桜葉 零 新しい移住者
今年もきっと…犠牲者が出てしまう。どうにか止めないと…。
御魂川へ繋がる階段の上で膝を抱えていた。川のせせらぎに混ざり、男の子の声が聞こえる。聞き覚えのない声だった。
「こんにちは。初めまして。」
新しく鞍美台に住むことになったこと、名前を小谷 進ということを言い残して去って行った。
小谷 進…何度も何度も頭の中で繰り返した。
その名前を忘れないように。
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