設定2作目…「魔王(オレ)ん家の隣は勇者ん家」(仮)

『きっかけ』

 特になし。

『ストーリー設定』

 世界の半分を支配した魔王と残り半分を守る勇者、数十年に渡る戦い。

 その決着は…あっけなく終わりを告げる。


 魔王と勇者、その両者が対峙した時、全ての頂点に立つ者の意志が世界を動かした。

 世界を覆い尽くす光、次に来るのはどんな小さな光も許さぬ闇。

 魔王も、勇者も、力が抜けて眠りに落ちるように意識を失っていく。


 意識が覚醒した時、目に入ってくるのはカーテンの隙間から射す朝日、耳に届くのは小鳥のさえずりとトントントンッという何かリズムの良い音。

 それは全て魔王が過去に無くしたモノ、勇者が人の世に取り戻したいモノ。


 意識が覚醒した時、世界の変化に2人は驚愕するのだった。


 その目に映るのは、荒廃した王国ではなく壊れた建造物など一切ない栄えた町、焼き払われた麦畑ではなく元気よく育ち大きな実を付けた作物が多く育てられた畑。

 知らないはずなのに、当たり前の光景、見慣れた場所と思える錯覚が襲う。


 そして、そう思っている魔王と勇者、その2人自身の体にも大きな変化があった。


 体は縮まり、その身に宿っていた力も年相応の質力まで落ちていたのだ。

 2人の歳は「6歳」。


 何の前触れもなく世界は変わった。

 その変わった世界に流されるまま、学校へ行く事になる…。

 そして知る事になる、自身の宿敵である、魔王が、勇者が、お隣さんであるという事実を。


 上の意思により全く知らない世界で生活をする事となった魔王と勇者、元の世界に帰る方法はただ一つ。


「仲良くする事」


であった。


『舞台設定』

 人間、魔族等、人間以外も普通に生活をしている世界。


【アステル】

 魔王と勇者が争った、世界、国、大陸、の総称。

 人間と魔族が生き、魔法などの特殊な力が発展した世界である。


 魔族や人間のさらに上に位置する神が存在し、その者は世界を崩壊させるも創造するも自由自在の万能な存在。

 アステル自体、神が創造した世界とされ、多くの信仰を得ている。


 魔人戦争が長く続いた結果、世界、大陸を魔族と人間で二分する結果を生み、争いが終わる事なく数十年続く事となった。

 魔族と人間の割合は、魔王達が別世界に行った時点で魔族3の人間7、それでも世界の半分を手中に収め続けるだけの力が魔族にはある。



【幻想町】

 ごく普通、平凡な町で、主人公たちが住む町でもある。

 娯楽施設はパチンコ屋がある程度、コンビニ1件、スーパー1件、本屋1件、田舎…とも言えなくもないが、少なくとも都会とはお世辞にも言えない町。

 町長を「神様」が務めている。

 年に一度、街総出で行われる運動会、魔族と人間に分かれて競うそれは街の人間が一丸となって取り組む一大行事。



【幻想校】

 幻想町にある小中高一貫校。

 町の中で一番大きな建物、敷地を有し、行内に町営の図書館が併設されている他、食堂も外部の人間に開放されている。

 男女年齢種族等にとらわれずに全員が仲良く学業に励もうというのがモットーの学校であり、全生徒が関わる行事を年中行うように努めた結果、目的が何かわからなくなっている時があったりなかったり…。

 全学年、全生徒の代表として存在する生徒会では「ヴァルキリー」が中等部生徒会長を務めている。



【科想町】

 幻想町の東側にある隣の町。

 映画館やゲームセンター、カラオケやボーリング場など、室内でできる娯楽施設が多く並ぶ通りが有名な町。

 それ以外にも、多種多様な飲食店が並ぶ地下街通りも有名。



【西劇町】

 幻想町の西側にある隣町。

 公園やら運動場等、体を動かす事のできる場所が多くある町。

 プロスポーツの試合も多くやっていて、体を動かす人間が多く住む場所。



『用語』

【魔人戦争】

 半神半魔の魔王を筆頭に魔族が集結、世界を我が物にしようとした結果勃発した魔族と人間との戦争の事。

 戦争は長きにわたり数十年、正確には48年もの間、人と魔族は戦い続けていた。

 戦争開始から13年が経った時、一度戦況が変わった時がある。

 両者がここで戦いを終わらせようと全戦力をぶつけ、お互いに大きな損害を出しながらも、魔王が勇者を討ち取る形で決着がついた。

 しかし魔王自身も勇者の攻撃で死にはしなかったモノの仮死状態となって眠りに着く。

 両者共に最大の戦力を失い、魔族側にとっては指揮をするトップの存在、そして士気に関してもその存在は大きく、戦力は失ったものの指揮系統が死ななかった人間側に有意な状態が作られ、その戦いは、一度は終息に向かい、第一次魔人戦争は終わりを告げる。


 しかし魔王が死んではいない事から、その首を取るまでその戦争が完全に終わる事はなく、眠りについた魔王を守る魔族と、その首を取ろうとする人間とで第二次魔人戦争が始まるも、人間側は勇者という戦力が突出しており、その存在を失った人間側は魔族側に決定的なダメージを与えられずに、大半が魔族側の防戦一方ではあったものの、地方で大小さまざまな戦いが起こるだけの決定打にはならず、両者ともに現状を維持するだけの泥沼の戦いが続いた。


 魔人戦争が始まってから36年、第二次魔人戦争がからは23年の月日が流れた後、人間側で1人の少女が祭り上げられる。

 半神半人の少女、勇者の生まれ変わり、新たな勇者として神から賜った全てを終わらせる子。

 自分が生きる世界がどんな場所なのか、それをはっきりと理解していない、よわい5歳という無垢な勇者の誕生は、世界に、魔人も人間も関係なく、驚きと動揺を与えた。

 勇者が何歳であれ、どんな姿であれ、魔族側の勇者復活という情報は彼らを動かす要因となる。

 魔王の完全な復活を望んでいたが、勇者という存在の影響か、半神半人という神の血が影響したのか、穏やかだった魔王の心臓を強く高鳴らせ、その前兆が魔族の士気を上げ、防戦一方だったその戦いの火を燃え上がらせた。


 結果、魔王復活の時間をかせぎ、新たなる勇者誕生から4年、完全ではないものの魔王は復活を果たし、泥沼だった戦いが終わりを告げ、第三次魔人戦争開始の合図となった。



【人と魔族】

 アステルに生きる種族の一種。


 人はアステルで最も個体数の多い種。

 個体の力は魔族に劣り、弱い者は動物にも命を奪われる事もしばしば。

 身体能力こそ高くないが、その能力は平均的で、道具を使ったり、複数人の連携により魔族にも劣らない力を発揮する事ができる。

 寿命は平均50前後。


 魔族は人と比べて個体の能力が高く、その力を誇示するために少数で行動する事が多い。

 その容姿もさまざまで、人のような姿をしている者もいれば、二足歩行であってもそれだけで人に近いとは言い難いものも存在する。

 人から言わせれば、その姿は醜い者が多く、見るだけで恐怖する存在ばかり。

 能力は個体ごとにまちまちで、力のある者、魔力を高い者、体が大きい者と、どの魔族も尖った性質を持つ。

 知性に関しても、高い者もいれば小さい者もいて、バラバラ。

 寿命も人間と比べ倍以上と長く、中には1000年以上生きる魔族も存在する。


 魔族には肉食の者も多く、人を襲う事も多くはないが少ないという訳でもなかった。

 人は、道具や薬を作るため、強い魔族を倒す事で自分の、もしくは自分達の力誇示するため、多種多様な理由から魔族を襲った。

 戦う理由は両者ともにあったモノの、数で優る人側のいき過ぎた魔物への攻撃が魔人大戦への起爆剤になったとされる。



【神】

 アステルという世界の頂点にいる存在。

 いったいどんな姿をしているのかは決まっておらず、アステルに生きる者の前に現れる時は、当たり障りのないその人間の普通に思う姿で出てくる。

 世界を、破壊するも、作り変えるも、人が成せない事をできて当たり前のようにやる事ができる全能の力を持つ。


 神は1人という訳ではなく、複数存在し、性別も男女問わず存在する。


 時に神の血を引く子供が生まれる事があるが、それは神がそういう行為を行って生まれた子供というだけではなく、神の力の影響を受けた事によって母体ないしは胎児に神の力が宿った結果の場合がある。

 しかし、神といっても機械という訳でもなく人並みの感性を持っている者もいて、世界の民と関係を持つ事もあって直接的に神の子供が生まれる事も…。


 アステルは自分達が作った世界ではあるものの、その長きに渡る魔人戦争にしびれを切らし、魔人と人、どちらかを切り捨てる事は出来ないと別の道を見つけさせるために、両陣営の中心人物たる魔王と勇者を、それ専用に作った世界へと送り、お互いを知る機会を与えた。



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