第2話
「なんか、回りくどい言い訳してるけど、結局わたしの裸を見たんでしょう……んもぅ、結構気にしてるのに……ま、まだ可能性はあるんだから……」
バスタオルで胸元を隠し、頬を膨らませるりおん。
「着替えるから、あっち向いてて……」
見られたものはしょうがない……そんな声で言い、クローゼットの扉を開け、下着、部屋着と「衣」を纏い、りおんは再びマットレスに腰掛けて、ベッドサイドテーブルに置かれた眼鏡をかけた……。
「それで……なんと呼べばいいかなぁ……」
「ふっ、だから言っているだろう……オレの名は」
「いや、もうネタはいいから……」
「ちゃんと最後まで言わせて下さいっ……」
「っていうか、似てるよね……」
「む、似てる?」
「聖杯戦争に出てくる
「りおーん、私はそんないかがわしい人物ではないのだよ……私は私……他の誰でもないのだ……」
ジト目で伺うりおんに、彼は冷汗を流しながら否定し、己の独自性を保つ……。
「いやぁそれにしても、Apocryphaの第二十二話の作画は良かったねぇ……前話までちょっと作画崩壊気味だったのが嘘の様に気合い入って雰囲気も違ってたよね……一体どうしちゃったの言峰さん」
「わ、私にそんな事言われてもわからないな……それに私は、その言峰なんとかさんでもないのだが」
「へぇーっ……まぁいいや……じゃあ面倒だからわたしが決めてあげる…………ステッキさんでいいよね……」
「適当過ぎるわっ!」
「もうそれでいいじゃん……話を前に進めようよ」
「わ、私にもちゃんとした名前があるのだが……まぁ、今はステッキさんという事にしておこう。で、魔法少女になる決心はついたかな……」
「はぁ?いきなり現れて、幼気な女の子の裸見て、魔法少女になって……なんて、すぐに決められる訳ないじゃない……」
「いや、それは……」
「だいたい、こんな非現実的な現象をすんなり受け入れているわたしに感謝して欲しいくらいなんだから……他の女の子だったら、警察沙汰かステッキさんがブッ飛ばされて、今頃銀河の彼方に消えてるよっ……」
「心配ない……最悪の場合は、闇魔法を発動して娘を精神崩壊へと誘発……あっははっ……はぁ、大きい……彗星かなぁ……と言わせてみせるのさ……」
「意味深な低音で何言ってんの……そんなエゥーゴに関わりたくないよ……わたしはアーガマよりロンドベルのラーカイラム派だから……」
「そ、そうか……公私混同のラーディシュという手もあるのだか……まぁ、闇魔法を含め冗談だよ冗談……ちょっと言って見たかっただけさ……」
「でも、ホントに最悪の事態になったら?」
「…………」
「いや、そこは何かで取り繕うよ!」
「いやはや、食いつきがいいねぇ……大丈夫だりおん、怖い事はしないさ……私は紳士だからね」
「変態紳士でしょっ……」
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