死亡フラグが立ちました!/七尾与史

 前回ご紹介した東川篤哉さんと並んで、ユーモアミステリーの書き手として好きなのが七尾与史さんです。



 七尾さんの作品では、やはりTVドラマ化された「ドS刑事」が有名ですが、これも見ていません。主役がね……。多部未華子さんは好きな役者さんですが、小説のイメージには合わないかと。どうせなら「ななお」つながりで菜々緒さんにやってもらったらピッタリだったのに。


 と、言う訳でイチ押しは「死亡フラグ」シリーズ第一作、「死亡フラグが立ちました!」です。東川さん同様、タイトルから攻めてます。(笑)

 私自身が素直な性格ではないからなのか(^^;)、ドラマ化されたような有名作品よりも「つうならこっち」的な作品が好きですね。

 中身はというと、東川さんが「くだらねぇなぁ~」(←褒めてます)というクスッとした感じの笑いであるのに対し、七尾さんは毒のある笑いというか、ニヤッとする感じ。すこしぶっ飛んだ一面も垣間見せながら、ドタバタ感のあるB級感満載(←褒めてます)のお話です。



 このシリーズ、廃刊寸前のオカルト雑誌「アーバン・レジェンド」の貧乏ライター陣内が主役ですが、探偵役というか先輩の本宮がとにかくスゴイんです。

 東大卒の天才投資家で、世界一のゲーマー(アクション系)。背が低くて頭でっかち、だけど女性にモテて不思議な武術を使いこなす不死身の男。

 すごいでしょ。

 続編では本当に世界を救っちゃいます。(笑)

 合わない人には「何これ?」と全く評価されないと思いますが、気になる方はぜひご一読を。


 もう一つ、七尾さんの小説の特徴として、各シリーズのキャラクターだったり設定が入り混じることが挙げられます。

 雑誌「アーバンレジェンド」は頻繁に登場するし、「圏内ちゃん」シリーズには「ドS刑事」の黒井マヤたちが登場したり。「殺戮ガール」と「死亡フラグ」シリーズは相互リンクした箇所があります。

 この辺りもファンとしてはニヤッとしてしまいます。



 綾辻、有栖川両氏のミステリーもとても好きなんですが、ここ『カクヨム』で目指すのは東川、七尾両氏の路線ですね。

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