幸せの空間(終)
泣いていた唯は何か決心したように静かに上を見つめ直し魔法の国が消えた空間に背を向け歩き始めた。
そのすべてを見届けていた美宝 洋介は、プロジェクトのチーフ沢田へ小さく合図を送る…
一人歩く唯の少し前方に小さな空間のユラギが起こる。
さあいよいよ、最後の…最後の新技術が披露される時がきた。
この日の為に、プロジェクトの持てる最高の技術を使い可能にした魔法…
亡くなった唯の両親の過去の公的と私的な映像記録すべてを元に作り出す、唯の母と父の本物の思考を持つ擬似生物を再現させ、娘、唯との自然な会話を可能にさせるのだ。
ココからの会話は、美宝 洋介にも、すべてのスタッフにも聞こえないように処置されていた。
物理的に精製可能な10分間、親子3人の最初で最後の会話が始まった。
現れているニセモノの母と父は、理論上、人間とまったく同じ思考が可能なはず。
10分間は、唯の生きている母と父で有ってくれるはずなのだ…
母と父との別れを済ませた唯は、だれもいない施設を後にして自宅へ戻る。
こうして、すべてが終わった。
明日からは、普通の10歳の美宝 唯が元気に街を走りまわっている事だろう。
精神的に成長した女の子として…
《 お わ り 》
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前々から昔のアニメの魔女っこ物のパロディ的な作品を書きたいと思っていて書いた昔の作品です。
お嬢様プロジェクトのチームの中に唯と同じクラスの友達の女の子、同じく男の子のキャラ(プロジェクトチームの子供で唯には正体を隠して学校へ通っている)、お嬢様プロジェクトのチームに最近加わった技術は優秀だがドジな新米のスタッフキャラなども登場させても面白かったかも。
魔女っこ 唯ちゃん アンクロボーグ @ancloborg
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