲーセンに行きゲームをやる。 

そして、ある程度ゲーセンで時間を潰し、やることが無くなった為、歩きで映画を見に行った。

 映画を見ている最中に彰吾は気づく。

『……、これさ、どっちか女子だったらデートだったな……、野郎とウインドショッピングとか……。マジか』

 思う彰吾だったが、まぁ、いいやと流し、映画に集中する。

 今二人が見ている映画は、SFものでスーパーギャラクシーと言う映画。地球以外の生物がいるのか?と言う疑問から、宇宙船を作り、宇宙に飛び出す内容。

 人間以外の形をした、ウッドマン。手足がある木の存在、単眼の人型のゴブリンの様な奴。メインヒロイン何だろうか、綺麗な女性もいる。が、ホログラフィックの女。

 画面から嫁が出てこない現象を映画で見るとは二人は思わなかった。出てはいたが、触れることは叶わぬ、存在。

 しかし、ラストはホログラフィックの女性のデータが全ての元凶の為、主人公がアンインストールし、別れる事になった。

 だが、ホログラフィックの元になった女性に会い、ホログラフィックの時の記憶を受け継いでおり、主人公と再会して幸せになったと、そういう物語であった。

 案外、楽しめた彰吾と俊。いつの間にか19時を回っていた。

 お腹が空いたので、109シネ○ズを出て横浜に向かう。

 109シネ○ズを出て、今は新高島駅の近くにいる。

 周りに飲食店は少ない、仕方ないので二人は歩きで横浜に戻る。

「いやぁ、意外と楽しめたな。スーパーギャラクシィー」

「そうだな、意外と楽しめたな」

 横浜に戻っている最中に映画の事を話す二人。そして、何故かスーパーギャラクシーの発音が無駄に良い俊だった。

「……、すまん。トイレ行って来ていいか?」

「はぁ? お前、こっからだと5分かかるぞ」

「それは大丈夫、走る」

 突然トイレと言い出す俊、そして決め顔で言う。ため息をつく彰吾。

「はぁ……、行って来いよ。待ってるから」

「わり! んじゃ、行ってくる」

 そして、俊が来るまで待つことになった彰吾。信号を渡った横浜三井ビルの向かい側の歩道で俊を待つ彰吾。

 暇なので、彰吾は携帯を取り出してソーシャルゲームをやり始めた。

 ソーシャルゲーム起動してから10分は経ったが、俊がまだ帰ってこない。

 遅いなと思った時に、109シネマ○の方から、誰かがやってくる。

 一人の美しいゴスロリ女性が現れた。見た目は黒い服に白と、ところどころに赤が入っている

 髪型は縦ロール、頭には黒と白のヘッドドレスがつけられていた。

 何だ、俊じゃ無かったかと思い、ゴスロリの女性から目を離すと。

「こんばんわ、天月彰吾さん」

 突然、ゴスロリ女性が話を掛けてきた。

 ゴスロリ女性はスカートのすそをつかみ、丁寧にお辞儀をしている。

 なんで、この人俺の名前を知ってるんだ?と真っ先に思った彰吾。

「なんで、俺の名前を知ってるんだ? と思ってますね?」

 図星を突かれ、少し驚く彰吾。彰吾は携帯をポケットにしまった。

「ああ、思ったが。で、何で知っている?」

「それはですね……」

ゴスロリ女性から何かを感じる彰吾、そして気づく。

『周りに人が、いない……?』

 ゴスロリ女性に対して身構え集中する。

「安心してください。周りには人おろか、車も通りません」

「へぇ~、そうかい、不思議な事が起きるんだなぁ」

 だが、先ほどソーシャルゲームをやっている時に携帯を確認すると電波は通っていた。

 ということは、何かしらの方法でこの辺りから人を居なくなるようにしたと考えた彰吾。

「ですので……」

 突然ゴスロリ女性の口元がニヤリと微笑む。微笑むと同時に殺気も放たれる。

 殺気を感じた彰吾を数歩後ろに下がった。

「死んでください……」

 そう言いながらゴスロリ女性は腰からククリを二本取り出し、彰吾に突っ込んだ。

 彰吾は相手に重力を正面に掛け、彰吾に近づけさせない様にした。

「ンフフフフ」

 重力を掛けられ思うように前に進めず、少しずつ後退していくゴスロリ女性は不意に笑った。

「何がおかしい?」

「それで、止めたんですね……」

「何をだ?」

「電車だよ……」

「何……?」

「テメェのせいで、俺の評価が落ちたんだよ……! このクソガキがぁ!!!!」

 突然ゴスロリ女性が豹変する。表情がゆがみ、殺意と狂気染みた表情をで彰吾を見た。





 ビルの屋上で双眼鏡を持って、彰吾を見ていたルドガー。

「テメェのせいで、俺の評価が落ちたんだよ……! このクソガキがぁ!!!!」

 ルドガーは叫ぶ。電車の件でルドガーはゴースト内の評価が落ち、仲間から馬鹿にされていた。

「安心しろよ、お前が死んでもだぁれも悲しまねぇよ……」

 ンフフフと笑うルドガー。

「だからよぉ……! 死ねよ!!」





「だからよぉ……! 死ねよ!!」

ゴスロリ女性は地面を強く踏み込み、彰吾の重力を無視するぐらい一気に近づく。

 彰吾はすぐに真上に重力を掛け、相手を倒す。真上から重力を掛けられた瞬間、ゴスロリ女性はその場に倒れる。

 これで、動けないだろうと思い、ふぅ……と安堵の息をつく。

「安心してんじゃねぇよ!!!!」

 そういうと、ゴスロリ女性は前から重力を掛けられているのにも関わらず、持っていたククリ一本を彰吾に投げつけた。

 彰吾はククリを避ける。避けた瞬間、重力が切れ一気に彰吾に近づき、斬撃が襲う。

「オラオラどうしたぁ!! 反撃してみろよ! ああ!!」

 彰吾は斬撃の嵐を紙一重で全て避けていた。相手の剣術は悪くは無かった。むしろプロだと言える。

 だが、彰吾はその斬撃を全て避けている。

『なんだ、何で俺こんなに避けられるんだ?』

 自分でも理解出来ていない彰吾。なぜ、こんなに避けられるのか分からないでいると、ゴスロリ女性がスラスラ避ける彰吾にイラつき大振りを振りかぶる。

 彰吾はその大振りを見逃さず、腕を取りそのまま勢いを使ってゴスロリ女性を背負い投げをした。

 ゴスロリ女性は円を描くように投げ飛ばされた。まずい!と思った彰吾はすぐにゴスロリ女性に正面に重力を掛ける。

 だが、間に合わずに頭から地面に落ちた。彰吾はやってしまったと思った。

 間に合えば、頭に正面の重力を掛ける事によって頭からの着地ではなく、背中からの着地に成功する予定だった。

 手を顔に当て、落ち込む彰吾。落ち込んだ瞬間、右腕に何か当たる。彰吾は、何が当たったんだ?と思いながら見ると、

「ぐ、ぐあああああああああああ!!」

 ナイフが彰吾の左腕に刺さっていた。何が起きたか分からず、ナイフを抜いてそこ等辺に投げる。

「ンフフフフフフフ!!」

 笑い声が聞こえる。笑い声の聞こえた方を彰吾は見た。

「う、嘘だろ? 何で、生きてんだよ……」

 そこには首があり得ない方向に曲がっているゴスロリ女性が笑いながら立っていた。

 何が何だか、分からない彰吾。だが、すぐに気づく。

「能力者か……!」

「お、ピンポーンせいかぁーい。俺の能力はぁ~、何でしょうか~」

 そんなもん分かる訳が無いだろと思っていると、左モモに激痛が走る。

「あああああああああああ!!」

 あまりの激痛に膝をつく彰吾。何だと思い、左モモを見ると、そこにはナイフが刺さっていた。

「くぅッ!!」

 いつの間に刺されたんだ!?と思いながらまた、ナイフを抜きどこかに投げ飛ばす。

 その姿を見たゴスロリ女性はンフフフと笑っていた。

「答えられなかった罰でぇーす。もう、仕方ないから能力教えちゃうね~」

 そういって彰吾に近づくゴスロリ女性。ククリを右手に持ち、左手には何も持ってはいなかったが、突然手を握って開くとナイフが指と指の間に現れる。

「俺の能力は、糸人形(ストリングドール)。そして、この身体は戦闘用に俺が作った人形だ」

 糸人形(ストリングドール)。

 この能力は念力で作った糸を対象の頭につける事によって、その糸を着けた対象を思うがままに操作出来る能力。

 糸の射程は能力ランクによって変わるが、今のところ200mとされている。

 糸をつけられる本数か決まっていて自分の指の数と決まっている為、最大で10人までしか操作が出来ない。

 糸を着けた時に能力者と共有リンクさせられ、糸を着けた相手の景色を能力者は見ることが可能としている。

 そして、糸を着けられた対象は能力者の景色を見る事ができず、一方的に操作されるだけでなく、その景色を見られることになる。この能力は罠にも活用ができ、デメリットは一切ない。

 そして、ゴスロリ人形は左手に持っていたナイフ一本を彰吾の右足に投げ、刺した。

「ぐあぁ……ッ!」

 ゴスロリ女人形は彰吾の正面に立ち、ンフフフと笑いながら、動けない彰吾に近づく。

「これは人形なんでね、俺の感情がそのまま人形に伝わる。人間臭いだろ? ここまで、精巧に作るのに時間かかったんだぜぇ……?」

 ンフフフと笑いながら近づく。動けない彰吾の前に立ち、ククリを振り上げる。

「じゃあ、死ねよ」

 ゴスロリ人形はククリを振り下げ、ククリが彰吾を襲う。

 その瞬間、彰吾はまた思い出す。

『戦え、その為の存在だ』

 誰だか分からないが変な記憶を思い出す。

 足の痛みが消え、ククリを寸前の所で避けてゴスロリ人形に足払いを掛ける。

 ククリは外れ、そのまま地面ククリが当たった瞬間足払いを受け、後ろに背中から打ち付けるゴスロリ女性。

『糸人形の能力の弱点は頭に指示糸が着けられている、その糸を切ればこの戦いは終わる』

 彰吾はゴスロリ人形から距離を取ると、先ほどモモに刺さって投げたナイフの近くにいたため、ナイフを取る。 

 ナイフを取った彰吾は一気にゴスロリ人形に近づいた。

 ゴスロリ人形もすぐに立ち上がり、彰吾に近づく。

 ゴスロリ人形と斬撃戦が始まった。彰吾は短いナイフのため、ゴスロリ人形の攻撃を全ていなして、その隙に攻撃をする戦いをしていた。

 途中途中で、体術を挟みながら、攻撃をする彰吾。

『なんで、俺ナイフ扱えてるんだ? 俺はこんなプロのようなナイフ捌きは、教わった覚えはないぞ?』

 そう思いながら彰吾は、扱いの覚えが無いナイフを使い攻撃をする。

 そのうち、相手の行動が読め、ナイフ戦をしている最中も、風を感じるぐらいの余裕が彰吾の中には生まれていた。

 その攻撃と防御、所々に入る体術にいつの間にか、防戦するようになるゴスロリ人形。

 ビルの屋上から双眼鏡を覗き、糸人形ストリングドールを使っているルドガー。

「何なんだよ……! 何なんだよ!! お前はぁ!!」

 ビルの屋上から叫ぶルドガー。ルドガーの指示で大降りをするゴスロリ人形。

 そして彰吾は、真上からククリを持って振り下ろしている手を蹴り上げる。

 蹴り上げると、持っていたククリが真上に吹っ飛ぶ。

 すぐに体勢を立て直し、彰吾に切りかかろうとしたが、彰吾は目の間に居なかった。

 突然、ゴスロリ人形が倒れた。

 双眼鏡で見て、何が起きたのか分かったルドガーは歯をかみ締め、ギリギリと鳴っている。

「指示糸を……! 切られた、だとぉおおお!!!!」

 彰吾は蹴り上げた後、一瞬で低い体勢取りゴスロリ人形の死角を取って、そのまま真後ろに行く。

 真後ろに行き、普通人形の後ろを見ると何も無いが、よく見ると糸が見え、彰吾はその糸を切った。

 双眼鏡を見るのをやめ、彰吾のいる方向を睨む。

「いいだろう……、全力でてめぇを殺してやるよ!!」

 言った瞬間後ろに気配と糸の感知罠を仕掛けた為、誰かがいると感じたルドガー。

「なに? 何で、お前がここにいんの?」

 そういいながら、冷静になり後ろを向くルドガー。

「第4の騎士、ペイルライダー」

 ペイルライダーと呼ばれると暗闇から現れたのは、彰吾と俊を狙撃しようとしていたゴーストのメンバーを消した存在だった。

 ペイルライダーは無言で狙撃しようとしていた奴を一瞬で消した銃をルドガーに向ける。

「軍の独立部隊、ファントム。それの筆頭、ペイルライダーさんがどーしてこんなところにいるんだ?」

「話す義理は、ない」

「俺らを消す為か?」

「…………」

「そうか、なら」

 どこか、余裕を見せるルドガー。ペイルライダーは周りを警戒すると。

「狙撃に注意しろよ?」

 ルドガーが言った瞬間、ペイルライダーはバク宙する。バク宙後、ペイルライダーの居た場所に弾丸が飛んできた。

 その後に銃声が鳴り響く、ペイルライダーは一瞬で弾丸の軌道を見て、ルドガーの狙撃人形を見つけ撃つ。ペイルライダーに狙撃され一瞬で消える。

「へぇ……それがあの、分子運動放射光線銃(デヴァイド)か」

 デヴァイドで狙撃人形を消し、着地をしてまた、ルドガーにデヴァイドを向けるペイルライダー。

 デヴァイド、分子運動放射光線銃。

 これは、対象に向けトリガーを引くと、目には見えない超光速の分子運動放射光線マイクロ波を放っている。

 デヴァイドに撃たれた対象は、超光速で分子運動を行われ、蒸発して消える。

 電子レンジの構造をうまく利用し、武器に転化した物だ。

 デヴァイドは普通の銃としての機能も備わっている。

 デヴァイドを向けられるルドガーはンフフフと笑い出す。

「何がおかしい」

「いや、もう時間だからさ。ほら?」

 そういうと、突然ペイルライダーの後ろから誰かが襲う。ペイルライダーはそれに対応して奇襲を防ぐ。

「――! 貴様は……!」

 奇襲をかけられたペイルライダー。それを防ぎ、奇襲者が誰なのか確認すると、

「ゴーストの工作戦闘員ゴヴィン……!」

「ほう、あのペイルライダーに俺の事を知ってもらえているとは、光栄だな」

 ゴヴィンはルドガーの前に立つ。ペイルライダーはフッと鼻で笑う。

「大物だな、二人とも拘束する」

「悪いが、それはできないな。我々には成し遂げなければならない理想がある」

 ゴヴィンが言うと、ゴヴィンの脇からフラッシュバンが投げられた。フラッシュバンは光と音でペイルライダーを襲う。その隙にゴヴィンはルドガーを連れ、共に逃げる。

 だが、ペイルライダーは何とかフラッシュバンを回避し、ビルからビルへ移動している二人に、拘束弾を装填しているデヴァイドを向ける。

 その瞬間、ルドガーが操作している人形がペイルライダーを襲う。ペイルライダーは人形を一瞬でデヴァイドで撃ち、人形を消した。

 そして、逃げた二人の方を見るが、そこには誰も居なかった。

「逃げられたか……」

 ペイルライダーはデヴァイドをホルスターに収め、彰吾のほうを見る。

「……、お前は何なんだ? 天月彰吾」

 そういうと、デヴァイドを再び取り出し、天月彰吾の近くに倒れている人形を消し、その場を去った。




 突然、人形が蒸発し、粉末になったかの様に一瞬で消えた。

「おぉう!? びびった……」

 そして、彰吾はその場に座り込み、戦いの疲れを癒す。

 すると、その後に俊が帰ってくる。

「いやぁー、待たせてスマンスマン。なかなか、出なくてよー。奮闘しちまったぜ」

 などと、抜かしたコメントを言ってくる俊に彰吾はあきれた。

「はぁ、もういいや」

「おう、って、何でお前ボロボロなんだ?」

「今度話す。今は飯にしよう。腹が減ってもう無理」

「お、おう? まぁ、いいや、待たせちまったしな。今回は俺が出すわ」

「ありがとよ。てか、ここら辺どこだ?」

「何言ってんだよ? シネマ近くだろ」

「あぁ、そうだったな。俊」

 彰吾と俊の二人は横浜に向かうのであった。




 横浜にある一軒のビルにあるゴースト本部。

「ボス、申し訳ございません。天月彰吾、宮下俊の始末に失敗しました」

「気にするな。次、仕留めればいい」

「Shi……」

 イリアスに言われルドガーは下がる。ルドガーが下がると、ゴヴィンが前に出る。

「予定通り、工作員。そして、ドローンの配備を完了しました。ボス」

「うむ、ご苦労。ルドガーお前の作ったシステムが発揮される」

 ルドガーは「Shi……ありがとうございます。ボス」と答える

 イリアスはゴースト全員に繋がるマイクオンにして、マイクをつかむ。

「ゴーストの諸君。近々に大機械祭が行われる。ここで、我々の兵器とシステムを使い、日本を壊しに行くぞ。そして、我々の兵器を海外などで売る!」

 イリアスの言葉に「おおおお!!!!」と組織の工作員達マイクとモニター越しに声を上げる。

「この国の大統領のツラを汚し、頭を下げさせるぞ!」





 そしてその大機械祭まで残り、2日。




 つづく

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