第54話 皮
ホテルでバイトをしている。
部屋掃除をしていると足に違和感を覚えた。
右足のくるぶしの辺りが赤く縦に裂けている。
(またか…)
私は、掃除を止めて風呂場で裂け目をカリカリと爪で引っ掻く。
軽い痛みと一緒に、ペリペリ…と皮が剥けていく。
くるぶしから、かかとへ…カリカリと薄皮がめくれあがり、柔らかい肉が内側に見える。
かかとまで剥いて、面倒くさくなったのでヒリヒリとしてはいるが、一気に靴下を脱ぐように指先まで引き剥がす。
少し痛みが走り、右手にカサカサとした靴下のような皮を持っている私。
右足の足首から下は、新しい皮膚から少し血が滲んでいた。
ヒリヒリとした足を引きずって、風呂場を出て、私はゴミ箱にカサカサになった自分の足の皮を捨てた。
使用済みのコンドームやティッシュと一緒に…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます