3*テコ入れですか……。
第128話
「概ね予定通りだな……」
「これで日本政府も少しはおとなしくなるだろう」
「だが、この隙を突いてアメリカ勢がくだらん画策を企ているが……」
「好きにさせておけばいい……それより、彼女のポーターは評議院預かりになるのではなかったのか……」
「諸君……各国がどう足掻こうが情勢など変わらんよ……ポーターの件はエレノアから報告を受け、私が了承した……色々戯言を重ね、私を出し抜いたつもりだろうが……全く困った娘だ……」
ドワイトが、各評議院の言葉を総括し、エレノアの「子供染みた」りおんに対する恩情をぞんざいに扱い、棄て言った。
エレノアに対し、失笑が漂う空間……。
「彼らは何もわかっていないのだよ……ダークエネルギーとは何であるのか……その本質を……」
「偽りの主導権争いに興じ、真実を見ようともしない……なんとも嘆かわしいではないか、諸君」
永久暖炉から生まれる炎が、ドワイトの言葉に共鳴し、妖しく揺れる。
「彼らも程なく気づくだろう……我々の想いと覚悟を……」
「我が娘のエレノアとリンスロットには、ロナール家の完全復権と、評議院に逆らう輩の排除に役立ってもらおうではないか……」
評議院達が、ドワイトの思惑に深く頷く……。
「その為に、君の世迷い言につき合っているのだよ……」
ドワイトは更に声を低くして、背後の湿った暗闇に佇む人物に視線を流す。
愚かしい人間を弄ぶかの様に、薄い笑みを浮かべるその人物の瞳は虹色に発光し、柔らかい躰の輪郭を一瞬、男達の空間に垣間見せた……。
「ステッキさん、上の文章のおじさん達は何言ってんの……?」
「何をってりおん、これからの物語の伏線ではないか」
「んーっ、話が段々シリアス路線に振れてないかなぁ……」
「心配するな……著者も色々と考えがあるのだろう」
「なぁーんかぁ、散々盛り上げておいて、闇展開に突入……行き詰まって突如、わたしはここにいていいんだ……みたいな結末にならないよねぇ……」
「りおーーんっ、何の事だかさっぱりわからんが、感じ方は人それぞれだぞ……我々は待つしかない、本当の結末を……ってかこの会話、本編とは全く関係がないぞ……」
「いやぁ、ちょっと重たい話が続いたから箸休めだよ……」
「りおん、上の会話から想像するに、もう少し重たい話が続くのではないか……」
「ええっ……わたしもしばらく魔法少女になれないし、出番減らされるのかなぁ」
「いやいや一応主人公だから、りおんは……」
「わたし、このまま消えたりしないよね……よしっ、消える前に一発ネタでもかましときますか……」
「…………」
「オーダーぁーッ、わたしは監理局と魔法評議院を支配するッ……その魂……わたしに預けろッ……」
「りおん……そろそろ本編に戻ろうか」
「そうだね……」
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