第3話俺がスキルを選ぶならばっ!

「で、贈り物ってなんでもいいのか?」


 こたつにいつの間にかあったミカンを食べながら話しかける。あ、美味しい。


「そうそう、なんでもいいよ。漠然として分かりにくいならそれようの目次的な?あれもあるけど。」


「ふん、みせてくれたまえ」


 すると、目の前にちょうどパソコンのディスプレイのようなものが現れ、数字や文字が書かれている画面が写った。


「はいはい…どーぞ。君のステータスとかもあるから、見といてね。」


「ほー、これが俺のステータスか。」


高梨 駿河 16歳 Lv.1


HP 79

MP 56

攻撃力 58

防御力 38

精神力 46

魔法力 58

俊敏 48


創造神の加護 Lv.10


「おー、弱いか強いか分からんけど、レベル1でこのステータスは高いんじゃないか?二桁ばっかだし。」


 するとクロエが横から入ってきて画面を見つめる。近い、近いって!あ、柑橘系のいいにおいする…違うこれ今食べてるみかんの匂いだわ。


「あー、ほんとだ、レベル1にしては強いと思うよ。なんか運動とかしてたの?」


 もともと運動が得意なだけなんだが、これといって特定のスポーツはやってなかったな。万年帰宅部だ。


「特にはしてねーけど、運動は得意かな。」


「そっかー、じゃあ適当にこのスキルあげちゃーう。」


 そういって画面をクロエが指でつつくと…



高梨 駿河 16歳 Lv.1


HP 79

MP 56

攻撃力 58

防御力 38

精神力 46

魔法力 58

俊敏 48


才能スキル

武術の才


創造神の加護 Lv.10


 おぉ、なんか追加されとる。ちょっとかっこいいな、武術の才って。


「この才能スキルってのはなんだ?」


「これはねー、僕の世界の人間が生まれつきもってる才能をスキルで表してるんだ。ちなみに才能スキルはほとんどもってる人はいないよ。ちょっとの才能じゃなくて、天賦の才ってほどじゃないと、スキルとして反映されないんだ。」


 そんなすごいものなのか。ちょっと嬉しいな。お礼に俺の膝の上にのせてやろう。お、軽いな。


「え、え!?まってまって!恥ずかしいから!」


 抵抗しようとするが、離さない。逃がさない。


「まあまあ、いいだろう、減るもんじゃないし。」


「だめだって!君の世界じゃ捕まる行為だよ!あ、まってそこ弱いから…!んぅ!」


 そんな声出すなよ…本気になるだろ…本気になっちゃうとお前…やべぇぞぉ…




「コホン!ほら!説明し直すから、そこ、正座!」


「はい…」


 あのあと調子にのっていろんなとこさわり続けたら頭を殴られた。普通に痛い…でも、ちょっと気持ち良さそうな感じだったし、次があれば、いけるな…。


「どこまで話したっけか、えっと…そう才能スキルか!君への贈り物とはまた別として、それは特別なプレゼントだからね。あとは好きなのを選んでいいよ。画面に選べる才能スキルと普通のスキルを表示させとくから。」


 そういうと画面にずらーっと文字が羅列された。それぞれのスキルに詳細が詳しくのっている。じっくり見てみるか。


「うんうん、それらの内から5個まで選んでいいよー。」


「5個か、少ないのか多いのかわからんが、これだけあるとちょっと悩むな。」


「ちなみに才能スキルは1つまでね、才能スキルがあればそれだけで生きていけるから。本当だったら一つだけだけど、さっきのは特別だからね。他の才能スキルももう一つ選んでいいよ。」


 ほんとかよ!やったぜ!


「まじか!ありがとうな!やっぱり可愛いクロエは優しいんだな!大好きだぜ!」


 さて、俺に合うスキルを探していくか!!


「だ、大好き…っ!?、ぼ、僕もお兄ちゃんのこと好きだけど、やっぱりそういうのって段階踏まなきゃいけないと、思うし、か、可愛いなんて初めて言われたし…だから…えっと、でもでもやっぱり二人の気持ちが大切だから、付き合うとか、付き合ったらどうなるのかな、やっぱり一緒のベッドにはいって…いやなに考えてるの僕!そんなことになるわけ、でも僕もお兄ちゃんが好きだし、お兄ちゃんも僕のこと大好きっていってるし…あぁ!僕はどうすれば………」






「よし!これでいいかな!」



高梨 駿河 16歳 Lv.1


HP 79

MP 56

攻撃力 58

防御力 38

精神力 46

魔法力 58

俊敏 48


スキル

暗黒魔法Lv1

限界魔法Lv1

魔法強化Lv1

索敵Lv1


才能スキル

武術の才

魔法の才


創造神の加護 Lv10



 こんなとこかな。やっぱり武術ときたら魔法でしょ!


「………それでそれで、おっきい白い家を建てて、子供は三人で……ペットも…………」


「おーい。だいじょーぶか?おーい。」


 よだれをたらしながらなんか呟いてる、怖いぞクロエ


「は!!僕はいまどこにいってたの!?」


「いや知らねーけど、よだれふけ。」


「わかった!」


「ばか!俺の服でふくな!」


 唾液が!こいつの、唾液が!!


「で、どんな感じになったの?」


「まあこんなかんじだ。俺として限界魔法ってのが気になるが。」


 クロエがじっくりと画面を見つめてる。なんか恥ずかしいな……


「ふんふん、いいと思うよ、というかかなりのチートだね。やっぱり才能スキル2個はやばいかも。これだと一瞬で有名になれるんじゃないかな。あと、限界魔法ね、これは君のリミッターを解除したり、向上させたりすることが出来る魔法だね。」


「リミッター?」


「うん、普段人間は脳にリミッターが掛かってて、30%ぐらいしか本気は出せないんだけど、それを100%や、それ以上にすることが出来る魔法だね、飛躍的に強くなるけど、この分デメリットは大きいよ。長く使ったり無理をすると体をこわしちゃうから絶対むりはしないでね。」


 真面目な顔で説明する。やっぱり俺の心配をしてくれてるようだ。優しいなこいつは。最初の表情とは全然違うな。


「そか、ありがとよ。あとこの創造神の加護ってのはなんだ?クロエの加護?」


「そうそう、それはねー、いろんなことに使えるよー。僕の加護はとりあえずレベルが上がりやすくなるのと、スキルを得やすくなることがメインかな。成長チートってやつだね。ステータスの上がり幅も上がるし。ちなみに加護は教会にいって、いろいろな経験を積んだり、お金を寄付したりしないと普通は手に入れられないんだ。特別なことをしないと手に入れられないよ。」


「ほー、それもまたすごいな。Lv10だし。」


「うんうん、それだけでしょーじきチートなんだけどね。」


「そかそか!ありがとうな。他に変えたほうがいいとことかあるか?」


「ううん、君が決めたことだから僕に変えることは、できないよ。いいと思う。…じゃあ、そろそろお別れだね。」


「え、もうか?まだクロエと全然話せてないぞ。俺はもっと、説明だったり雑談だったりしたいんだが……」


 このまま異世界にいったらクロエとは会えるんだろうか?もしも、会えないんだったら、いまのうちにもっと話をしたいな。


「そろそろ時間がないんだ。僕ももっとお兄ちゃんと話をしたか

ったんだけどな、久しぶりにこんなに話をしたよ。楽しかった。またいつか話すことは出来るようになると思うから、それまでバイバイ」


 クロエは、笑顔でいう。笑顔だけど、やっぱり寂しそうだ。俺もそうだよ。


「おう、クロエ、いろいろありがとうな。お礼に……」


 クロエを抱き締める、可愛いぜ。俺もこんな妹がいたら毎日楽しかっただろう。簡単に幼女を抱き締めるのはおかしい?なにをいう、幼女を抱き締めない方がおかしいに決まっている。


「ふぇ!?ちょっと、まってお兄ちゃん!それは不意討ちだよ!ずるいよ!!」


 クロエが言い終わると同時にまたここに来るときと同じように立ちくらみのような感覚に教われる。


「ぐぅ、またな、クロエ」


「うん。ばいばい、お兄ちゃん。」


 目の前が真っ白になり、俺の意識は途絶えた。

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