第77話 採血

 祖母に血を抜かれていた。

 寒々しい部屋、外は雨が降っている。

 私の左腕には太い針が刺されてビニールパックに血が吸い込まれていく。

 痛みは無いが、気持ちの悪い感覚。

 祖母は黙って、私の横に座っている。


 パックに血がたまると、針を外して箱に血が詰まったパックをしまう。


 封をするときに少しこぼした血が床に垂れた。

 青い床に赤い血が付いたことを私は気にしていた。

 ベッドから起き上がり、歩くと少しフラフラする。


 部屋に独り残った私は、窓の外を眺める。

 雨が降っている。

 向こうで誰かが手を振っている。


 早くココから出たい…。

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