閑話 今日がバレンタインデーならばっ!

色々と込み合った都合により、前話とは打って替わってまさかの楽しいお話です。あ、今日は2月14日です。本編にはなんの関係もありませんがね。えぇ。なにも関係ありませんが。




ーーーーーーーーー





「ティア、メア。そしてシエル。今日が何の日か知ってるかな?」


 俺はこの何処かも分からない真っ白な空間で三人に問い掛けた。


「え?ここはどこなのだ?」


「ん…あるじ?」


「えぇ!?さっきまで自分町を歩いてたと思うんすけど!?どこっすかここっ!?」


 うんうん、当たり前の反応をありがとう。でもそんなことは考えたらあかんで?


「作者の都合も考えろッ!!」


「なんで自分が怒られたんすかッッ!?」


「はい、ティアくん。今日は何の日か分かるかな?」


「まさかのスルー!?」


 はい、そんなことはいいから、考えといて?


「ん…あるじの日?」


「誕生日のことか?それはまだ先だな。いやこの世界の暦とか未だに知らないんだけどね。」


 んなこたぁどうでも良いんです。大事なことじゃありません。そもそもこの世界ではバレンタインデーなんてないんだから。


「じゃー次メア。当ててみそ?」


「味噌?んー我はお菓子が食べたいからスイーツの日なのだ!」


「おっと意外と惜しいところをついてきなさる。だけど残念!違うんだなぁ?」


「なんだそのテンション…」


 メア、やっばり度々鋭いからびっくりするのよね。いや良いんだけどさ。


「じゃあ最後!シエルちゃん!」


「ちゃん付けは気持ち悪いからやめてほしいっす。」


「そうか、シエルたん。」


「ぞわっ!!?今鳥肌立ったんすけどッ!?」


 ははは、そんな体を震わせながら言うなって。抱き締めたくなるだろう?


「じゃあ正解はっぴょー!!」


「ん…パチパチパチパチ」


「自分このテンションについていけないっす…」


「我はこんな人間の奴隷なのか…」


 ティアだけだよ、俺に何時でも構ってくれるのは…よしよし、可愛いやつよ。


「今日はバレンタインデーでーす!!」


「なんすかそれ?」


「うんまあ、上に書いたようにこの世界にはないからね。」


「今回メタ発言多くないか?いや我は構わないんだが…」


 あ、メタ発言とはフィクションの内部のキャラクターが、その場では知り得ない発言をすることを指す言葉だよ。主に笑いをとるために使われるよね☆いいんだよ、どうせ別次元なんだから。


「バレンタインデーというのは、女の子が好きな男の子に『チョコ』というものを渡す、リア充よろしく、非リア夜露死苦の素敵な日である。」


「ん…リア充?…非リア?」


「分からないよなー、まあそうだなぁ。画面の前でニヤニヤしながらアニメを見ているそこのあなたが、大体非リアに当てはまるでしょう。」


「今すぐ謝るっす!!なんでか分からないっすけど神への冒涜に等しい行為に思えるっす!!」


 そう騒ぐなってシエル。なにか良いことでもあったのかい?


「じゃあ、チョコ作りましょうね。」


 俺が軽く手を振ると、白い空間に大きなキッチンができる。


「え?なんすかその魔法!?急に台所が!!」


「これはクロエによる空間操作であります。」


「ん…これがご都合主義……」


 なんとしても書きたかったんですよ。いいじゃないですか、バレンタインイベント!!


「ていうか、人間。好きな男の子にチョコを送ると言っていたな?」


「あぁ、そうだ。だから、ほら。カモンカモン。」


「はぁ?我に好きな男はおらんぞ。」


「あ、それ自分もっす。じゃあ帰っても……」


「そうか、じゃあ今からお前たちの好きな男は俺だ。」


「「なんという理不尽っ!?」」


 いいから、はよはよ。尺がないんだって。巻いて巻いて(業界用語で速くしろという意味)


「ん…あるじのために…ちょこ作る……ふんす。」


「ありがとうなーティアー。」


 よしよしとガッツポーズをして気合いを入れているティアの頭を撫でる。この幼女、いっそのこと抱き締めてやろうか。


「なんでティアさんはあんな駿河さんの事が好きなんすかね?」


「多分、我が思うに餌付けしたんだ思う。ほら、あの見本のチョコとやらを食べさせてるのだ。ていうか我にもくれー!」


「見本食べちゃっていいんすか!?」


 そういえばこの空間、実はシエルぐらいしかまともな人?魔族?ていないんだよね。


「シエルもいるか?」


「いや、もういいんで速くチョコを作りましょうっす…」


「諦めが速いシエルのこと、大好きだよ。」


「自分は嫌いっすこんな自分…」


 そんなこと言うなって。お前が自分のことを嫌いでも、それ以上に俺がお前のことを好きでいるからさっ!!


「それ言葉にして言ってくれませんすか?」


「おっとこれは失礼。」


 そろそろ本題に入ろう。本格的に尺が無くなってくる。


「じゃあ講師を呼びますね。三人とも、言うことを聞くように。」


「「「はーい。」」」


 意外と従順な三人。そんな三人が先生は大好きだぞ!うんうん!


「可愛さ求めて三千里!女装ならあたいにおまかせあれ!呼ばれて飛び出て、はいピース!この世界のオカマと言えばこの人っ!『ラブリィ☆エンジェル』のオーナー!ミスタァァァァァァアァ……フゥゥリコォォォォォォ!!!」


「はーい!!呼ばれてピース!フリコちゃんよぉ☆」


 謎の光に包まれて突然フリコが登場した。ここではラブリィ☆エンジェルの制服ではなく、フリフリとしたエプロンを着ている。しかし、エプロンの下になにか着ているようには見えず、まるで『裸エプロン』のようだったが俺は見て見ぬふりをした。


「あ、でも駿河ちゃぁん?ミスターって呼び方はいただけないわん?」


「分かった、悪かったからその顔を近付けないでくれ。」


「あぁんいけずぅ!」


 はい気持ち悪い。


「な。なんすかこの人…見るからにムキムキの男の人じゃないっすか…?」


「ん…フリコ……今日も可愛い……」


「ティアさん!?」


 ティアの目が腐った!!くそう全部フリコのせいだ!!許せん!!


「あ、やべぇ尺がねぇ!!!」


 この閑話……続きます!!

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