第6話「マリーの過去 前編」

春人はオークの返り血を浴び上の服が血で汚れていた。

「これでクエストは完了だな。ていうかシャワーを今すぐ浴びたい。」

もちろん今シャワーを浴びることができないので春人はアイテムポーチからあるアイテムを取り出した。

それはレポジットクリスタルというアイテムだった。

「えーっと、このアイテムの効果は....」

レポジットクリスタルとは...壊れた防具、汚れてしまった防具を元の状態に戻すことができる。

「なるほど..今の状況にピッタリのアイテムだな....」

ー春人はアイテムを使用したー

すると、春人の服(防具)は元どおりに直っていた。血も綺麗に消えていた。

「防具は綺麗に消えたけど、俺についた血は消えないんだな....まぁ仕方ないか....」

このアイテムは防具の汚れを消せても、自分についた血などは消えない。

「よし少しさっぱりしたし、探索を再開するか」

春人はよく行方不明になるという洞窟・中腹へ向かった。

(中腹からは敵の強さが増し、行動パターンも変わってくる、気を引き締めていこう)


ー今から4日前(最初の町・噴水広場)―

これはアイリスの友達が行方不明になる前の話である(アイリス視点)

「あの..もしかしてアイリスですか?人違いだったらすいません」

私は広場を歩いていたらある少女に声をかけられた。

「は、はい私はアイリスと申しますが、、、⁉あ、あなたは、、マリー!!」

そこにいたのはアイリスの親友‘’マリー‘’だった。


そして、マリーは嬉しさのあまりアイリスに飛びこみ、抱きついた。

「アイリス!!!!!久しぶりです!!」

「マリー、、く、苦しいです」

アイリスはマリーに強く抱きつかれ、苦しそうだった。

「あ、ごめんなさい。嬉しくてついはしゃいでしまいましたわ(笑)」

「全然大丈夫ですよ(笑)ところでマリーはここで何をやっているのですか?確かクエストで別の街にいたはずじゃ、、」

「はい、私は王女殿下の護衛という内容のクエストを受け、‘’ヴィトン‘’という王国に一ヶ月くらい滞在していました。そして、そのクエストを完了させてこの街‘’ベレン‘’に戻ってきたのです!」

「王女殿下の護衛ってすごい大変そうなクエストを受けていたんですね。。ひとまず、お疲れ様です、そしてマリーおかえりなさい」

「ただいまです!アイリス!」

とアイリスとマリーはお互いに笑顔で言った。

「アイリス、もし時間があるならこれからカフェでお話でもしませんか?」

「はい、予定は特にないので行きましょう!カフェに!」

「決まりですね!じゃあ、早速行きましょうか!」

「うん!」

アイリスとマリーはここから歩いて5分くらいで着くカフェに向かった。

ー歩くこと5分ー

カフェに着いた。

「さぁ入りましょう!」

二人はカフェに入り席に座った。

「アイリスは何飲みますか?」

とマリーはアイリスにメニューを渡した。

「えーっと、、、私はマリーと同じものでいいです」

「分かりました!あの!すいません!!注文いいでしょうか」」

マリーは店の人を呼んだ。

「はーい!今行きます!」

人がたくさん来ていて忙しそうだった。

休憩中の方々やギルドに所属している冒険者達が来店していた。

「お待たせしました。何をご注文でしょう?」

「はい、ハーブティーを二つください」

「かしこまりました。ハーブティーができるまで少々お待ちください」

「はい」

「マリー、少し質問してもいいですか?」

「もちろんいいですよ!何でも質問してください!エッヘン!」

「じゃ、じゃあ遠慮なく...マリーは何で冒険者になろうと思ったのですか?」

「はい、私が冒険者になった理由は…」

ー今から6年前 マリー家ではー

これは私が9歳の時に起きた話である。

私はお母様を病気で亡くし、お父様とばあばの三人で広いお屋敷に住んでいました。

「お父様!おかえりなさい!」

「おお、ただいま~マリー!」

「お父様、急なんですが。明日一緒に街へ遊びに行きませんか?」

とお父様に問いかけると悲しそうな表情を浮かべ返答してきた。

「ごめんな、マリー。明日は重要なお仕事があって無理なんだ」

「そうなのですか…それは残念です…」

仕事というのは任務、クエストである。

そしてマリーのお父様は冒険者で上位ギルドに所属している。

「本当にごめんな…」

「じゃあ、そのお仕事が終わったら一緒に出掛けてくれますか?」

「ああ、もちろんだ。約束しよう!」

「当日になってやっぱり行かないは、なしですからね!」

「はいはい(笑)」

マリーと父親はつ、ばあばが作っておいてくれた夜ご飯を食べ、寝る時間になった。

ーお父様の寝室ー

「お父様!さっき言ってた明日の重要なお仕事って何なのですか?」

「それは・・・ちょっと言えないなぁ~」

「ええ~お父様のケチ~」

マリーは顔をむっとさせて言った。

「はい、この話はおしまい。もう自分の部屋へ戻って寝なさい」

「分かりました」

「おやすみ、マリー」

マリーは自分の部屋へ戻り、眠りについた。

(マリーには口が裂けても明日の任務については言えない)

父親はマリーが眠りについた事を確認し、マリーの寝室へ入った。

そして、父親はマリーの額に自分の額をくっつけ涙ながらに呟いた。

「マリー、愛してるよ」

ー翌朝ー

「ばあば、おはようございます」

マリーは眠たそうに眼をこすりながら言った。

「マリー、おはよう。朝ごはんできてるから食べなさい」

「ありがとうございます。ばあば、お父様はもう仕事に行かれたのですか?」

「30分くらい前に出て行ったよ」

「そうですか」

マリーは20分かけて朝食を済ませた。


ーベレン・噴水前ー

「よし、みんな集まったな。今日はサイクロプス6体の討伐で北にある‘'マドックの森‘’、という場所へ向かう」

そこにはアイリスの父親がギルドの仲間と会話していた。

ギルドの人数は3人、ギルドリーダーはマリーの父親の‘’ヴェールだ。

「ヴェール、いくらなんでもサイクロプス6体を倒しに行くの無謀じゃないか?」

「そうですよ、ヴェール。サイクロプス6体に挑むのは危険ですよ」

「確かに、サイクロプス6体に挑むのは無謀で、危険だ」

「じゃあ・・・」

「でも、俺たちがしっかり協力し挑めばサイクロプスを倒せる」

「はぁ、もう何を言っても無理そうだね。分かった、同行しよう」

「ヴェール。これで私が死んだら一生恨み続けますからね。。。

「ありがとう、アロワ、マルタ」

「ほら、さっさと行くぞ~パパッと終わらせて帰るぞ」

「行きましょう、ヴェール!」

「おう」


ヴェール達はマドックの森に向かった。

マドックの森には巨人系のモンスターがたくさん生息しており、上位ギルドに所属している人でもあまり好んで行かない場所だ。それだけ危険なところなのだ。



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