連続ガチャ
1回目。10連で1シルバーを消費。
ガチャ結果:
鉄の盾(☆★★★★★★)
鉄の剣(☆★★★★★★)
鋼の剣(☆☆★★★★★)
鉄の盾(☆★★★★★★)
鉄の弓(☆★★★★★★)
鉄の斧(☆★★★★★★)
鉄の斧(☆★★★★★★)
鋼の斧(☆☆★★★★★)
鋼の斧(☆☆★★★★★)
鉄のレイピア(☆★★★★★★)
「初めて見る武器がありますね……」
「ああ、だが良いモノではないな」
斧系統は今は誰も使えない。レイピアは剣系統ではあるが、セイルは使う意味がないしアミルにも合わない。
鉄の剣は進化を試してみてもいい本数が揃ってきている。
2回目。10連で1シルバーを消費。
ガチャ結果:
王国剣兵【女】(☆★★★★★★)
鉄の短剣(☆★★★★★★)
鉄の剣(☆★★★★★★)
鉄の弓(☆★★★★★★)
鉄の斧(☆★★★★★★)
鉄の杖(☆★★★★★★)
鉄の鎧(☆★★★★★★)
鋼の鎧(☆☆★★★★★)
鋼の杖(☆☆★★★★★)
鉄の盾(☆★★★★★★)
「あっ」
出てきた王国剣兵【女】の表示に、アミルが嬉しそうな声をあげる。
仲間が増えると思ったのだろう。だがセイルはそれとは別の事も考えていた。
そう、それはつまり……ユニットの進化。
王国剣兵【女】が2つ揃えば、王国剣兵【女】が……つまり、アミルが星2に進化できる。
今のアミルの強さに不満があるわけではないが、レベル上限が来るまでにどうにかしなければならない事でもある。ならば、これは。
3回目。10連で1シルバーを消費。
「ん? これは……」
「今までとは違う色……!」
回転する光の色は、赤。星3の何かの登場を約束する輝き。
この世界に来てから初めて見たその色に、セイルの心は自然と高揚する。
来い、来い、来い!
自然とその言葉が口から洩れ、セイルはカオスゲートを持っていない方の拳を握る。
「……来い!」
ガチャ結果:
鉄の槍(☆★★★★★★)
鉄の爪(☆★★★★★★)
鉄の爪(☆★★★★★★)
木剣(☆★★★★★★)
錆びた剣(☆★★★★★★)
暗殺者ウルザ(☆☆☆★★★★)
錆びた短剣(☆★★★★★★)
鋼のガントレット(☆☆★★★★★)
鋼の槍(☆☆★★★★★)
鉄のシミター(☆★★★★★★)
「よし……きた! きたきたきた! きたぞおお!」
「おめでとうございます王子! あ、セイル様!」
「おめでとうございます」
テンションが一気に高くなったセイルに合わせてアミルもテンションが上がるが、イリーナはいつも通りだ。
表示されている内容に目を通し……イリーナはその内容に眉を顰める。
「暗殺者ウルザ……? 誰ですか、これ?」
「ん? 確か帝国の暗殺者じゃなかったか?」
「敵じゃないですか!」
吠えるアミルに落ち着け、とセイルは軽く肩を叩く。
カオスディスティニーはそういうゲームというかガチャだった。
敵のキャラもガチャに入っていて、よく理由は分からないが仲間になったことになっている。
……まあ、ストーリーを見る限りでは帝国とは共同戦線を結ぶことになるので、その縁だろう。
「今は敵じゃないさ」
そうは言うが、ちょっと自信はない。
確かウルザはセイルを暗殺しようとして失敗し、逃亡したキャラだったような記憶がある。
その後出番が一切なかったので記憶に無いが、恐らくは帝国と共同戦線となった縁で敵ではなくなる……みたいな設定なのだろう。
「よし、星3キャラも出たし……ガチャはこのくらいだな」
「えっ」
意外そうな声をあげるアミルにセイルが振り向くと、アミルはさっと視線を逸らす。
「なんだ?」
「え、いえ……セイル様のことですから、今なら流れが来てるとか言いそうだったのに……なんて思って……ません」
「そこまで言ったなら言い切れよ……」
勿論、そういう考えもあるにはある。
だがセイルは「ガチャ運定量制」の信者でもあった。
ノーマルガチャにおける最高レアである星3を引いた以上、今日のガチャ運は使い切ったとも考えている。
「とりあえず、今日のガチャはここまでだ。それより……」
「はい、新しい仲間ですね!」
「いや。アミル、お前を進化させる」
「……へ?」
疑問符を浮かべるアミルに、セイルはカオスゲートをコツコツと叩いてみせる。
「言っただろう? 星1は2つで進化する」
「え? でもそれって武具の話じゃ」
「人も、だ」
キャラクターやユニットとは言わない。アミルもイリーナも呼び出した以上は人であるからだ。
たとえば此処にもう一人剣兵少女を呼んだとして、それがアミルそっくりになるのかは分からない。
ひょっとすると全然違う者が来るのかもしれないが……今優先すべきはアミルだ。
「まずはお前を今より強くする。この「王国剣兵を呼び出す権利」を使ってな」
だからセイルは、「呼び出す権利」と言い換えてアミルを誤魔化す。
これはまだ人ではない。実際そうであると思っているし、そう言えば罪悪感がなくなると分かっているからだ。
「もう一人を呼ぶよりも、信頼するお前を強くしたい。俺は、そう思う」
セイルのその言葉に、アミルは……セイルの前で、最敬礼の姿勢をとりながら跪く。
「……仰せのままに。セイル様のその信頼にこのアミル、全身全霊でお応えいたします」
僅かな欺瞞を、本気の心で覆い隠して……セイルは、ユニットの進化を選択した。
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