貴方へ
大好きな彼との、交換日記。
ノートを開くと漂う、お香の香り。
一面に敷き詰められた、お手本のような美しい文字。
そっと差し込まれた、押し花の栞。
机に向かう彼の後ろ姿を思い浮かべて、胸をときめかす。
ああ、文字にするのは恥ずかしい。
何度も書き直して、ページはいつもぐちゃぐちゃになってしまう。
――こんなことを書いたら、笑われてしまうかな。
恥ずかしい、恥ずかしい。
でも、知ってほしい。
一緒に暮らしていても、伝えきれないことはたくさんあるから。
貴方のことを、もっと知りたい。
教えて下さい、貴方を。
どんな貴方も、素敵だから。
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