メアの服を買うならばっ! in再来のラブリィ☆エンジェル
メアを奴隷にして、ティアが泣いた日から数日が経った。相変わらずメアはなついてくれてはいないが、それでも目を合わせて会話することは出来るようになった。
それからギルドに行くと俺がドラゴンを撃退をしたことになっていて、詳しく聞くとシエルが来て俺がなんとかしたって報告してたらしい。さらにシエルはこの街から出ていったらしく、しばらく会うことはなさそうだ。ありがとうの一言くらいは言っておきたかったのだが。
ところで今日はドラゴンの件でまとまった金が手に入ったので、メアとティアの服を新しく買いにいくことになった。
カランカラン
「こんにちはー。」
「ここが人間が来たかった場所かー!」
「ん…こんにちは。」
前にティアの服を買ったラブリィ☆エンジェルに来た。ここは品揃えはバッチリなのだ。俺の趣味に合う素晴らしい服が揃っている。
「あらぁー!いらっしゃい!お久し振りね!駿河ちゃん!ティアちゃん!」
「ああフリコ。相変わらず気持ちわるいな。」
「んもぅいけずぅ!泣いちゃうわよ!メソメソ…」
「大の男がメソメソとかいってんなよ。」
「な、なんだこのムキムキの物体は…」
「フリコ…このお店の…主人…」
「人間なのか…?魔界にもこんな禍々しさを放つモノはいなかったぞ……」
おい、魔族よりも禍々しいってよフリコ。俺も同意だ。お前は禍々しい。
「あらぁ?この可愛らしい子は…」
「あぁ、新しい奴隷のメアだ。今日はコイツの服を買いに来た。」
「魔族よね?この子?」
「…なんで分かったんだ?」
「ん~…長年の勘かしら?」
なんだこのオカマ…底が知れねえぞ。長年の勘ってなんだ、何で養ってきた勘なんだ。
「まああたしはどんな子もお店を荒らさないなら大歓迎よ!可愛くしちゃうわよぉ!」
「よかった。フリコは魔族が怖くないのか?自慢じゃないがメアは強いぞ!あ、ティアもな?」
「なんで人間が我の強さを誇っているんだ…」
「ん…てれる……」
「大丈夫よ、なんのための筋肉だと思ってるのよ?」
本当、何のための筋肉だよ。お前もうどっかの王国騎士団にでも入れよ。一躍有名人だ。変態のオカマが戦況を一転させるとかもはや映画だぞ。アカデミー賞で主演男優賞もんだ。
「それなら女優賞よぉ!」
「なんで心読んでんだよ!久し振りじゃねえか!それにアカデミー賞とかこの世界にないだろ!」
久し振りに心を読まれたよ!やっぱり心理学を習ってんだろ!幼稚園とかで!
「まあ魔族なんていくらでもなぎはらってきたわ。」
「フリコ……お前はいったい過去に何があったんだ。」
「あらあら、秘密と嘘は女のアクセサリーよ?」
バチンッッ!!
出た!殺人ウィンクっ!!
お前は男だろうが!ふざけんな!
「なぁ…我、空気なのか?」
「ん……ティアも……くうき。」
「あ、悪い。諸悪の根元と戦っていた。」
「なんのためにきたのだー。我はお腹が減ってきたぞー!」
「説明しただろ、服を買いにきたんだよ。ほら、服がティアのおさがりばっかりじゃ嫌だろ?」
「そんなことはないぞー!ティアの服はいいにおいなのだー!」
「ん……恥ずかしい…」
なにそれ俺も嗅いでみたい……じゃなくて、ほんと仲良いなお前ら。変なところで変な需要を持たなくてもいんだぞ。あと恥ずかしがってるティア。グッド!!
「とりあえず服を見繕ってくるけど、なにか注文はある?」
「ティア、メア、行ってこい。そうだな、下着とかも買っておきたいから二人の分を。」
「分かったわ!行きましょ、ティアちゃん。メアちゃん。」
「なんでお前は男なのにそんなフリフリしてるの着てるんだー?」
「ふふふ、これはみんなやってることなのよ。駿河ちゃんも隠れて着てるわよ。」
「へー…やっぱり変だな人間は!」
「おい!メアにへんな知識を植え付けんな!そんなわけないからな!信じるなよそいつの言葉を!」
まったく…フリコは選んでくる服はまともなのになんであんなおかしいやつになってしまったんだ。性格とセンスが反比例してるじゃないか。
「ん?なんだこれ?フリコのもんか?」
足元に小さい写真が落ちている。へー、この世界にも写真があるのか。この世界の科学の進み具合は分からんな。不思議なもんだ異世界は。
「何が写ってんだ?」
ぺらっとめくってみる。見てみると倒れているでっかい魔族を大剣で突き刺している大男の写真だった。
まてよ、この大男見覚えがあるな……この身長と体つき……まさか
バシュッッ!!!
「……え!?」
とんでもない風圧と共に目の前の写真が一瞬で消えた。ゆっくりと後ろに振り向くとフリコが…ひぃっ!?
「見たか?」
「見てない見てない見てない見てない見てない見てない!!!」
「もうー、こんなところに落ちていたのねん!」
何だ今の!……何だ今の!!走馬灯が視界の端にちらついてたぞ!
フリコだよな?フリコなんだよな!?一瞬鬼神が見えたけどフリコのはずだよな!?
「もうおいたしちゃだめよ?ウフッ」
「ハイ。」
そういうとフリコは去っていった。あれ?奥の方になんか床が抉れてるところない?え、あそこから踏み込んで来たの?8メートル位離れてるけど…一瞬でここまで?
「怪物かよ…」
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