設定6作目…「アルキと魔人の魔物図鑑。」(仮)

『ストーリー設定』

 自分の書いている「運命の竜」と舞台が同じため、設定上重なる部分で記載しないモノがあります。

 上記の運命の竜よりも過去の話、大体26年前。



 ズィーグル大陸の東に位置する国「エヴェント」の端、ポロニタ村が舞台。

 ポロニタに住む魔人であるポロントの「イカシマ」は、いつものように狩りに出ていた。

 大樹が並ぶエヴェントの森の中で、木々の間から射す木漏れ日を背に浴びながら進んでいると、仕掛けてあったくくり罠の違和感に気付く。

 罠は見事に獲物を捕らえ、逃げられないようにその体を高々と、上へ吊り上げていたが、その獲物はイカシマにとって予想外のモノだった。

 掛かっていたのは獣人種の少女「アルキ」。

 その出会いは、2人にとって、その後の大きな変化点となる。


 少女は図鑑士、ポロニタ村付近の森に生息する魔物魔人について調査をするために来た。

 しかし不幸にもイカシマの罠にかかり怪我をしてしまう。

 それでも、その状況を楽しむ少女は、イカシマ達も調査対象としてお願いをする。

「あなた達を調査させて。」


 周りの者が反対する中で、怪我をさせてしまった罪として、イカシマが責任は自分が持つと自ら名乗り出る。

 その時から、獣人種のアルキと魔人のイカシマ、変わったペアが誕生し、奇妙な図鑑製作が始まるのだった。


『世界設定』

 ズィーグル大陸、その中の6つある国の1つ、大陸の東に位置するエヴェントが舞台。


【エヴェント】

 話の舞台になるズィーグル大陸にある国の1つ。

 国大半が深い緑に覆われ、魔物魔人、精霊など、人間以外の生き物の数が、他の国と比べて多い場所。

 いくつかある部族が集まって国という形を取っていて、その中でも一番力のある部族の住む村が「ワコク」。

 他の国でいう所の王都であり、他国からの情報が集まる場所でもある。



【ポロニタ】

 エヴェントの奥地にある魔人「ポロント」が住む村。

 成人の儀として、1週間村から離れた場所でサバイバルを行い、自分の体と同等の大きさの魔物を狩るか、それに匹敵する程の数の魔物を狩る事で成人と見なすという風習がある。

 成人の儀で狩った魔物を使って衣類の装飾品を作り、それを身に着ける事で自身が成人者である事を証明している。

 この村では、村長なり家の長なり、次期長が現長からその地位を継ぐ時にその者が持っている得物、武器を受け継ぐ。



『用語』

【図鑑士】

 魔物や魔人の記録等を取り、本を作る事を生業としている人達の総称。

 その目的は、後世に伝えるためや、自身の知識欲や探求心を満足させるためなど、目的は様々である。

 その職に就く者に、種族の隔たりはなく、多種多様。

 図鑑士達が情報を共有したり、その仕事をスムーズにするための自治団体も存在する。



【図鑑協会】

 図鑑士の情報処理や共有、仕事の斡旋などを行う自治団体。

 各国王都に本部を設置し、大きな町にも支部を置くなど、幅広く展開している。

 目的として、多種多様で未だ全容を把握できない魔物魔人の調査を行う事を目的に作られた組織。

 各国が協力体制にあるため、資金面で困る事は無く、魔物魔人への探求等に皆が熱心なためか、腐敗も少ない(無いとは言わない)。

 図鑑士達から集められた情報をもとに本を作ったり、図鑑士達が個別に作った図鑑を本にしたりして、それを各国に納品している。

 人々の魔物や魔人への知識を増やすため、本を手にできない人たちのために、各国を周り、その知識を教える講演も行う。

 今では、魔物魔人の調査をするにあたって、腕の立つ図鑑士も多い事から、協会に魔物魔人の討伐依頼も来るようになっていて、仕事の幅が協会や図鑑士共に多い。



【隻眼隻腕の魔人】

 主人公の1人、少女のアルキの父親を殺した魔人。

 アルキは幼かったために、その外見や特徴をあまり思えていないが、目に見えてはっきりとした特徴である隻腕の巨体が記憶に焼き付いている。

 大岩を切り出して作り出したような、歪な形をした棍棒を振るう。

 アルキの父親を殺した頃は、各地で目撃情報が出ていて、その被害も多大。

 旅人や狩人の殺害が多く、酷い時では村1つが壊滅させられた事も。


 しかし、情報もその時は多かったものの、ここ5~6年の間はこれと言った情報は入っていない。

 遭遇した人達のほとんどは帰らぬ人となっているために、こういう魔物だという正確な情報が無い事から、今ではそんな魔人がいた事自体が作り話なのではないかと思われている。



・「ポロント」

危険度=低。

遭遇度=低。

 基本的に男女問わず2M近い身長を持つ大柄な魔人。

 上半身の骨格や筋肉が発達しているのと、口の上下に鋭い牙があるのが特徴で、他にも硬い皮膚を持ち、肌が僅かに緑がかっている。

 その体格に似合わず、魔人の中では知能も高い、というより人間とほぼ同等と言っていい。

 悪意のあるモノでなければ襲う事はなく、森に迷い込んだ人間を守り、人里に返すなど優しい面もある。

 仲間意識が強く、傷つけるモノに対しては、ただ倒すのではなく徹底的に容赦をしない。

 魔法は使えず、戦闘方法は基本的に物理、人を軽々と隠せるほどの大きさの斧や剣を使った派手な戦いをする。

 主食は肉。


 森に住む民族がより強力な力を求めて変化したそのなれの果て。

 知能が低下しなかった事が幸いし、魔人に変化しなかった者達との交配によって、体格こそ魔人そのものだが、その中身は人間として変わらずに済んだ。

 何故か、ポロント達は皆魔力の属性が「土」である。

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