4#確執
ブッピはいつものお気に入りのぬた場に体をごろ~んごろ~んとしていたが、隣にいつもの“山の主”が豪快にゴロゴロゴロゴロしていない。
というか、どこにもいなかった。
いったいどこに行ったんだんだろう・・・
ブッピは探した。
山の動物達にもどこにいるか聞いてみた。
みんなの答えは同じだ。
「こんな奴知りませんよ。」
ブッピはショックだった。
“ブーさん”は森のみんなに嫌われているのではないか?ということだ。
・・・そうだったんだ・・・だからずうっと僕の所から片時も離れなかったんだ・・・
ブッピは落胆してトボトボと歩いていた。何で“ブーさん”は嫌われているんだ?デカすぎな図体だからか?悔しいなあ・・・
ドドドドドドドドドド!!!
バウッ!バウッ!!
キャイン!キャイン!キャイ~~~ン!!
バーン!バーン!キーン!
ぴぎいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!
「何だ?」
“ブーさん”が何と猟犬とハンター達を相手に闘っていたのだ!!
猟犬を外側に突き出た鋭い牙で突き飛ばし、噛みつき格闘していた。
ハンターの猟銃も気合で弾き飛ばし、突進して攻撃した。
まるで死を覚悟してるかのようだった。
ブッピは辺りを見回した。身の毛がよだった・・・
今まで話をしていた森の動物達が・・・
ハンター達が群がり・・・
猟銃を乱射し・・・
次々殺された友達が・・・
何で?何で?何でこうなったんだ!!
猟奇にまみれたハンターどもを身をもって追い払った“ブーさん”は肩で息をして、
「ちくしょう・・・ちくしょう・・・僕はみんなを守れなかった・・・ごめんよ・・・みんな・・・」
と、悔し涙を流していた。
生き残った仲間達が“ブーさん”を取り囲んだ。
全員怒りにまみれた表情をした。
全員で“ブーさん”を攻撃してきた。
全員で“ブーさん”を殺そうとするかのように激しかった。
何で?何で?“ブーさん”は闘ったよ!
みんなを守ろうとして闘ったよ!
だけど何で?
何で攻撃するんだ!
もういやだ!!
ブッピは涙を流して怒鳴りちらした。
「みんなやめてくれ!!何で攻撃するんだ!!やめてくれ!!もう許してやってくれ!!“山の主”なんでしょ!!何で“山の主”がみんなに・・・」
「どけ!!」
クマにエルボを食らわれたイノシシのブッピはもんどりうって、転げて字を作り、そしてもみくちゃになり、殴られ、蹴られ、みるみるうちにブッピまで体中に字が出来、すりむいて血が滲んだ。
「もういやだあああああ!!」
“ブーさん”こと“山の主”もとい大イノシシは森の動物達全員の攻撃によって事実上の追放となった。
大声で泣きながら去っていく“ブーさん”を見守ったイノシシのブッピは
「ざまあみろ!!」
「おとといきやがれ!!」
と罵倒を叫ぶ山の動物達を怒りの涙でキッ!!と睨みつけた。
「お前ら何てことするんだ!!」
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