十五少年漂流記/ジュール・ヴェルヌ

 みなさんは、初めて本を覚えていますか?

 あの本がきっかけで読書好きになった、あの本は読みこんだ、あの本は今でも好き、などなど。

 こうしてカクヨムに登録しているみなさんなら、何かきっかけがあったはず。今回は思い出の本を紹介します。



 幼い頃から本を読むのが好きで、定番絵本の「ぐりとぐら」「だるまちゃんと」シリーズなどから入った文字の世界。

 本格的な小説として初めて読んだのが、この「十五少年漂流記」でした。


 この本は小学校三年生、九歳の時に誕生日プレゼントとして父が買ってくれたものです。プレゼントに本なんて時代を感じるなぁ(^^;)と思いますが、当時は「シートン動物記」や「ファーブル昆虫記」にハマっていて、学校の図書室から借りて家でも読んでいました。

 きっと、そんな様子を見て本を買ってくれたのでしょう。

 でも、もらった本人は題名(動物でも昆虫でもない!)を見て全く興味を示さず、プレゼントは開かれることもなく机の隅で横積みに……。


 数週間、ひょっとすると一カ月近くが経ったのかもしれません。

 せっかくもらったんだし、ちょっとだけ読んでみるか――そう思って読み始めたら、すぐにハマってしまいました。(笑)

 題名の通り、十五人の少年が無人島へ漂流してしまい、そこでの生活を始めていく物語。単純な冒険ではなく、年齢差のある子供たちが協力したり、時には対立したりしながら小さなコミュニティーを作っていくようなお話です。

 終盤には、予想していなかった事件や秘密が明かされ……エンディングも九歳の読み手には予想もしていないものでした。


 あんなにも興味を示していなかったくせに、読み始めたら食事の時にも手放せず、怒られてしぶしぶ本を閉じるくらいでしたね。

 文字が伝えてくれるワクワク、ドキドキ感や掻き立てられる想像力を知ったのは間違いなくこの本です。

 調べてみたらアニメやドラマにもなっているそうで、子供だけではなく大人も楽しめる冒険小説かと。

 いま読んでみたら、あの頃の純真な気持ちを思い出すかもしれません。

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