皆既月食
蠍鳥丸
影が喰う
「今夜皆既月食なんだって」
「へえ」
「皆既月食、月が紅くなるでしょ?」
「うん」
「あれ、異界への扉が開いてるんだよ」
「アニメじゃないそれ」
「下弦の月から魔物が現れ」
「ああでも曇りみたいだね」
「嘘でしょ」
「ちゃんと見られる地域がかなり限られてる」
「どこだ。俺は行くぞ」
「めっちゃ田舎とめっちゃ都会の方」
「極端過ぎやしないか」
「道東と東京」
「くくく・・・。釧路は北海道の中でも超田舎・・・」
「北海道自体田舎でしょ。街でも寂しいよ」
「未開の地だもんな」
「まあ冬なんだから別に良いでしょ。私は見れたら見るよ」
「そうか。空気が澄んでるから綺麗に見えるのか」
「雲なかったら良いんだけど・・・」
「俺が雲を晴らしてやる?」
「ムリムリ」
「人工気象制御装置を使って」
「何それ」
「アメリカで使われてるとかなんとか。あの大震災を起こしたやつだよ」
「駄目じゃん!」
「まあ実際にあるかどうかわかんないけど」
「アメリカで使われてるって話は?」
「晴れてても明日が冷えるだけなんだよね」
「じゃあ使わなくて良いじゃん」
「あ」
「ん?」
「満月出てる」
皆既月食 蠍鳥丸 @sasorimaru
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます