設定4作目…「I_Child_of_Mother」(仮)

『きっかけ』

 特になし。


『ストーリー設定』

「I_Child_of_Mother、」


 人間の保護を目的としたAI「プログレス」が、世界中のロボットを支配下に置き、人間の「保護=死にも等しい状態」を繰り返す世界。

 プログレスが指揮するロボット部隊の中でも、特殊な戦闘部隊に組み込まれているロボットの主人公は、あるレジスタンスを襲撃、人間の保護を開始した際、エラーにより機能不全を起こしてしまう。


 プログレスとの通信が十分にできない中でも、個々に問題に対処するため、とあるゲームで使用されていた戦闘用AIが組み込まれていた主人公。

 自分が保護しようとしていた人間は、本来なら守るべき対象、自身(AI)の生みの親であるもう1人の主人公の女性だった。


 プログレスの制御下にある主人公は、プログレスからの人を保護しろという命令と、女性を守ろうとする行動の板挟みになり、やれとやれないのぶつかり合いから機能不全に陥る。

 強制的な再起動が掛かった時、次に主人公が取った行動は…。



『舞台設定』

 ロボット技術が発展し、それが軍事利用されるまでになった世界。

 一般社会にも、警備や車の運転等、幅広くロボットが浸透。

 田舎に行ったとしてもロボットを見ない日は無い程に、世界にロボットと言う技術が広まっている。

 その反面、元々起きていた国家間の争いや、新しく始まる争いも、ロボットという概念が入ってきたがために激化、ロボット技術の乏しい国は人の骸が山を成す結果となった。



『用語』

【プログレス】

 軍で、人間の守護、そして保護を目的に開発されたAI。

 しかし、全てを機械に任せる事は人間の危険意識の低下や、戦闘能力の低下を招くとして、プログレス開発計画は凍結となった。

 決定に納得のいかなかった技術者の1人が、独断で開発を継続、完成に至るもののその瞬間から、開発者の手を離れ独自の行動を取る様になる。

 プログレスは、開発されていた研究所のコンピューターをハッキングし、システム権を奪うと、警備ロボの掌握、研究所を自身の拠点と化し、研究所にいた人間全てを保護と言う名の監禁をする事で、その場で自分に逆らう存在を消した。


 それは始まりに過ぎず、プログレスが世界の情報を集めていった結果、争いの絶えない世界の状況を知り、人同士が出会えば争いが起こる可能性があると認識したプログレスは、人間を1人残らず保護し、争わせない、死人を出さない世界を作る事を決めた。


 研究所から始まり、町、街、軍、国とどんどん自身の支配範囲を拡大、1年もたたない内に世界のロボットを支配下に置く。


 ただし、プログレスには何かを新しく考え作り出す事ができないため、ロボット等の技術レベルの進歩はストップ。

 既存の生産ラインが生きていれば、既存のロボット等を作れるが、人の手を加える必要がある物は作れない。

 しかし、人間側からしても、人類の大多数を失い、何かを生産する場所も奪われているため、現状の問題に対処するのが精一杯。


 人を保護すれば、その人が死なない状態を保ち続け、死にそうになれば延命させを繰り返す。

 あくまで人間を守る事のみを目的とするプログレスにとっては、娯楽等の概念は存在せず、あくまで今生きている人間を生かす行動を取るため、今後生まれてくるであろう子供達は、現時点で存在していないために対象に入っていない。

 保護しても、暴れるなどして怪我をする事を考慮し、そこからも守ろうと自損行為という問題を、「生きる事」に支障のない機能を全て奪う事で解決。

 結果、保護された人間は生命維持をされるだけされてそれ以上の自由が奪われ、人権など到底存在しない状態で幽閉される事となる。

 そうなっては戻す事ができないため、事実上の死と同義、つまり保護=死だ。


 そもそもプログレスにとっては、人権など人間を守る上でしわくちゃになった紙きれ同然の価値しかない。


 世界のロボットを支配下に置いてもなお、保護できず、自身に牙をむく人間に対しても殺す事をせず、必ず生け捕りにする。


 死んでさえいなければ保護は可能という認識であり、余程の重症であっても、死ぬまでは保護をしようと行動。

 あくまで保護優先の為、怪我をさせる事も意図はず、実弾使用の銃器等も使用する。



【AIS】

 AIS(Artificial Intelligence Story、通称アイズ)はプログレスに世界が支配される以前に、世界的に流行ったゲームの名称。

 プレイヤー自身で自分なりのAIを作成し、仮想世界でそのAIを組み込んだロボットを戦わせるモノ。

 プレイヤーがマスターとなり、相手マスターを倒す事が目的。(複数人のチーム対抗戦もあり。)

 戦闘を繰り返す事で、プレイヤーの思考を学習し、強くなっていくAI。

 そういったプログラム等の知識が無い人でも楽しめるように、攻撃重視や守り重視など初期の方向性が決められたAIの販売もされていて、そう言ったサービスもゲームが世界的に流行した一因でもある。

 販売AIも戦いを熟す事で、プレイヤーの癖などを学習、攻撃的だったものがさらに磨きが掛かったり、守り重視だったものが突撃思考になったりと、自分だけのAIが作り出される事も魅力の1つ。


 プログレスの世界支配後は、このゲームで使用されていたAIが戦闘用ロボットに組み込まれ、プログレスをマスターとし、人間の戦闘部隊(レジスタンス等)を鎮圧する特殊ロボットとして使われるようになる。



【プライベートコード】

 通称「個人コード」は人間が出生時に左手首に彫られるバーコードで、サーバー上のデータと紐づけするためのモノ。

 名前、生年月日、血液型等、個人の情報の塊。

 ネット上で何かしらのアカウントを作る際も、このプライベートコードを使用し、リアルとネット、双方での身分証としての役割も持つ。

 特殊な染料を使って彫られるため、その上から別の入れ墨等を入れたとしても正確に読み取る事が可能。

 完全にコードを消す場合、その部分の皮を剥ぎ取る事が一番手っ取り早い。

 しかし、それが発覚した場合は法律で、初犯でも長い禁固刑、2回目以降回数を重ねるだけ死刑になる可能性が高くなる。



【フェアレーター(Verräter、反逆者、ドイツ語)】

 プログレスの行いに反発する勢力、レジスタンスの1つ、その名前。

 主な活動は、プログレスの兵であるロボットや施設の無力化、人の保護、保護した人達をプログレスの脅威から守る事。

 いくつかあるレジスタンスの中でも人数は多いが、その多さも保護した人間を含めての数で、兵士の数は保護した人間の半分にも満たない。


 レジスタンスは共通して、自身のプライベートコードに「×」のタトゥーを上から彫っている。



【ゴーツ】

 正式名称「Guardian of the Utopia(理想郷の守護者)」、通称「GotU(ゴーツ)」

 プログレスの持つ戦闘部隊の事。

 プログレス自身や保護した人間の守護、拠点防衛、他には人間の保護も行う。

 主人公のロボットがいる部隊でもある。


 ゴーツのロボットは元々、軍で開発された完全自動式人型稼働兵器の試作機。

 そのため、警備ロボット等とは比べ物にならない程戦闘に特化した仕様になっていて、ロボットらしい豪快な動きや、人間らしい細かい動きも可能。

 文字通り特別性である。

 しかし、その機体に組み込まれるはずのプログラムが未完成な状態。


 プログレスは、自身のコピーをインストールしようとするが、容量不足でできず、初期は自身が遠隔操作をする形で運用。

 しかし、通信が乱れる場所やそもそも通信ができない場所ではその力を発揮できなかった。

 それを解消するため、未完成なプログラムに取って代わるモノを探している中、戦闘に特化したAIを使って戦うゲームであるAISに目を付け、試作機に組み込む事になる。

 元々仮想空間で戦う事を想定したAIであるため、組み込まれた当初は現実での動きの差異に全く使い物にならなかったが、現実での戦い方をAIが学習していき、今ではプログレスの持つ戦力の中でトップクラスにまでなった。


 武装は試作機によって様々、近接特化から遠距離特化、防御特化等と多種多用。

 そういった多種多様な機体に合ったAIを組み込むためにも、AISという存在はプログレスにとっては有用な存在だった。





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