第2話 新選よしこ組
よしこちゃんの怒りもだいぶん収まった頃、
夜が明けて、うっすらと明るくなっていた。
よしこ「あんたの家の周り、ヤクザみたいな奴がウロウロしてたけど、いったい今いくら借金してるの?」
ヒデキ「うち、わからないと。数えたことないんだもん」
この頃から僕は自分のことを《うち》と呼んでいた。
よしこちゃんも落ち着きを取り戻したみたいで、僕の話を聞いてくれる態勢が出来たようだ。
よしこ「わからない?ならエンドレスに払っていくつもり?」
と聞いてきたが、返済してはまた借り入れての繰り返しをしているわけで。
エンドレスも何も返済していないのが現状であって........
さすがにその事は言えない。
いや、敢えて言わずにおこう。
よしこ「まずは私からの借金を返すことから始めよう。私が力になるから」
と言ってくれた。
連日入っている仕事を主体に空いた時間で日雇いのバイトを入れる。
ヒデキ借金返済計画表を手書きで作成してくれた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
朝 7:00 ~ 11:00 コンビニ
昼 12:00 ~ 20:00 本業の倉庫仕分
夜 21:00 ~ 3:00 土木作業
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
朝早くから翌日の朝まで働けということだ。
よしこちゃんと話してみて、僕もこのままじゃいけない気がしてきて。
ようやく気持ちを切り替えることにした。
《よし!!!やるぞ!》
ヒデキ「あ!!そうだ、
ホモの館はいつ行くの?」
よしこ「おまえ!1回死ね!!」
とまたまた怒りモードを引き戻してしまった。
アハハ((笑))
借金返済に向けて、僕とよしこちゃんのタックルが組まれた。
よしこちゃんは次の日から知り合いなどに
頼んで、計画通りに仕事が決まった。
連絡がすぐ取れるようにと、PHSも借りて持たせてくれ、お金のない僕にお小遣いまで渡してくれて。
自宅には帰れないので、仕事の合間はよしこちゃんちへ行き、食事などをご馳走してもらい、また仕事へ行くといった毎日の生活。
ちなみに、よしこちゃんちは実家ではなく、彼氏さんの【たんちゃん】
たんちゃんの弟【ゆうてぃ~】
そして弟の彼女【みゆちゃん】
このメンバー4人で一軒家を借りて暮らしていた。
よしこちゃんの彼は福山雅治似の目玉が飛び出す程のイケメンで、弟のゆうてぃ~も
こりゃまた、美男子。
兄弟共に僕の大好物である。
よしこちゃんの家に行く度に会える僕の至福の時。
こんなブサイクな僕に対しても、とても優しく仲良くしてくれてた。
そんな僕が、下心をいつも持っていることには気づいてない。
ヤミ金男から拉致された日、たんちゃんは留守でいなくて、
ゆうてぃ~とみゆちゃんは危険を察知し、二階の部屋へ速やかに避難していた。
この家のボスはよしこちゃんなので、誰も問題視しないのである。
このメンバーはそれほど登場しないので、また、ひょっこり出てきた時の為の紹介ということで悪しからず。
僕を支えてくれるよしこちゃんに1日も早く借金を返して恩返しをしよう。
こんなに心強い友人はいないと、僕はがむしゃらに働いた。
週に一度は《お疲れ様でした会》を開いてくれて、お酒を飲みながら今後を改めていこうと前向きな気持ちへと、僕の心は変化して行った。
少しずつお金も返済できるようになり、余裕が出てきた寒い冬の日だった。
倉庫作業の毎月もらえる数十万円のお金を手にした瞬間。
僕にまたしても、エロの悪魔が降りてきた。
僕の癒しの館へどうしても行きたくてたまらなくなり、頑張った御褒美に少しぐらいならと久しぶりに顔を出すことにした
!!!!(笑)!!!!
僕の心はスーパーボールのように弾み、押さえてた感情は誰にも止められない!!
空前絶後の斉藤ヒデキ《ボフッ》復活!
男達と散々楽しんで、火照った身体も冷めないうちに、その足で
ミカエルコース いざ、出陣!
《翼に会いた~い!》
《大丈夫、金ならあるぞ!》
ミカエル店員「あらま!珍しい、ヒデキちゃんじゃないの!元気だった?」
とガッチリタイプを勧めてくる店員だ!
そんな店員でさえ、懐かしく気持ちが穏やかになる。
ヒデキ「今日はお金もっきてるから、翼指名でお願いしたいんだけど」...と尋ねてみた。
店員「翼ちゃんね~実は辞めちゃったのよね。あの子、色々と問題多かったから」
何やら意味深な物言いに僕は心配になった。
店員「そうそう、翼よりもすんごく可愛い新人の男の子入ってきたのよ~。残念ながらガッチリタイプではないけど...どう?」
出た――――!ガッチリタイプ。
裏切らない、いつものセリフ。
よし!いないなら誰でもいいや。
ヒデキ「せっかくだから、
新人の男の子で!」
結局、この店に6時間...
甘~いひとときを過ごした...
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