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プルルルル…
プルルルル…
プルルルル…
「はい、こちらレンタルショップのタツタでございます。
…はい、はい。
ああ、先ほどのお客様ですね。
いえ、お力になれず大変申し訳ございませんでした。
はい、はい。
ええ、先ほども申し上げましたが、
確かに私はレジにずっと立っておりましたが、
怪しい方などはお見えになられなくて…
ええ、ええ。
あ、いえいえ。
そもそもですね、お客様自体がその時間、お見えになられてないんですよ。
ええ、ええ、そうなんです。
あ、ごめんなさい。そのように早口でまくしたてられるとですね、
聞き取りづらく…ええ、ええ、いやあの、お気持ちは充分わかるのですが…
ええ、そうなんです。
まことに、申し訳ございません。
ええ、ええ、分かりました。
何かありましたら、教えていただいた番号の方におかけしますので…
ええ、はい。よろしくお願いいたします。
それでは、失礼いたします。
(チッ…しつけーな。なんなんだよこの客)
あ、ああ、い、いいえ、何も。
ええ、ええ。
それでは、失礼いたします。」
ツー、ツー
プルルル…
プルルル…
「あ、もしー。どしたん?珍しく携帯の方に掛けてきて。
…え?これからカラオケ?
いーねー。行く行く。いや、マジだって。
ソッコーバイト終わらせてくから。うん。マジマジ。
てかお前ん家テレビの音うるさくね?難聴かよ。
ん?
何ニュースなんか見てんだよ。
え、この店の近くで、
どっかの自宅で、子どもが殺されてたって?
しかも、全身をバラバラにされて?
あ、今俺さ。
ドラマとかで、本人にはすべて電話の会話内容が聞こえてるにも関わらず、
じっさい視聴者にはそれが聞こえないから、
わざわざ繰り返す登場人物っぽくなっちまった。
超ウケるんだけど。
いやいや、てかそんなことはどうでもよくて。
え、なになに、それマジ?
てか、どっかってどこだよ。
うそ、マジかよ。
てかそれ、俺の姉ちゃん働いてる会社と、わりと超近いじゃん。
え?いやいや、名前は知ってるっしょ。
……お、本当だ。スマホのニュースアプリでもやってるわ。
うわー、マジこえーわ。超物騒じゃん。
てか、その現場付近にいる俺をカラオケに誘うってどうよ。
いや、行くけどさ。
…おう、おう。
分かった、じゃああとでな。
はーい、はいはーい」
ツー、ツー
ツー、ツー
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