第3話 妹とデートに
俺は急いで準備をした。
「デートだァァァ!!やったぞデートだ!!」
昨日と同様、また妹に聞かれていたようだ。あちゃー、なんか言われるわこりゃ...
「ほら、早く行くぞ兄貴。言っとくけど、あくまで荷物持ちだからな?」
「お、おう。わかってるさ」
もっと暴言吐かれるかと思ったが、なんか大丈夫だった。もしかして、もっと頑張ればデレてくれるのでは...?!よし、俺がんばる。
こうして俺たちは街に行き、買い物をした。まだ何も起きていないがこれからだ。がんばるぞ...
そんなとき、俺はあること思いつき、意を決して言ってみた。
「なぁ妹よ!!水着を見に行かないか!!」
そう、俺は妹の水着姿を見たかったのだ
「は?きも」
はい知ってました
「ま、まぁ行ってやってもいいけど...」
な、なにぃぃぃ?!
「え、え、いいのか?!ホントにいいのか?!」
「やっぱやーめた。なんか気持ち悪いし。どうせ、水着姿見たいとか思ってたんでしょ。きんもちわるわ」
ま、まずい...このままだと...
「ち、違う!!妹の水着姿を見たいわけじゃないんだ」
「じゃあなんだよ。言ってみろよ」
「それはだな...」
「あ?」
「そ、そうだ!お兄ちゃんな、女性物の水着を着てみたいと思ってたんだ!」
うーわ。やべぇこと言っちまったよ。
「ふーん。じゃあ行こっか。」
妹はニヤリとした顔を見せた。ま、まてよ?これってもしかして...やばい...!!
そして、俺たちは水着のある店へと移動した。
「うおぉぉ...この店すっごいな...」
この店は異常に広く、水着の種類は約1000個はあるそうだ。さすがに妹も驚いているようだ。
「よし、この中から選ぶぞ兄貴」
「お、おう」
ちなみに、この店には女性物の水着しかない。つまり、逃れることはできないのではある。
「...」
「...」
露出の多い水着がいっぱいあってさすがに二人ともに黙り込んでしまった。そうしていたら、店員がきてしまった。
「なにかお悩みでしょうか?」
「あ、はい。普通の水着がないなと思いまして...」
「そうですねぇ...でもお客さんスタイル抜群じゃないですか!」
「え、あ、私?!」
ん?まてよ?これってー...この調子でいったら逃れられる...!!よし攻撃だ。妹の水着見るぞ!!
「そうなんですよー。うちの妹、スタイルがいいんですよー。俺センスがないんでー、この子に合う水着を探してやってください」
「はい!かしこまりました!」
や、やった!成功だ!俺は水着を着なくていい!妹の水着姿を見られる!なんて最高だ!
「このバカ兄貴!もう帰る」
「え、ちょ、ちょっと待てよ」
とかなんとかしてる間にはやくも店員がきてしまった。え、はやくね?
「お待たせいたしました。こちらでよろしいでしょうか?」
「そ、そうですねー...見ただけじゃわからないので、試着してもいいですか?」
「はい。かしこまりました。試着室はこちらです。」
さらっとながしていたが、この店員がもってきた水着は非常に過激なものだった。もはやあれだ、紐。
妹はなにも抵抗せず。無言で仕方のない顔で試着室へ移動した。
「それではここで試着をしてください。お手伝いいたしましょうか?」
「あ、いいえ。大丈夫です」
「妹よ!楽しみにしているぞ!」
「ちっ...」
え、舌打ち?ま、まぁいっか。俺はスマホの画面を開き、アプリをして暇を潰そうかなと思ったそのとき、試着室のカーテンが開いた。あまりにもはやすぎて驚いたが、水着を見れるのには変わりないからどうでもよかった。見てみると、そこには私服を着ている妹がいた。
「お、おい...水着はどうした...?」
「着るわけねーだろバーカ。あとで覚えとけよ」
「そ、そんな...見たかったのに...」
「ほらやっぱそれが目的じゃん。ふざけんなよ」
「ご、ごめんて」
「もういい!先店出てて」
「え、うんわかった」
妹の機嫌を損ねてしまった...とりあえず店を出て妹を待った。
「ごめんお待たせ。じゃ、次行くぞ」
出てきた時、妹の手には袋がぶら下がっていた。
「あ、なにか買ったのか?持つか?」
「い、いい!大丈夫!このくらい大丈夫だから!」
「お、おうそうか」
なぜか焦っていたが、よくわからない。
そして俺たちはいろんな店に行き、俺は荷物を持ち、やっと帰る時間がきた。
「よーし。いっぱい買ったし帰るぞ。」
「なぁ妹よ...女性ってもんはこんなに買い物をするものなのか...?」
「いやべつに。今日はたまたま多い日で、たまたま兄貴がいただけ」
「あー、そっかー。」
「じゃ、帰ろっか」
こうして俺たちは家に戻った。そして、荷物を妹の家に置いて、俺は自分の部屋に戻った。
「あぁーつかれたー。明日は筋肉痛確定だわこりゃ」
独り言を言っていると、ポケットに違和感を感じた。
「あ、やっべーポケットに妹の荷物の一部があったわー」
そして、妹の部屋にむかった。
ガチャ
「ごめーん。ポケットに入れてたやつ忘れてたから...渡しに...きた...」
「え、あぁぁ?!えぇ?!兄貴?!」
そこには今日水着の店に行ったとき店員にすすめられた水着を着ている妹がいた。
「え、ちょ、おま」
鼻の穴から赤色に染まりし水が出てきていた。
「でぇぇてぇぇけぇぇぇ!!!!」
バァン!!
「や、やっべぇ。まさかあれ買っているとは思わなかった...あ、袋を渡してくれなかったのか...今日は荷物持ちだけで最悪の気分だったが、最後の最後でいい思いをした。ありがとう、妹...」
というのを妹の部屋の前で言っていた。
明日はどんなことがおきるのだろうか。じゃなかったぁぁ...
ガチャァァ
「ホントにすみませんでしたぁぁ!!」
俺は全力で妹に土下座した。
「もういいよ。許してやるよ。ほら、顔あげて」
なんて心の広い妹だ。そうして顔をあげて妹を見るとまた、鼻の穴から赤色に染まりし水が出てきてしまっていた
「お、おい...なんで水着を...?」
「み、見たかったんだろ?ほら、今日荷物持ってくれたから。ご褒美だよ...」
「お、おぉ妹...お兄ちゃん嬉しいよ...」
「そ、そんな見ないでよ...恥ずかしいから...」
「いいじゃないか!ご褒美だろ?」
ピピピピ ピピピピ ピピピピ
「なにか鳴ってるけど何?」
「はい。終わり。出てけ。気持ち悪いから」
「え...」
バァン!
よくわからないまま自分の部屋に戻った。もうなにもわからない。明日が怖くなってきた。俺の妹はよくわからないな。
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