7#夢現
僕はその割れた“丸い物”をあの畑に取りに行こうと思った。
でも、また人間に追いかけられたら・・・
でも、僕の始めての友達を助けなきゃ・・・
何も出来ないジレンマが、僕を悩ませる。
そのうち、僕は疲れて寝てしまった。鼻提灯を風船のように膨らませて。
・・・風船か・・・
・・・風船・・・僕の周りには、あの時見た、色とりどりな丸い鳥や、あの丸い物がいっぱいあった。
丸い物を鼻でつついたり戯れた。口で丸い鳥の細い尾羽根をたぐって、匂いをかいで丸い物の匂いと同じことを知った。
・・・どこからか声がする・・・これは風船というものだよ・・・
ふ・う・せ・ん?
目の前には、僕を守るためにハンターに撃たれて死んだはずの母さんがいた。
母さんはいっぱい牙から前脚、後脚、胴体、小さい尻尾までまあるい鳥・・・いや・・・風船をいっぱい結びつけていた。
「自由になりたいなら風船のようになりなよ。」と小さい袋を取り出して、僕の口にくわえさせた。
そして、母さんは息をそこに吹き込んでごらん。と言ったので、ふ~~っ!と息を袋に入れた。
すると、小さい袋はどんどんどんどんと膨らんだ。僕は鼻で息を広げて思いっきり吸いこんでほっぺたをパンパンにして力いっぱいふ~っ!ふ~っ!と更に袋に息を吹き込んだ。そしたら、あの丸い鳥や、丸い物と同じみたいな物になった。
・・・これが風船・・・僕の友達・・・
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