中央
三宅坂の陸軍中央は大混乱に陥っていた。
各方面から次々と入って来る情報はどれも異口同音に地物の消失、変質を語っている。
偵察機による写真でも、全く未知の地帯が捉えられていた。
地形変形は台湾などからも観測できるという。
同じく満州方面でも、内蒙古に変化はないが、外蒙古は消失、同じく日満国境地帯上でも、ソ連側がトーチカ陣地ごとなくなっているという報告が多数上がってきている。
一方で樺太は、北側ソ連領共どもそのままであるようだ。
陸軍中央としては、まだ次なる手を打つことはできず、現地軍に対しては警戒を厳にしつつ情報収集を呼びかけるばかりだった。
そのころ、軍令部も大混乱に陥っていた。
支那戦線に展開中の各部隊からの情報は、やはり地形の変異を物語っていた。
また、洋上航行中だった艦艇からは、突如物凄い光とともに視力が奪われ、回復すると全く知らない海域にいたという旨の連絡が多数寄せられている。
このため軍令部ではこれら出動中の艦艇の収容に頭を悩ませていた。
さらに、軍令部でも確認済みのことだが、天文が全く未知のものになってしまっていることも、大きな問題であった。
これでは艦艇も航空機も容易には海上行動を行えず、機能不全に陥ることは明白だった。
陸海軍ともに混乱状態であり、ともかくは翌10時の臨時閣議にすべてが託されることとなった。
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