第6話安らかな眠り

セティが居なくなって、2日程経った頃、二匹のネズミがジョニーの檻の側に表れました。二匹の内の小さい方のネズミはセティでした。二匹が仲良く遊んでいる姿を見たジョニーは、少し寂しい気持ちもありましたが、これで自分が居なくなってもセティは大丈夫だと思い、そのまま眠りにつこうとしていました。するとセティと遊んでいた大きなネズミがジョニーの尻尾に噛みつきました。ジョニーの尻尾には既に感覚は、ありませんでした

。大きなネズミがもう一度ジョニーの尻尾に噛みついた時、セティが大きなネズミの足に噛みつきました。大きなネズミは最初は逃げ回っていましたが、セティがいつまでも、やめようとしないので、大きなネズミはセティに反撃しました。もともと傷ついていたセティは、大きなネズミの前に、ひとたまりも、ありませんでした。大きなネズミが尚もセティを傷つけようとした、その時、大きな音が辺りに響き渡りました。ジョニーは前足の力だけで檻の鉄格子に体当たりしました。大きなネズミは一瞬動きを止めましたが、ジョニーが檻の中に居るので、何事も無かったかの様にセティを容赦なく傷つけました。ジョニーは何度も何度も何度も檻に体当たりし続けました。一瞬音が止んだ時、大きなネズミがジョニーの檻を見ると、既にジョニーの顔面は血だらけでしたが、ジョニーの眼光のあまりの恐ろしさに、大きなネズミは慌てて逃げて行きました。セティの全身は傷だらけでした。セティは身体を引きずる様にやっとの思いで檻にたどり着くと、ジョニーの顎の下に入りました。ジョニーとセティは、その晩、身体は傷だらけでしたが、とても安らかな気持ちで眠りました。

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