第11話 国王が......

グリーン王国王都チェリコ宮殿内。

「王よ。最近王都チェリコ付近で魔物が大量発生している件について報告させてもらいます。」

跪いた兵士が王座に座る男に報告を読み始めた。王座に座る男はグリーン王国国王イフリシオ王である。イフ王と呼ばれている。

そして、王は顎に手を置き考えながら兵の報告を聞く。

「まもなく、大規模にアルケミストを使用し調査を行う予定です。」

「うむ。アルケミストたちには危険はないのか?」

「アルケミストたちには、比較的安全な領域の調査を行わせる予定です。また、同伴する教師も増員して実行するとの報告を受けております。」

「そうか。それなら任せよう。」

兵は礼をするとすべての報告を終え、王の間をあとにする。

王は、別の兵を呼ぶ。

「最近の近隣国の情勢を教えてくれ。」


グリーン王国の付近には、主に3国の国と接している。北の国アレン、南の国ローズ、東の国テアナ帝国の3国でグリーン王国の西側はマリア海と呼ばれる海がある。各国ごとに特徴などが存在する。グリーン王国は、錬金術の都、アレンは傭兵の国、ローズは聖騎士の国、そして最後のテアナ帝国は、哀しき王の魔動の国と呼ばれている。この中でも最も強い国がテアナ帝国であるのだ。


兵は、王に情勢を伝える。

「帝国は、ローズに侵略を行いローズの一部地域を制圧し、魔動兵器をアレンへ送る準備を行っている模様です。」

「魔動兵器の数は?」

「200近くは、砦に向けて運ばれた模様で現在調査中です。」

「そうか。かなりの数だな。」


魔動兵器とは、帝国は過去に神々に逆らい神から罰を受けた。それは、生命エネルギーのコントロールがすべての国民ができないようにさせると言う罰を受けた。そのため、帝国国民は魔法や錬金術といった術を使えないため、兵器の開発に力を入れ作りあげたのが人から生命エネルギーを吸い出し魔道へと変換する兵器である。その兵器の姿は、黒く大きな砲台のような形でドラゴンをもして作られたとされている。かなりの威力があり、砲弾は人の生命エネルギーのため搭乗者が変われば無限に打つことができるが機動性がないため的になりやすいものである。


「帝国がこちらへ侵略してきたら大戦が始まってしまうな。」

王は、小さな声でつぶやき頭を抱えた。

「国境の砦には、何かあったらすぐ知らせるよう指示せよ。」

「かしこまりました。」

(あれを急がねば、国が取られるやもしれん。)

王は、剣を撫でながら考えた。


部下の兵は、鳩に伝令を括り付け各国境の砦に飛ばす。

それを確認すると王は、王座から立ち上がり自室へと帰っていった。

自室の机の本を手に取る。

「私は、王であらなければならない。永遠にそのためにすべてを捧げても良いのだ。」

王の手にした本の名は、【古代兵器プロト】と書かれた本であった。

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