第3章

第3章




「こんにちは」

そう言って入ってきたのは…いつもの常連か。

「………」

そういえば、もうそんな時間だな。

「えぇ。マスターさん。いつもそんなにムスッとしてたら、お客さん減りますよ」

余計なお世話だ。

「あれ。今日はお兄さん、居ないんですね。風邪ですか?」

まぁ、そんなもんだな。奴は出勤時間こそ守ったことはないが、休むのは…初めてか。

「…ちぇっ。珍しく英語習おうかなって思ってたのに。まぁいいや」

………。どういう風の吹き回しか。こいつが勉強をするだと?

「あっ。マスターさん。なんですその目は。さては疑ってるな」

……。

「………。もういいや。マスターさん、いつものお願いします。今日はちょっとミルクを多めに入れて欲しいな」

なにっ。こいつが珈琲をブラック以外で飲むのを見たことがないぞ。


───カチャリ


「………ふーん。………うん。美味しい。たまにはこういうのもいいよね」

「………」

調子が狂う。

なんなんだ。



何か起こるな

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