二年の夏~007

 その時、観客席から絶叫が。

 なんだと思って見てみると――

「あいつ等、地元の連中とやり合っているじゃねーかよ。俺が行くまで待ってくれても良かろうものだが」

 既に乱闘して結構な騒ぎになっていた。よっての絶叫だが。観客逃げ捲ってんじゃんか。

「明人が最初に手を出しちゃったみたい。明人が出すんならじゃあ、って感じじゃない?いつも止める側だから」

 黒木さんがしれっと。俺がやったら止めるのに、自分の彼氏だったら良いのかよ。

「え?あいつ等も喧嘩している訳?」

 褐色ギャルの仲間の一人が声に出す。だったら聞いてみよう。

「あいつ等君達の友達なのか?」

「は?なんでアンタにそんな事言わなきゃいけないの?」

 いちいち文句言うなよ面倒くせえな。糞なら女でも容赦しないのが俺なんだぞ?

「じゃあ、一位の子。アレ友達?」

 なんかふふんと得意気な表情になった。

「あいつ等、ウチの学校でも特別厄介な奴等だし。私が声掛ければこっちにも来るし」

 ふーん。じゃあ。

「呼べ。文句ある奴全員呼べ。仲間も呼べ。殲滅してやるから」

 言ったら少し呆けた後、お腹を抱えて大笑いした。面白い事言ったか?面白くない事ならこれから起こるんだけど。

「じゃあ呼んであげるよ。ここじゃなんだからついて来いよ」

 笑った後にニヒルの笑顔で親指を道路に向けた。

「遥香、携帯持ってるか?」

「え?そりゃ……」

「じゃああいつ等の誰かに電話してくれ。こっちも忙しくなったからお前等に構ってやれんと」

「向こうは向こうで揉めている最中でしょ。電話に出る暇なんかないんじゃないかな……」

 そうだけど、遥香から連絡が来たって事が重要でな。

「終わったら折り返すだろ。その時ぶっ倒した全員俺ん所に連れて来て貰おうと思って。この褐色ギャルのお仲間なんだろ?今来る連中もさ」

「追い込みかけるの?此処旅行の目的は喧嘩する事じゃないんだけど」

 そもそもお前が空気読まないで忖度忖度アピるからこうなったんだろ。

 向こうだって楠木さんの暴言吐かなきゃ平和だったんだ。要するに俺は全く悪くない。

「おい、何ゴチャゴチャ話してんの?怖気づいたの?もう逃がさないけどね」

 ギャハハハハハ、と下品な笑い声。いやいや、逃がさねーのは寧ろ有り難いわ。

「鮎川さんは帰った方がいいんじゃない?」

「え?なんかヤバそうな雰囲気がバンバンなのに、一人になれと?いや、本心としては帰りたいけどさ」

 そりゃそうか。近くに置いた方が守りやすいし、着いて来て貰った方がいいか。

 道中、ギャルたちが電話をしまくっていた。なんか巨乳が居るとか、遊べそうな女がいっぱいいるとか。

 俺の世界では女っ気が無かったが、こっちは麻美が居るのでそんな事も当然あったんだろう。ヒロと一緒に返り討ちにしたとか聞いた事もあるし。

 じゃ、まあ、注意事項って事で。

「女子達は俺の後ろに居て」

「なんかいっぱい来そうな感じなんだけど、緒方一人で大丈夫なの?」

 児島さん不安マックスの体で訊ねる。

「でも、着いて来たって事は問題無いって事だろ?」

「そうなんだけどね。なんか嫌な予感がするって言うか……」

 児島さんは危機管理能力が凄い。だが着いて来た。と言うことは今から起こるであろう喧嘩は問題無いと言う事だ。

 だが、嫌な予感とは?

 予感が働いたのなら深追いはしないようにするか。間違って殺さないように。

「あ、大沢君から電話来た」

 遥香が最後尾についてあれこれそうよと。

 終わったら俺の傍に足早にやって来てこそっと。

「場所に着いたら教えてくれって。向こうは程よく痛めつけただけだから、普通に歩けるからって」

 頷く。俺が居たらその程度では済まなかっただろうから、これはこれでラッキーだろ。尤も、その後はどうなるか知らんけど。

 褐色ギャルたちの脚が止まった。なんかの公園っぽい。

「ここは?」

「泊地森林公園。まあ、公園とは名ばかりで。ただの広場だけど、アンタ等を痛めつけるのにはうってつけの場所だからー」

 ギャハハハハハ、と下品な笑い。いや、まあ、いいんだけど。

「待っていれば来るのか?君の仲間達が?」

「待っていれば来るよ。その前にウチらになにかされるとか思わない?」

 別のギャルが凄んできたが、楠木さんが掌底をアッパーで放ってぶっ倒した。

「えええええ!?おいお前!!何するんだよ!大丈夫!?ねえ!?」

 別のギャルが焦り気味に叫びながら後ずさった。ぶっ倒れたギャルに駆け寄りもしないで。

「ウチらになんかされるって言ったじゃん。逆になんで私達が大人しくしていると思ったの?」

 しれっと返した。鮎川さんはちょっとびっくりして目を丸くしたが、他の女子達が普通に頷いた。特に遥香。

「言っておくけど、ミコの親はこの町の市町で……」

 褐色ギャルはミコさんと言うのを知った瞬間だった。あと親の職業も。

 遥香がスマホでピコピコと。

「泊地市の市町は大矢さんって言うらしいよ。大矢ミコさん?」

「!勝手に個人情報喋るんじゃないわよ!!」

「ご、ごめん……」

 つうか合ってんだ。怒ったと言うことは。まあいいや。度が過ぎたら後で白井になんかして貰おう。

「勝手に仲間割れはどうでもいいけど、何人来るの?ミコちゃんの用心棒は?」

「ミコちゃん!?なにその馴れ馴れしいの!?」

 遥香は結構そんなところあるぞ。そうは言っても親しみを込めていない。からかいのみのあだ名だが。

「いいから教えてよ。何人来るの。ナイト様」

「は、はん!聞いて怖気づかないようにね!10人は「あ、じゃあいいや」最後まで言わせろよ!つうかいいって何!?」

「その程度なら増援は必要ないかなって」

「ぞ、増援!?アンタ達隣の県でしょ!?増援要請してホイホイ来れる距離じゃ……」

「あ、来ちゃった。増援」

「こんなに早く!?なんで!?」

 ミコちゃん仰け反って驚いた。オーバーリアクションでなかなか面白い。

 つうか増援って……

「もう来たのかよお前等」

 ヒロ、木村、河内、生駒、トーゴーの5人と、程よく痛めつけられた地元の糞、10人くらい。

 早く着いたのは遥香が場所を教えた事と、あの糞共に道案内させたからか。

「アンタ達何やられてんの!?」

 仰け反った褐色ギャルだった。他のギャルも目を剥いて驚いているし。

「え?じゃあこいつ等が呼んだ10人?ヒロ達にやられた後で俺の分ちょっとしかねーじゃねーかよ」

「お前はやろうとすんなよ。つうかお前って女子とも揉めるの?ホント狂犬だなお前は」

 河内に呆れられたが、糞なら女だろうが何でもいいのが俺だ。

 仕方がないからミコちゃんにお願いしよう。

「ミコちゃん、他の連中呼んでくれ。こいつ等じゃ役に立ちそうにないだろ?この2倍以上呼べ」

「わざわざ揉めようとすんじゃねえよ。つうか女一人鼻血流してんじゃねえか?緒方、あれはお前が?」

 木村の問いに違うと首を横に振って否定。

「楠木さんだよ。掌底を顎にかち当ててダウンを奪ったんだ」

 言ったら楠木さん、得意顔になって若干胸を張った。

「いや、緒方君にやられる前に、って思ってさ」

「そうか。流石美咲。友達に女ぶっ飛ばさせる訳にいかないからな」

 満足そうに頷く生駒だった。

「美咲は普通にムカついたからぶっ飛ばしただけでしょ」

「いやいや、綾子の鍛えた身体でぶっ飛ばすよりは遙かにマシでしょ」

 ハハハハ。と朗らかに笑い合う二人だった。鮎川さんと児島さん、若干引いていた。

「あはは~。まあいいから、ほら、増援もっと頂戴」

「槙原。お前もわざわざ揉め事を広げんな。つうか、原因はなんだ?」

 ヒロの質問に懇切丁寧に答える遥香。そしたら野郎共全員深く溜息を付いた。

「そんなモンの為にわざわざ緒方を壇上にあげたのかよ。お前も災難だったよな、緒方」

 心底同情の念を出して俺の肩を叩く木村だった。

「そんなモン?いや、遥香のは確かに大袈裟だったかもしれないけど、出来レースに加担させられてメロン一個でごめんなさいってどう思う?馬鹿にされていると思ってもしょうがないでしょ?」

 結構な怒り顔でずいっと木村に接近する黒木さん。木村も思わず「お、おう」とか言った。

 まあ、女子の怒りは兎も角だ。

 俺は程よく痛めつけられた糞共に目を向けた。生駒にやられた金髪の髭の姿も見えるので、知り合いには程遠いが、こいつにちょっと骨を折って貰おうか。

「おい髭、仲間もっと呼べ。ミコちゃんってお前の知り合いで呼ばれたんだろ?足りないって解かっただろ?もっと呼べ」

「そうだ。お前等なんか目じゃねえ野郎が居るんだろ?そいつ呼べ。ぶっ倒してやるから」

 トーゴーが何か知らんが横からしゃしゃり出た。

「お前はもう暴れたからいいだろうが。俺なんか晒し者にされたんだぞ、ミコちゃんに此処に引っ張られたのも俺なんだぞ」

「暴れた内に入んねえよあれじゃ。つうか原因はお前の女だろうが」

「原因は確かに槙原さんだけどさ、あの忖度レースにムカついてんのは女子全員なんだけど、その辺は考慮無いの?ただ我慢しろで終わるの?ぶっちゃけ緒方に暴れさせたくないけどさ、市長の娘がいたぶる気満々なのは無かった事になるの?」

 児島さんに言われて身を引きながら「お。おう」とか言った。いや、トーゴーも呼べ。そしてやられろ派なんだけど。

「まあいいや、髭、呼べよ早く。ミコちゃん、もっと増援呼んでよ」

「お前はほんと堪え性がねえな。いちいち騒ぐなうるせえから」

「うん?それってダーリンを巻き込んだ私に言っているのかな?波崎がこうなったら大沢君は同じ事を言うのかな?」

「おい金髪、早く呼べ。そっちの黒ギャル、調子乗った分はきっちり払って貰うからな」

 気持ちいい程の手のひら返しだった。やっぱヒロはこうでなくっちゃ。

「お前等いい加減にしろ。わざわざ揉める事でもねえだろ」

 本心でうんざりして河内がそう言った。

「因みにお前はさっき暴れたのか?」

「あん?当たり前だろ。こいつ等から売って来たんだぞ」

「俺も売られたんだけど。ミコちゃんに」

「女に売られたからなんだってんだ?代わりにこいつ等で我慢しろ」

 既に程よく痛めつけられた野郎共に指を差す。

「馬鹿河内!!何言ってんだ!?」

 ヒロが咎めようとしたが、もう遅い。俺は一番近くにいた糞に右ストレートをぶちかましたのだから。

「……!!?」

 綺麗に弧を描いた鼻血。糞が当たり前だがぶっ倒れた。

「きゃあああああああああああああああああああああああ!!?」

 ミコちゃん及び友達のギャル、絶叫。

「お前何してんだ!?俺達はもう負けてんだろ!?」

 別の糞が慌ててぶっ倒れた野郎を揺り動かしながら文句を言う。

「マジで何してんだ緒方!?」

「は?河内君が言ったんだよ?こいつ等で我慢しろって」

 黒木さんの言葉に真っ青になる河内。

「だから俺が馬鹿と言ったんだ!!お前、隆の性格知ってんだろうが!!」

 ヒロも非難した。つうかまだ一人しかやってないんだけど。

 なので他の糞もぶち砕こうとしたが、察知した生駒に羽交締めにされた。

 そして木村は髭に言う。

「さっき言ったな?お前をぶっ飛ばした野郎よりも堪え性が無くて凶暴な馬鹿が居るってよ。そいつがあいつだ」

 真っ青になった髭から顔を背け、本気で嫌そうに髪を掻き、河内に目を向けた。

「どうすんだ河内?こうなったら納得できる事を言わなきゃ、緒方は止まんねえぞ?」

「だ、だって、あれは冗談だし……」

「え?冗談で河内君はダーリンにこいつ等殴れって言ったの?」

 遥香の言葉に更に青くなった。

「そんな訳だから放せ生駒。まだ9人くらいいるんだから」

「……って、言っているけど、どうする河内?」

「ば、馬鹿!放すな!そ、そうだお前等、仲間呼ぶんだろ!?さっさと呼べ!!」

 なんか知らんが人身御供を増やしてくれるよう促した。ミコちゃん達に。

 ミコちゃん達、慌ててスマホをピコピコ。逆に呆れる楠木さん。

「なんでわざわざ大袈裟にするかな?増援が来たら、緒方君完全に止まんなくなるよ?」

「え?生駒が止めてくれているから……」

「シロに止めさせるっての?河内君が煽ったのに?」

 すんごい非難の目を河内に向けて言う。河内、真っ青から真っ白に顔色が変わりつつあった。

 と言うかさっきミコちゃん達が呼んだのってこいつ等なの?

「なぁミコちゃん、さっき呼んだのってこいつ等?」

「え!?あ、そいつ等も呼んだけど、他の男も……」

「ふうん。何人くらい来るの?」

「え!?わ、私が連絡したの、ライングループのだから……」

 なんかギャルたち全員頷いた。そのライングループ全員来たとして何人?

「おう髭、お前仲間呼んで俺達に仕返し目論んだよな?これで全部なのか?」

「え……あ、いや、そりゃ来ない奴も居るけど……」

 要するに何人来るのか解らんと言う事だな。だったら話が早い。

「全員呼べ。全員ぶち砕くから」

 言ったらギャル達と髭の仲間が目を剥いた。

「お前は本当に短絡的だな……100人来たらどうするつもりだ?」

 ヒロが呆れかえって突っ込んだ。しかし、答えは解っているだろうに。

「全員ぶち砕くに決まってんだろ。だからお前等、女子連れて先に戻ってろ」

 100は無いと思うが20や30はあるかもだし。そうなったら女子は居たら困る。

「馬鹿言うな。お前一人残しておけるか。折角の旅行で楽しくやってこうってのに、殺人者にしてたまるか」

 木村も呆れかえってそう言った。ギャルと髭たちの目がこれ以上ないくらい真ん丸になった。

「な、なあ……アンタ等って隣の県から来たんだろ?」

 髭がおっかなびっくり訪ねて来たので頷いた。

「な、なんでアンタはダチにそんなに危険視されてんだ……?」

「そりゃ、こいつが見境ないからだ。俺達がやったからこの程度で済んでいるが、こいつが本格的に参戦したら、お前等全員病院送りだぜ」

 トーゴーが俺に親指を差しながら言った。羽交締めにしながら生駒がうんうん頷く。

「隣の県と言ったら……お前もしかして暴走族か?」

 とっても無礼な事を言われたので、馬力で振り切って髭の顎に蹴りを放った。

「うごっ!?」

「おい生駒、ちゃんと押さえとけよ。危なくってしょうがねえ」

「そう思うんなら大沢も手伝ってくれてもいいだろ」

 そんな訳で二人がかりで押さえられた。

「あいつにそう言う事を言うんじゃねえ。間違いなく殺されるぞ。緒方はああ言った連中が殺したいくらい嫌いなんだからよ」

 木村の忠告に顎を押さえて何度も頷く髭。別の糞が何となくだが、と口を開いた。

「暴走族の連合の頭をぶっ倒した奴も緒方、とか言わなかったか……?」

「的場の連合だよな……確かそんな事聞いた記憶が……」

 あいつはやっぱスゲーな。隣の県でも名前が売れているなんて。つうか俺の名前が何で出る?

「なんだお前等、的場さん知ってんのか?」

 河内の言葉に全員が固まった。そしてゆっくりと河内に顔を向けた。

「的場さんは有名だからな。こんな所でも名前知っている奴いても不思議じゃねえ」

「……お前、知ってんのか、そいつを……?」

 生唾を飲む髭。その時、呼んだであろう助っ人が到着した。その数10くらい。

「おう美子、誰だ生意気な女ってよ。その男もぶっ潰して欲しいとか?」

「宮田ぁ、一個貸しだぜ。他県の野郎に舐められた借りは返してやっからよぉ」

 見るからに糞がワラワラ向って来る。

「あれ……?お前銀翼の?」

「ああ?誰だテメェ……って、河内!?」

 先頭の一番態度がデカい奴が河内の顔を見て仰け反った。

「良かった!早くやっちゃってよ、あの巨乳!終わったら他の女も好きにしていいし!」

 ミコちゃん、その糞の腕に絡み付くが、糞は真っ青になって数歩後ずさった。

「なんだよ釜屋、どうしたってんだ?つうかその巨乳、俺が貰っていいよな?」

「ば、馬鹿!!やめろ!!死ぬぞ!!」

 もう遅い、生駒も羽交締めを解除したし。

 遥香を狙った糞に一直線にダッシュして、右アッパー。勿論手加減なんかしない。

「か………!?」

 顎に砕けた手応え。間違いなく割った。そして当たり前だが膝を付こうとした。

 それを許さんとボディをアッパー気味に放った。結果、糞は膝を付かずに若干身体が浮いた。

 丁度いいところに顔があったので左フック。割った顎が更に惨事に遭う。

「!野郎!!」

 別の糞が向かて来たので。カウンターを合わせた。結果右ストレートは鼻に直撃。こっちも砕けた手応え。

「やっぱりか!!やっぱりあの野郎か!!」

 なんか狼狽えて涙目になった偉そうな糞。何だっけ、釜屋だっけ?

「おう糞、お前俺を知っているような感じだな?どこかで会ったか?」

「河川敷でお前がぶっ潰した奴だろ。銀翼だっけ?」

 ヒロが呆れてそう言うが、記憶にない。つうかどうでもいいから記憶から消去したが正解か。

「か、釜屋、やっぱりこいつ……」

 髭も涙目になってそいつに訪ねた。

「そいつが的場をぶっ倒した奴だ!!」

 騒然とする糞共。逆に訊ねる。

「お前、的場知ってんのか?」

「だから、河内君が連合の人達を河川敷に集めたでしょ?狭川君と初めて会った所だよ」

 遥香も呆れてそう言った。ああ、何となく思い出したぞ。

「確かこの次顔を見せたら殺すと約束したよな。じゃあ守って貰うぞ。つうか、遥香、いや、女子達の襲おうと考えただけでも死刑もんだろこの場合……」

「まあ、そうだな。じゃあやるかよ」

 言って木村が近くの糞に蹴りをかました。当たり前にぶっ倒れる糞。

「へえ?お前もいい蹴り持ってんじゃねえか」

 負けじとトーゴーもあの前蹴りのような蹴りを放った。これも綺麗に決まって、当たり前に糞はぶっ倒れた。

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