第十三章 皇帝を護る剣 -12-
この距離での突き出しをかわすか。
至近距離での光弾。
流石の
鮮血が飛び散る。
だが、浅い。
大した
あれが、第三段階に達した
だが、態勢が崩れたぞ。
すかさず、追撃の
だが、その刃は
く、もう
だが、
すり抜ける刃を戻して、右肘の
だが、この
そこで連打を止め、一歩後ろに下がる。
いや、下がったように見せて足は残っている。
上体だけ下げたのだ。
連打が止んだと見て、
その動きを読み、上体を沈めて下から
顎に刺さるかと思ったが、寸前で見切られ、皮一枚掠めただけで終わる。
いや、まだだ。
振り下ろしの両断に繋げれば、まだいける。
そう思った瞬間、衝撃がぼくの腹部で炸裂した。
「ぐ──鞘……」
右手の
まさか、鞘を突き出してくるとは思わなかったのだ。
「
腹でよかった。
昏倒するどころか、激痛で意識がはっきりした。
だが、お陰で胃の中のものを吐き出しそうだ。
口の中に、酸っぱい味が広がる。
バックステップで後退したが、
かろうじて
それで、何とか一息ついた。
「うえ……。確かに悶絶するかと思ったよ、畜生!」
「逃げてばかりではないか、ドゥリスコル。それでは、師の名が泣くぞ」
「作戦タイムですよ、レナス帝領伯。いまの隠し技も頭に入れましたからね。もう食らいませんよ」
しかし、劣勢なのは確かだ。
オニール学長が一割の勝率と言ったのも頷ける。
何かしら手を打たないと、じり貧だ。
連打で攻め続けるのは、いまいち効果がない。
絶技の型も知られているみたいだし、
こちらも、
さっきの
よし、あれで行ってみるか。
右手に
アルトゥール・フォン・ビシュヴァイラーは、すぐに
間合いに入った瞬間、
いまだ!
「
態勢が崩れ、斬撃もあらぬ方向に流れた。
好機!
但し、魔力の回転は、いつもとは逆に回転させる。
しかも、魔力の回転が逆なので、いつもの弾き方では逆に
がら空きになった胸に、必殺の絶技を抉り込んだ。
だが、手応えがなかった。
あそこから、上体を反らして突きを避けるだと。
下半身を地割れに突っ込ませているからとはいえ、軟体動物みたいな回避をしやがって!
下から、突き上げるように
この好機を逃す手はないのだ。
空を蹴り、真上からの
だが、
どうやら、鞘での攻撃は
好機を逃したぼくは、一回とんぼを切って上空へと逃れる。
そこなら、追撃はない。
成る程、
唯一の攻撃の好機にも、対応する技を持っている。
だが、あれは所詮隠し技じゃないか。
あれで致死判定を食らうことはない。
ならば、
あそこで仕留めないと、次の瞬間にはもう
「しぶといな、ドゥリスコル。その
「そいつはどうも。しかし、本来隙の大きい抜刀術を、そこまで死角のない構成に仕立てているのは大したものですよ、レナス帝領伯。確かに、いまの貴方なら
ふわりと地上に降りると、右足を前に出して、半身の構えを取る。
「それでも、戦えば勝つのは
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます