第5話 顔面ばくだん
パトカーの車内で優しく話してくれ、僕の身の上を真剣に聞いてくれたイケメンポリス。
今ここで、皆さんに伝えたい!
みんなが思っている以上にポリスマンのお仕事は大変であって、拘束時間も長く市民からはボロカスに言い返される。
あの人達がいないと安全な社会なんてないに等しいと思っていい位だ。
僕が言っても説得力ないだろうけど(笑)
20分くらいかな~楽しいドライブは終わってしまった。
派出所に到着し、ヒデキちゃんとイケメンポリスのラブラブトーク......いや、事情聴取が始まった。
どの店で何を万引きしたか、など二時間
程の調書を取り、捕まったのは初めてということもあって、身元引受人が迎えに来ることで帰されることにはなったのだが....
ヒデキ《いや――――――
帰りたくない―――!》
身元引受人である母にはTELしたくないし、でも帰すしかないから泊まりもなし。
ヒデキちゃん、ピ―――ンチ!!
堂々巡りな状況が続いて、ポリスも困った様子だった。
帰りたくないヒデキちゃんと...
帰らせたいポリスマン。
根負けしてしまった僕は、
またしても、よしこちゃんの連絡先を教えた。
間違いなく、よしこちゃんならお迎えにくるはずた!
ヒデキ《ほらね!やっぱり来た!》
よしこちゃんは到着するなり、
よしこスペシャル往復ビンタ。
これも想定内。
イケメンポリス、止めに入る。
ヤミ金のパターンとほぼ同じ。
さすがポリス、その場の鎮圧はお手のもの。
よしこちゃんが身元引受人にサインをし、ようやく派出所を後にした。
出た瞬間、歯を食い縛り、お腹に力を入れた。
よしこ「ひーちゃん、
お腹すいてないね?」
ヒデキ「え?う...うん」
よしこ「ご飯食べに行こうか?」
と想定外の言葉に度肝を抜かされた。
ファミレスへ二人で行き、よしこちゃんはヤクザに僕が捕まって、もうこの世には居ないのかさえ思っていたらしく、凄く心配してくれてたことを知った。
【僕にお金がなくて、スーパーで万引きまでしないと生きていけなかった】
そこまで追い込んでしまった自分に、自責の念を感じてたらしい。
なんといっても、よしこちゃんは優しいところがある。
僕は涙が出た。
本気の涙を流したのは
この時が最初で最後だったかな~。
なんといっても、僕は斉藤ヒデキちゃんだぞ!
顔もブスだが性格は超が付くほどブスなのだから...(笑)
余談ではあるが、要注意人物とおふれが出た時の僕の呼び名が「顔面爆弾」と勝手にネーミングされてたことは、ポリスメンの事情聴取の時に話していたのを小耳に挟んで、ショックだったことを思い出した。
「顔面爆弾」であったことが納得いかないヒデキちゃんだった(悲)
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