第十三章 皇帝を護る剣 -13-
怒りを見せた
だが、
「
連続して地割れを引き起こし、
跳躍しながら迫ってくるが、ぼくの周囲の地面も引き裂いてずたずたにして近付かせない。
流石の
ぼくの方は地面がどんな状況でも、浮いてれば関係ないしね。
地割れついでに、大地から槍を隆起させて
その程度の
だが、
まあ、いいんだ。
それでも回避する方向を誘導し、
ほらきた。
これで、どうだ!
その魔力に当てられ、
本当かよ。
拘束してとどめを刺そうと迫っていたぼくは、急制動をかける。
それを見て、
うん、
足場が悪くては、地上移動の
苦労して近付いてきた
攻撃力はないが、風圧でバランスは取りにくいはずだ。
「まともに戦う気があるのか、ドゥリスコル! これが
吼える
「いや、こんなのは
ちょっと煽ったら、本当に跳び上がってきやがった!
でも、空中機動で翼のあるぼくに勝てると思うなよ!
もう少し上昇してあげたら、届かなくて落下していく。
ほれみろ、好機だ。
空中を蹴って墜ちていく
追撃するぼくを見て、鞘に手を掛けるが抜かない。
不安定な空中で
このまま行っても、
ならば、
足場にしていた地面を崩壊させ、一帯を大きな穴にする。
着地態勢に入っていた
歴戦の老騎士も、これには驚いた表情になっていた。
かなりの衝撃のはずだが、顔色を変えた様子はない。
ま、この程度でどうにかなる相手じゃないよな。
すぐに、壁から壁へと伝いながら跳び上がってくる。
おっと、そう簡単にはやらせない。
上から無数の岩や
ついでに、壁も少し脆くしておいてやる。
成る程、壁を蹴るために、
状況を制限してやれば、あれほど隙のなかった
ならば、いまが好機だな。
遠慮なく行かせてもらうか!
流星のように足から光の尾を曳きながら、まっしぐらに
如何に連続で斬り続けるといっても、無限ではあるまい。
その上昇が、不意に崩れた。
壁を蹴った瞬間、脆くも土が崩落したのだ。
「そこは、細工させてもらったよ、
最大の好機。
残念だな、皇帝にその敗北の瞬間を見てもらうがいい!
ちらりと皇帝を視界に入れる。
ぼくを応援してくれるみんなと立場は同じか。
そう考えると、ちょっと言い過ぎたかな。
視線を
貴賓席に、いるはずのない男がいる。
あれは、ぼくが三回戦で破ったギデオン・コーヘン?
ベール警備隊に引き渡された男が、何故そんなところにいるんだ!
「危ない?」
コーヘンの手には、短剣がある。
まずい、クリングヴァル先生とダンバーさんはどうしたんだ!
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