crack

硝子匣ガラスケースに飾られた

お人形さん達 とても綺麗

見つめ合って 微笑んで幸せそう

あたしもこうなりたい、なんて呟く


硝子匣ガラスケースの外からしか

眺めることしか出来ないあたしの

頭の隅に過ぎった貴方に

只々、寂しく思うの


最初の貴方から変わってしまったことに

あたしは空しく立ち尽くすだけ

あの頃が懐かしく思う程

恋しさと寂しさが交差する


入り混じった感情に支配され

罅割れた心に問いかける

自問自答 これで何度目?


引き金をひいた後の後悔も

胸に仕舞いこんだ本音も

嘘で塗りつぶした笑顔も

こうするしかなかったなんて泣きじゃくっては

どんどん亀裂がはいるだけ


小さく音をたてて

それはあたしを蝕んでいく

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