チョコレート
ベッドの上に腹這いになり、缶入りのチョコレートを頬張っている。
白いシーツの上に流れる金色の髪。
項から背中にかけての緩やかな曲線。
膨らみのない胸と喉仏だけが、彼の性を主張していた。
「なあに見てるの?」
指先を舐めながら、青年は訊いた。
紅い舌をちろりと覗かせるその仕草は、実に蠱惑的だった。
青年の肉体にむしゃぶりつきたい衝動が、腹の底からどくりどくりと迫り上がってくる。
私を嘲笑うが如く、青年は徐に髪を掻き上げた。
「もう、勘弁……してください」
青年は最後の一粒のチョコレートを口に含むと、私の頬に手を添え、唇と唇を密着させた。
チョコレートの執拗な甘さが口腔を満たす。
青年の瞳は色欲に溺れていた。
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