case.2 可愛い系

「ねえ、あれかわいくない?」

 口癖のように君はその言葉を発する。ぬいぐるみだったり、ふわふわのアクセサリーだったり――その度に目を輝かせ、緩くウェーブのかかった髪をなびかせる。

 今日は道端の猫だった。

「君はどこから来たのかニャー? ニャーニャー?」

 猫と会話をする君の横に立つ。君は楽しそうに抱きかかえた猫と頬ずりを交わしている。

「かわいいな」

「ねえ、この子かわいいよねえ」

「いや、そっちじゃなくて……」

 君は猫を顔の前に持ってきて猫の小さな手をフリフリしながら、

「あ、ありがとニャ」

 と、口にする。その姿に、君の口癖を僕が笑顔で口にする。

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