夢とか、夢とか
突然、全てが嫌になって逃げ出してしまった。
3年間続けた仕事を辞め、染めたこともない髪を明るくして、苦手なブラックコーヒーを眠気覚ましに夜な夜な好きでもないオンラインゲームをしている。
夜更かしなんて高校受験以来かな。
仕事を辞めたい気持ちに特に理由はなかった。目標も将来への期待もない私は、ただいつも同じ毎日の繰り返しにうんざりして、この日常に…こんな自分から逃げ出してしまいたかった。いつもは受け流せるはずの上司の嫌味を理由に勢いで辞めてしまった。
これがゆとり教育って言われるんだろうな、なんて、その日の帰り道頭で考えてみたけど、これは私の人生だ。私は好きなように生きる。これから私は自由だ!
と思っていたが、現在のこの生活は私が望んでいたものでは到底無かった。
日々を無駄にして生きていく毎日。ストレスなんてないくせに、やっぱりこの生活にも満足出来ない自分。本当に嫌気がさす。
私のやりたかった事ってなんだろう。
小さい頃の夢、なんだったっけな。
小学校の卒業アルバムに書いた「看護師」という夢はその時のその場しのぎの思いつきで書いた嘘だったな、なんて思い出してしまう。
将来の夢、持ってた頃なんてあったかな。
なにかやりたい事、あったかな。
自分のことなのに全然分からないや。
出前で頼んだピザを食べながら、私は求人サイトを開く。
また望んでない毎日が始まっていく
死にたい病 加古田 @kako__
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。死にたい病の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます