第7話 ユウとウィーダのステータス



 驚愕の叫び声を上げるウィーダと、感嘆の吐息を漏らすアルンを背後に、ユウはダンジョンのマップへ侵入し、奥へと進んで行く。


 このマップのダンジョン名は、『無限ダンジョン』。

 その名の通り、このダンジョンの特徴は……無限ともいえる広さを誇るという点。


 ダンジョン内へ入る事に、ランダムにトラップやモンスター、宝箱などの配置が換わるので、事前情報があったとしても大して意味をなさない。

 誰もが知る最初の町に存在するダンジョンにも拘らず、未だにクリアされていないのが、内部構造の複雑さを物語っていた。


 元より気を抜くつもりなどないが、油断は当然禁物だろう。

 マップに入る前に、ユウは改めて自分達の戦力を確認していた。


 ユウの現在のレベルをざっと記せばこうだ。

 剣士レベル 130

 錬金士レベル 110

 ライフポイント 3000

 マジックポイント 2400

 特殊スキル エクストラ調合(任意発動)・プレイヤー追跡(任意発動)

 称号 秘境ダンジョン解放者

 装備品 白銀のブレスレット(ステータス異常無効)

 緊急指定アイテム 無色の団子(煙幕)


 このオンラインゲームではプレイヤーは皆、全て錬金剣士であるので、他の職業は存在しない。

 そして、魔法が存在しないので、遠距離攻撃の手段は限られてくるのだが、マジックポイントの存在に目を向けると、まったくないわけではないという点に気づくはずだ。


 ライフ同様に存在するそのマジックポイントは、一般的なゲームの様に魔法を使用する為のものではない。その代わりに、アイテムを調合をする為・特殊スキルを使用する為にある。


 錬金術を使うこの世界では、倒した魔物がドロップする素材を元にして、多彩な効果をもたらすアイテムを製作出来る。

 それらは千差万別で、同じ素材を使って錬金術を使用しても、プレイヤーごとに違うアイテムになる事がほとんどだ。


 なぜそんな事が可能かと説明すると話が長くなるので短縮するが、

 このオンラインゲームを始める前にプレイヤーに行った50の質問の回答に応じて、解析した思考パターンを元データとなって錬金術の結果に作用しているらしい。


 ユウが装備している白金のブレスレットも、自らで調合したものだ。

 

 ついでに、ウィーダのデータも頭に思い起こしておく。

 ギルドリーダーであるだけあって、剣士レベルはこのメンバーの中で一番高い。

 

 剣士レベル 150

 錬金士レベル 105

 ライフポイント 3400

 マジックポイント 2200

 特殊スキル エクストラ調合(任意発動)・トラップ探知(自動発動)・急所の心得(自動発動)・緊急回避(自動発動)

 称号 四皇王座・色魔

 装備品 色欲の薔薇ブローチ(状態異常:魅了 メスのモンスターを支配)

 緊急指定アイテム オメガもんじゃ


 称号は四皇王座以外は実践では役に立たないので、無視する。

 四皇王座は、一年程前に隠されたマップに入り込んで、四つある各フロアのボス四体を短時間で倒した時に得たもので、属性のついた攻撃ダメージを無効化するというものだ。

 装備品は言わずもがな。


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