第12夜 ショッピングセンター

 広いショッピングセンターにいた。

 とても広く、人も大勢いる。

 車で来たのか?歩いてきたのか?それすら解らない。

 駐車場に出ると、周りには何もない、どこから来るのか、どこへ帰るのか、車だけは出入りしている真夜中のショッピングセンター。

 長いエスカレーターの先にゲームセンターがある。

 古いゲームが並び、まばらに人が無言でゲームに興じている。

 奥に扉がある、中へ入ると檻にライオンが繋がれている。

 メダルゲームやスロット、カジノのような赤い部屋。

 部屋の脇に暗い通路がある、通路奥の階段を降りると駅に繋がっている。

 下へ降りて切符を買った。

 電車に乗り遅れそうになり、私は動き出した電車に手を伸ばし引っ張られる様に電車に乗り込んだ。

 シートに空きは無く、奥で壁にもたれ掛っていると、海が見えてきた。

 電車はどんどん田舎町へ走って行くようで、私は崖の淵にあるような寂れた駅で降りた。

 駅から歩いて坂道の途中の個人商店でチョコを買った。

 どういう経緯か解らないが、店番を頼まれ、そのまま客の相手をすることになる。

(こんなことをしている場合じゃないのに…)

 どうにか店から逃げ出したいのだが、監視されているようで逃げ出せない。

 私は遂に、店から走り逃げ出した。

 見知らぬ街を彷徨うように走りまわり、丘の上から街を眺めると、先ほどのショッピングセンターが見える。

(あそこに戻らなければ)

 そう思い、丘を下り、ショッピングセンターを目指すのだが辿りつけない。

 幾度も、幾度も、丘に戻って位置を確認するのだが辿りつかない。

(そういえば、あのショッピングセンターは…)

 そんなことを思った瞬間、目が覚めた。

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