第13話
キュレイス山がかつて鉱山として使われていた頃、その採掘中に、人為的に掘られたような空洞と水脈、そして
元が
キュレイス山に調査の手が入ったのは、それからしばらくのことだ。
「そんとき新たに見つかったのが、俺たちが今回潜った【
チルタミル(珪蝕蛇)って言えば、昔から地震を起こすと言われ恐れられていて、実際この辺は地震が絶えない時期が続いたこともある。
だから、
で、それが確か、今から一千年前くらいらしい」
「ずいぶん昔ですね」
「そうだな。だが、
結局何故
で、この話はエレミースでは割と有名で、調べれば簡単に知ることができる。まぁその所為もあるんだろうが、今でもその立入禁止区域に侵入して、鉱床を持ち出そうとする輩が後を絶たないらしい。
今はその立入禁止区域に結界が張ってあって、易々と立ち入り出来ないようにしてあるんだよ。してあるはずなんだけどな」
カディンは喉を唸らせてふと遺体の四人を見やる。
「それだけ結界の外に転がっていた、というのは?」
「あまり考えられないがな。それに」
カディンは首と胴体の離れた
「
カディンは思いを馳せて、ひとりため息を吐く。
「で、どーすんですかその石」
ポートがカディンの手元の石塊を指差す。
「まあ、結界の外から投げて中へ戻すってのもアリかもしれねえが、俺はエレミースではそれなりに顔が利くし、これはこれで出すところに出して調べてもらうさ。面倒でも、やることはやらなきゃな」
カディンは無理やり笑ってみせると、そこで話を打ち切った。
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